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【アニメ】平家物語第1話「平家にあらざれば人にあらず」感想とか解説とか

TVアニメ『平家物語』について。
毎週見ていて感想と解説を書きたかったのだが、大河ドラマの感想優先で完全に出遅れてしまった。
映像が本当に綺麗で映画館で観たい作品。
メモを書き写したようなざっくりした感じになってしまうが、感想と簡単な解説を書いていこうと思う。
こちらは大河と違って毎週放送直後に更新しないと思うので、第1話からのんびりやります。

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第1話冒頭、揚羽蝶が飛ぶ映像で物語が始まる。
これは平家の家紋が揚羽蝶であることとリンクしている。

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この作品はこういう「わかる人にはわかる仕掛け」があるので注意深く見る必要がある。

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主人公の少女・びわ。青い右目で未来を見ることができる。
平家の結末が見える彼女は、物語の結末を知る我々の投影でもある。
びわとともに我々は結末を知っている平家の盛衰の物語を見届けることになる。

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平清盛の長男・平重盛。
重盛は左目で亡者を見ることができる。

本来、見えるはずのないものが見える2人。
父を平家に殺されたびわが、平重盛の屋敷に忍び込み、重盛に平家の滅亡を告げることで物語は動き始める。

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びわが重盛邸でともに生活することになる重盛の子供たち。
長男・維盛、次男・資盛、三男・清経、四男・有盛。
維盛と資盛は正室の子ではない。
正室の子は清経と有盛。
長男・維盛は「光源氏の再来」と言われる美男の貴公子であったが、母の身分が低く、実は重盛の後継者とは言い難い。
重盛後継についての詳細はまた別の機会で。

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清盛の娘・徳子。後に高倉天皇に嫁ぎ、安徳天皇を産むことになる。
妹の盛子は先に摂関家の近衛基実に嫁いでいる。同じ女性のびわは妹に代わる良き話し相手として親交を深める。
声優の早見沙織の演技が良い。
というか私の趣味ですが単純に声が好きです。

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ボコボコにされてしまう平資盛。
摂政・松殿基房の車列と行き会った際、資盛が下馬の礼を取らなかったため、乱闘騒ぎになり辱めを受けてしまう。
重盛は、非が我が子の資盛にあることを認めて基房に謝罪しようとする。しかし、平家の総帥・平清盛はその対応に不服で、自身の配下に基房の車列を襲わせ激しい報復を加える。

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「平家悪行のはじめ」とされる殿下乗合事件である。

しかし、これは激しい性格の清盛と温厚な重盛の性格の違いを強調したい『平家物語』の創作である。
史実は当時右大臣であった九条兼実の日記『玉葉』で知ることができる。

乱闘騒ぎになった際、基房側は相手が重盛の子の資盛一行だと知らなかった。そのため事実を知った基房は乱暴を働いた従者たちを引き渡し、重盛に謝罪を申し出ている。
しかし、重盛の怒りは収まらず、謝罪を受け入れることを拒み、武士を集めて報復の機会を狙った。
重盛の対応に恐れおののいた基房は自邸に引きこもり、参内することもなくなる。
しかし、10月21日の高倉天皇の元服には摂政として欠席するわけにはいかず、内裏へと向かうがそこを重盛の手勢に襲われ、報復を受けたという。
このように基房が平家によって激しい報復を受けたのは事実だが、それは清盛ではなく重盛によって指示された可能性が高いと考えて良いだろう。


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