きよし【賢者の書】

年末年始9時間睡眠、絶好調男きよしです。

会社の先輩が「働くうえで参考になると思うから、年末年始読むと良いよ。」と貸してくれた喜多川泰さん著『賢者の書』について書きます。


本の主人公アレックスは家庭、仕事での息苦しさを感じ、一人になりたい気持ちを抱えかつて住んでいた田舎町に出かけた。目当ての公園に着きベンチに座っていると、遠くからボロボロの服を着た少年サイードがこちらに向かって歩いてきた。サイードは祖父からもらった「賢者の書」を完成させる旅の途中であり、9人目の最後の賢者がここにいると言われて来たそう。疲れのため一人眠り始めたサイードの横で、賢者の書をアレックスが開くところからストーリーがスタート。

賢者の書の中にはこれまでの旅でサイードが出会った8人の賢者との会話・教えが載っている。1人の目の賢者の教えからそれぞれ書いていくと

〈行動〉
「行動の結果我々が手に入れるのは成功や失敗ではなく、1枚の大きな絵を完成させるために必要なパズルのいちピース。1つでも多くのピースを得るために行動する事が大事で、またそれがどこで使われるか考える事も大事。辛い、苦しい、期待と違う、と今は不要に見えるピースも、その絵が完成されたときにその価値が分かる。」

〈可能性〉
「宇宙を創造した大いなる力は、唯一人間にだけ自らと同じ力『心』を授けた。その力によって人間は不可能と思われる事を次々と成し遂げてきた。同じ心が我々1人1人にもあるため、不可能と思えるようなビジョンを実現する無限の可能性が自分にもあると自覚する事が成功につながる。」

〈自尊心と他尊心〉
「自分がかげがえのない唯一無二の存在である事を言い聞かせ自尊心を高める事で自分の人生は素晴らしいものになる。ただし自尊心と同じ高さまで他尊心を高める事が条件。自分に無限の可能性があるのと同様に、自分が知らない世の中すべての人間も等しく無限の可能性がありかけがえのない存在である事を知り、尊重する事、それが他尊心。」

〈目標〉
「人生における成功を『何になるか』に置いても、成功は手に入らない。『どんな人間になりたいか』と考え、その理想を追求するとおのずと何をやるかが決まってくる。最終的にどんな仕事に就いていようと、自分が理想とする人間像に向かって努力を重ね続ける限り、成功が約束されている。」

〈今〉
「人生は一冊の伝記を完成させるようなもので、そのために今日できる事は今日一日を成功者としてふさわしい生き方をする事。いま何を持っているいないに関係なく、後にこの伝記を読んだ人が『この人だったら、将来大きな成功を成し遂げて当然だ。』と思えるようなそんな1ページ、1日にする事。」

〈投資〉
「世の中の成功者のほとんどが、無一文からスタートし巨万の富を手に入れた。彼らの共通点は投資をしてきた事。ただし彼らが投資したのは決して『お金』ではなく、すべての人が平等に与えられしかもすぐに始められる『時間』の投資だ。」

〈幸福〉
「人間は何を探して生きているかという点において、『自分を幸せにすることを探す人々』と『他人を幸せにすることを探す人々』の2つに大別される。前者にとってこの世界は思うようにいかない、楽しい事の少ない場所だが、公社にとっては喜びに満ち、楽しいことが多い場所だ。後者の立場をとる事は頭では分かっていても、容易に行動できるものではない。しかし世の中の成功者はすべて後者の人間である。」

〈言葉〉
「人間が最もよく聞く声は、自分の心の中の言葉である。他人の声よりも自分の声をよく聞き、最も強く影響を受け、自らの人生もその言葉通りの方向に向けようとする。そして将来も自分が使った言葉通りの人生が待っている。今の自分が成功している、願った幸せを手に入れている途中にいると認める言葉を自分に言い聞かせる事で、より大きな成功が手に入る。」


