第二回「絵から小説」:B 『花弁の城』
またまた参加させていただきます。
築き上げられた花弁の城は、四月の香りを多分に含んだそよ風に撫でられながらも、君の足元に毅然とそびえていた。足元に広がる無数のなりそこないたちが、城に羨望の眼差しを向けているようだった。七歳の子供が持てるすべてを使って作り上げたその城に、僕は君の強さを見出していたのかもしれない。
城は崩れた。自分を作り上げてくれた主に、喜びと感謝の意を込めて、その姿を誇らしげに披露していた時の事だった。自分で作り上げたその城を、君の裸のつま先はいとも簡単に壊