ライフとイノベーションを求めて。今こそ知りたい「ケイオディック・パス」|ピンチからチャンスを探るオンライン対話・開催レポート(4/4-未来予測)
こちらは、シリーズの最終話です。今回の体験を踏まえての、私の所感です。
これからの組織・社会のあり方を考える
3・11東日本大震災の後に、私たちの社会は変わりました。
さらに、コロナウィルスの影響によって、また社会は次のシフトをし、さらに先の見えない状況と入りつつあります。
この数日の世界の情勢を見ると、もう今日と同じ明日が続くことはなさそうだという思いが強くなります。
今後、私たちの社会はどうなっていくでしょうか。
ケイオディクのフレームワークを知った今、私たちには、いくつかの未来のシナリオが見えているはずです。
言葉を変えれば、どのような自分の行動が、どのような未来に結びついているのかを想像することができるはずです。
私だったら、このようなことを考えます。
■分断シナリオ : 統制、あるいは、強いカオスの道
混乱の中で、誰かにすがるか、誰かのせいにすることでしか、平静を保てない人が出てくるかもしれません。
その中で、ヒーローやカリスマを名乗る人が、現れるかもしれません。「世界的な大恐慌が来る」「これをやらない人は置いていかれる」などと、強いカオスを予見させることで、あなたを恐れさせます。代わりに、「あなたを置いていかない」などと甘い言葉を言って、あなたを精神的に束縛をするか、教材や講座を高値で売りつけるかもしれません。
「よかったあの頃に戻ろう」と、懐古主義の声をあげる人が出てくるかもしれません。
それに反対するように、「全て自己責任」という強者生存、アナーキズムなどの一部の人が原理主義的な思想を唱えるかもしれません。
諦めの末に、人を傷つけるか、自死を選ぶ人がいるかもしれません。
統制や強いカオスの道に入ったならば、そのようなことが観察されるのではないでしょうか。
もしそうなったら、それはコロナウィルスではなく、社会的分断と、強いカオスや統制が勝利する未来ではないかと思うのです。今回のフレームワークでいうと、両極端へと落下しているということです。
その先には、一部の経済的・政治的な強者(ボスやカリスマ)、どこかの誰かに都合の良い社会が待っているでしょう。「ああ、またこれか」という既視感の中に、未来が入っていくということです。
■統合シナリオ : 自由と秩序の道
もし私たちが分断されたまま、恐れを動機にしてしまったならば、世界は暗闇にのまれてしまいそうです。
しかし、もし私たちが互いの信頼でつながり、勇気を動機にして、互いをケイオディック・パスへとお誘いすることができれば、より光のあるほう、より意味のある目的のほうへと、手を取り合って進むことができるはずです。
自由と秩序のある、つまり、ケイオディックな関係性や、参加型リーダーシップのある社会。それが、たとえば、どんな未来なのかは、前回紹介したストーリーの通りです。あれは、私にとっては「これが、新しいふつうになったらいいな」と思う未来の社会を垣間見るような出来事でした。
あなたは、あなたがどんなことができる社会に生きていたいですか。
それはきっと、つい続きを読みたくなるような物語だと思います。
選択をしよう
未来予測。
っていうのは、よくないタイトルだと思います。そういう記事や動画が増えているのでマネしてみましたけど。
予測というと、まるで、未来は既に決まっていて、私たちはそれに備えないといけないみたいじゃないですか。
実際は、未来は、私たちの選択の積み重ねの結果として、創造されるものだと私は思っています。
支配的な意味での影響力を持ちたい人が、「未来予測」というと、「大衆」がそれに従うから、結果的には、それも一つの未来創造の仕方なんでしょうけれども。そこでは、多様な声と、自由と意思が尊重されているとは私は思いません。その続きを自分が描けるんだ!という、参加することのへのワクワクがない感じがします。
私たちは、選択することができます。
たとえば、「外出をしたら人が死にうる」と言われているのに、むやみに外出してしまう人が増え続ければ。
一方的に誰かのせいにして、自分が自由になるための責任を誰かに明け渡してしまえば、
あるいは、インスタントに与えられる、かりそめの希望に飛びついてしまう人が多くなれば。
ボスやカリスマが「この社会は監視と支配をせざるをえないな」ということを言いやすくなります。私たちのふるまいが、その口実になるということです。
実践をしよう
マハトマ・ガンジーの有名な一言があります。
Be the change that you wish to see in the world
(あなたが見たいと思う世界の始まりになりなさい)
ケイオディック・パスを行くこと、つまり、あなたが望むような未来に進むためには、今、あなたがそれを体現するように振る舞い、アクションをすることが必要です。
様々なレベルが考えられますが、私は、日々のはたらき・暮らしの中にある関わり方を変えていくことが、すぐに始められて効果的なことだと考えています、
それは、このシリーズでお伝えしているように、互いの物語「今、何が、起きているのか(what)」に耳を澄ませることから始まります。まるであなたが、相手の声の器になったように、それを聞き容れます。
そして、物語の中にある意味を探ります。「それにどういう意味があるのか?(so what)」。そこから、互いにとって未知な発見や、望ましい未来の物語を描いていきます。
そして、そこにつながるための次のアクションを探求します。「じゃあ、どうしよっか?(now what)」。
複雑な状況の中で、あなたが誰かを支えようとする時、「未来予測」や答え、根拠はなくてよいはずです。だって、それがカオスだから。
まだないところから、共につくりあげていくのがケイオディック・パスです。その揺らぎの中でも、あなたが勇気を持って隣人に笑顔を見せ、意味を作り出す話し合いができたならば、その違いは、きっと未来を左右します。
おわりに 自分との関わり方を見直す
とはいえ、現実社会の中で、もしかしたら、私たちは自分がもう機械の一部となってしまっていることを認めざるをえないような経験することがあります。
私が大きな組織の中で、ロボットのように働いているときは、そうでした。私にはそんな力はない…と。
しかし、だからと言って、私のすべてがそうではないのです。
胸に手を当ててみてください。
私たちは、自分の内側にLIFE(命、人生、暮らし)があることを感じることができます。
そして、自分の声に耳を澄ませることができます。
それは、あなた自身ですらコントロールができず、予測も、説明もできません。答えも終わりもありません。
しなやかで自立していますが、本質的に相互に依存することを求めています。
複雑で大きな生態系の一部として存在していて、孤独を感じる時も、ほんとうは根っこでつながっています。
そして、何度言っても言い足りませんが、
それは美しいものです。あなたの中に美しさがある。
これは私が友人と音楽を演奏する時に気に入っている言葉です。
ここにシェアしますね。
Let your life lead you, and play with chaos.
あなたのLIFEが導くままに、カオスとあそべ。
あなたは途方もない偉大さを内側に隠しており、そこからすべての希望と可能性がはじまっています。
それを互いに探求し合い、分かちあい、ともに実現すること。
対話と協働。
今こそ、その実践をはじめませんか。
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