ここまでで8人分。最後9人目の賢者はまさかの?予想通りの?アレックス

〈感謝〉
「人生をより素晴らしいものにするためには、とにかく感謝の言葉を多く口にする毎日を送らなければならない。人との出会い、周囲の助け、大いなる力、自然の恵み....。全ての出来事に心から『ありがとう』と思う事。そして大切なのはそれを伝える事。今日1日を感謝で埋め、自ら持っているすべての恵みを数え上げてできるだけ多くのことに『ありがとう』をいう事。これが今日1日、自分だけでなく自分の周りにいる人をも幸せにする方法であり、つまりは自分を含めた多くの人の人生を、この上なく幸せに素晴らしいものにする方法である。賢者は誰よりも『ありがとう』を口にする人である。」

〈与える〉
「人生において欲しいものを手に入れるためには、手に入れたいと思うものを与える側にならなければならない。感動したい、勇気を得たい、人から認められたい、愛されたい...。本当に手に入れたいものであればあるほど、どうやって人に与えるかを考えなければならない。与えた時に味わう感覚は受け取った時とは比べ物にならないほど大きな喜びであり、その境地に立つことは自分の欲しいものを心から人に与えようとしたことがある者にのも与えられる特権なのだ。」

〈誕生〉
「人間は何度だって生まれ変わる事ができる。昨日までの愚者は、今日賢者として新しい誕生を迎える可能性を持っている。その可能性は誰もがみな持っている。きっかけは何かは分からない。愚者の自分を知る他人は笑うかもしれない。しかしそんな事は全く気にする必要はない。昨日までの自分がどうだったかをという事に関係なく、人間は今日から新しい自分に生まれ変われる。それができるという事を信じ、自らが集めてきたピースを見つめ、素直に自分自身を分析し、そして『変わろう』『変わりたい』と思う少しの勇気を持つだけで人は新しい人生を始められる。そのことを理解する者だけが、最高の賢者としての人生を始められる。」


以上9人の賢者さんの教えです。本の中では各賢者とサイードの会話内容が細かく書かれいてるのでぜひ読んでみてください。



それぞれの賢者の教えは「すべての成功を手に入れることのできる最高の賢者」になるためのもの。「成功」という言葉がよく出てきましたが、僕は道徳的に人が持つべき資質だったり人間として普遍的に大事な事を教わっている印象でした。案外そういう皆が分かっているけどなかなか実践できない事がとても大事だと改めて気づけました。『わかる』と『できる』は違うとよく言われますが、まさにそうなのでしょう。毎日会社に行く前の数分で9人の賢者の教えを見返したら、その日1日がいつもより豊かになって面白いかもしれない。

仕事や勉強をしている時は1つの事に一生懸命だし、どこか無機質になってしまう事があると自分は感じます。それは集中しているので全く問題ないのですが、ふと立ち止まったときにこんな本があると「自分ってどこに向かってるんだっけ?」「自分って何のために働いている(勉強している)んだっけ?」「自分ってもともとどんな人間になりたかったんだっけ?」といった問いかけに対してきっと答えてくれるはずです。

今回たまたま自分は年末年始で出会えてとても参考になりました。読んでいる時に何度も「そうだよなー」とか「はー、そうそう」と言ってしまいました。反省する気持ちと励まされる気持ちがあり、また自分の心のすごい下の方にまで触れてくれる感覚があって不思議な感覚で読み終えました。


同じ先輩の紹介で喜多川さんの他の著書『手紙屋~蛍雪編-私の受験勉強を変えた十通の手紙』も以前読みましたが、喜多川さんの本は伝えているメッセージは他の著者と同じかもしれないですが、ストーリーの仕立てが抜群に面白いので内容が理解しやすくサラッと1冊読めてしまいます。メッセージ性がしっかりしていて且つ読みやすい。

ネット上で喜多川さんの本に関するレビューを読むと「ぜひ再読したい。」や「子供、知人に紹介したい。」と書かれていることからも、1度読むと手放せないと思います。

学生や社会人の週末の一冊にぜひおすすめです。

・「読書メーター 賢者の書(新装版)感想」
(https://bookmeter.com/books/411497)
・「BookLive 【感想・ネタバレ】『手紙屋~蛍雪編-私の受験勉強を変えた十通の手紙』のレビュー」
(https://booklive.jp/review/list/title_id/198774/vol_no/001)


きよし




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