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第二回絵から小説 作品集

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2022.2.14.20:00~2022.3.15開催「第二回 絵から小説」作品集です。スゲー作品がいっぱい増えるといいな!
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2022年2月の記事一覧

姿なき 花束を 贈るために

 散りゆく 花を 少しずつ  散りゆく 花を 少しずつ  すくい すくって 集めて  お山ができる お山ができた  夢中になって それを作って  それは いったい どうするの?  私は見ている  私は見ている  それを想像して それを想像して  口元がゆるむ 私を 見ている?  あなたの 左手につかまれた枝に  こんなにも 想いの詰まった花に  儚げな息をして潜む 心を解して  私の気持ちを 汲んでいるみたい  私は見ている  私は見ている  

【詩】深いところ

物書きあつまれ!第二回「絵から小説」【詩もOK】に参加します!👇👇👇 そこは 暗くて 暗くて わたしの 深いところ いっそのこと ころげ 落ちてしまえば良かった そうすれば もう そこから出ることさえ出来ないから どうして、わたしの影は 追って来ないの? そこは 暗くて 暗くて わたしの 深いところ (97字) こちらの絵を選択させて頂きました💙 絵を見た時、下に自分は映るのに 影が無い、と言う所からこの詩は生まれました。 それもそのはず。何故なら影は洞窟その

【企画参加:第二回「絵から小説」】Chisaki ーチサキー

「これは…」 ピンク色の小山のてっぺんに立った俺は言葉を失った。 目線の高さにはぐるりと連なる北アルプスの峰々。 眼下には松本平、そして桜、桜、桜。 歌舞伎「楼門五三桐」の石川五右衛門の名台詞が頭に浮かぶ。 絶景かな 絶景かな 春の眺めは価千金とは小せえ 小せえ この五右衛門が眼から見れば価万両 万々両 その価万両の美しさに心が緩んだのか、固く閉じていた俺の記憶の蓋がカチリと開いてしまった。 (子供の頃のチサちゃんも、この景色を見たんだな。) 幼い頃、ほんの3年ほどを共に

【短編小説】桜との約束#第二回「絵から小説」

Kindleで出版している本を記事でも出しています。 ポートフォリオ的な目的です。 Kindle Unlimitedなら0円で読めますので、そちらをオススメします。  本書の宣伝とあとがきはこちらの記事で紹介しております。 (読了目安10分/約8,460字+α)

灰の日

 宵闇に映る 詩を見上げてみる夢に  あなたには 私の姿が見えますか?  灰色に溶けていく 花びらを集めて  ひとつの ドレスを仕立てましょう  私には あなたの姿が 見えません  あなたには 私の姿が見えますか?  灰色に映る 花びらと共に舞い踊り  どうか あなたの夢に 届くように  せめて 散りゆく 儚さを 夢みて  あなたの 心へと 届きますように  宵闇に映る 灰の日に舞う詩をみて  私の想いが 透いて みえますよう  ただ それだけ それだ

【第二回絵から小説】君と僕のやくそくは【短編小説】

#第二回絵から小説 #清世さん企画 #お題絵B 額なし 【短編】君と僕のやくそくは 作 38ねこ猫 君と遊んだ桜の丘の公園は、土地開発でなくなりました。 桜の木も切られ今はもう、あの頃の丘の面影はありません。 ポストに届いた手紙には、いろいろ書いてあって、私の胸を打ったのはこの二行の文章だった。私はずいぶん早くに父の仕事の都合で桜の丘のある街から引っ越したが、よく遊んだ男の子と手紙のやりとりを続けていた。 もう10年。 私は大学へ駒を進めるところまで来た。 手紙の相

進路への分岐点 #第二回絵から小説  第760話・2.22

「石見さん、進路はどうするの?」石見葵は今後の進路について、放課後に担任に呼び出されていた。 「え、いや」葵は進路については何も考えていない。高校3年になった石見は、小さいときから漠然と自由というものに憧れていた。とにかく縛られるのが嫌い。義務教育などはさすがに従ったが、高校進学すらも迷ったほどで、両親からの説得で進学したほど。それもわざわざ私服が認められている高校を選んで入学。  だから高校卒業後の進路について、全く何も考えていない。普通に考えればどこかの大学に進学するのが

