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空の子 / 自由詩.b

僕らは空の子。
飛んでるように生きていた。

僕らは空の子。
心のままに生きていた。

僕らは空の子。
飛ぶこと以外、ただの一つもいらなかった。

「今日は晴れ後、花びら。」
壊れたラジオがそう言った。

その日も僕らは飛んでいた。
花びらの中をひらひらと。

ただの一つもいらなかった。

ふいに地上が、僕の気を。
したり顔で惹きつけた。

積もりに積もった花びらに。
多くの子らが群がった。

僕はなんだか寂しくて。
飛んでいてはダメな気が。
ホントは飛ぶのが好きなのに。
ただ、飛んでいたいのに。

迷ったけれど、妹と。
僕らは地上に降りてみた。

ふかふかに見えた花びらは。
ホントはズッシリ湿っぽく。
とてもリアルに生きていた。

一面、積もった花びらを。
一心不乱にかき集め。
負けないようにかき集め。

大きな山を盛り上げた。
それでも何か足りなくて。
足りないことにしないといけなくて。

一面、積もった花びらを。
一心不乱にかき集め。
負けないようにかき集め。

大きな山を盛り上げた。
それでももっと大きな山を。
僕は作らないといけなくて。

一心不乱にかき集め。
負けないようにかき集め。
大きな山をこしらえた。

ついに、ふいに妹が。
お兄ちゃん。ホントにこれが欲しかったん?

大きな山と引き換えに。
僕の翼は消えていた。


清世さんの企画に参加させていただきました。
いつもありがとう。

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