離れたところからずっと見ている

「逆に不調になるってことは、どこかしら負担になっているやつがあったりとか、許容量以上に頑張りすぎちゃっているとかがあると思うんですが、いかがでしょう…」 憧れの人にこういうことをコメントに書くのは少し気が引ける思いがする。でも彼女は誰に対してもそういうことを言葉にしていたから私もやることにした。 "彼女のようになりたい"とかそんなんじゃない。"彼女だから言葉にする"のだ。 私は、自分の心に従って動くことに慣れていない。でも、noteは自分の意志で始めた。マイナスなことが多

#第二回絵から小説 A

軽やかに軽やかに あなたの見えないところへ 軽やかに軽やかに あなたが見えないところへ 重たいあなたの涙を捨てて 重たい私の想いを捨てて 軽やかに軽やかに 花びらとともに あなたの元からそっと舞い散る はじめて創作したのは清世さんのこの企画でした。 正直に言うと、どうしてもアイコンが欲しかったんです😘 私の好きな物を詰め込んでくれたアイコン、とってもうれしかったです! そして創作の楽しさも教えてくださり、ありがとうございます。 3つ、コンプリートしてみました。 私

#第二回絵から小説 C

きみのその真っ直ぐな視線を みれなくなったのはいつからだろう きみのその真っ直ぐな視線から 逃げているのはいつからだろう きみのその真っ直ぐな視線は いつかのあの日のままで きみのその真っ直ぐな視線は 僕のゆがんだ心を責めるようで 僕は自分が汚れてしまったことを思い知らされる きみへの想いはあいかわらずあやふやで ほくはこの気持ちに似合う言葉をずっと探している はじめて創作したのは清世さんのこの企画でした。 改めてnoteって、創作って楽しいな~と教えてもらいまし

#第二回絵から小説 B

僕が涙をこぼしそうになると きまって君は 僕の隣にちょこんと座り 僕を見る 僕は涙を見せないように きまって君に 背中を向けて その視線から目をそらす そんな小さな抵抗も 君の前では力を持たず 僕の涙はきまって 君の瞳にすいこまれる 桜の季節がやってくると きまって僕はそんな君を思い出す 清世さんのこちらの企画に参加します! はじめて創作したのは清世さんのこの企画でした。 投稿するの緊張したなあ・・・ でも、いいきっかけになりました! 一つ壁を越えたような・・・

【企画参加】君と共に-詩-

お山をつくろう 君が歯を見せて笑う 何かをたくらむ顔 砂場へ行こうすると 違うよこっちだよ 反対の方へ手を引いた 僕よりちっちゃな手 ほんの少しだけ汗ばんで 沢山の桃色の花が 風に揺られ舞い散る 日の光が眩しい 地面に枝で大きな丸を書いた そこに集めたたくさんの花びら あっという間に積み重なる とんとんと君がスプーンで固める 鼻歌が聞こえた 最近の君のお気に入りの歌 調子っ外れ だけどどこか耳に馴染む 嫌いじゃなかった そっと目を閉じた 大きなお山が完成すると 君

『トコちゃんとジュンちゃん』ー詩ー

<ジュンちゃんの詩> ボクにはまだ夢とかわかんない けど トコちゃんが泣いてる時は一緒にいたいんだ たとえば 徒競走で負けてしまったり たとえば 石に躓いて転んだり たとえば いつもり小さくしゃがみ込んだり たとえば そんなトコちゃんを見たら ボクは彼女の左手をいつもより ギュッと握って 一緒に同じテンポで歩くんだ 「トコちゃん、見て!素敵な山を見つけたよ。 桜の花の山だよ。 誰が作ったんだろうね?」 <トコちゃんの詩> 大人になりたくないなって思う時があるの けど

花トンネルであなたと【絵から小説】

眠れない夜 浅い眠りに落ちる頃 あなたは僕の前に現れる 早く 早く こっちへ来て 僕に呼びかけるあなたは誰? あなたは僕を知っているの? 軽やかな足取りであなたは駆ける 僕を振り返り柔らかな笑みを浮かべて 花トンネルを飛ぶように駆ける 僕はあなたに会ったことがある それはいつだっただろう それははるかはるか昔のこと 待って 待って 僕も行くよ 僕に会いに来てくれたあなたの所へ あなたは僕のたいせつな人 軽やかな足取りであなたは駆ける 僕はあなたに手を振り追いかける