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朗読第4回「魔王」~ゲーテによせて

https://stand.fm/channels/601fc64085b142d0d859ff7a

調べてみると、この、シューベルト作曲「魔王」は約50年、教科書で採用され続けてきた作品(教材?)なのだそうです。私も習いました。今20代前半の職場の子に聞いても「あ~なんか知ってるぅ」っていう返事でしたので、教材マストアイテムなのでしょうか。

私もこの曲を知ったのは授業でした。それまでは全く知りませんでした。授業だから、知っておかなければ将来困る教材であると当時の教師や文部科学省などはそう考えて採用していたのでしょう。しかし演奏しようとするとこれが難しいですね。何がって、メロディーが難しいのではなくてこんな短い曲の中にキャラクターが4つもあるからです。魔王、父親、息子、ナレーション。教科書の説明でいけば、この4つを特徴的に表現してありますからきちんと聞き分けましょうね、というところ。そう、ちゃんと描き分けられているのですが、ピアノ伴奏は最初から最後まで三連符で突っ走る曲です。音の高低、若干のリズム変えだけで、あとは特に何も変わりません。シューベルトのここが凄い!っていうところですね。皆様ご存知のとおり、シューベルトの音楽の特徴として、短くも美しいワンフレーズ、一つのセンテンスが延々と続くだけ!でこれほどに美しい1曲をたった数時間で!作曲してしまうのでしたね。

ピアノ伴奏のみで演奏されるのがオリジナルですが、こんなふうにオーケストラでのアレンジも、聞いてみればナルホドと思いませんか?

詩の朗読のようで、オペラのようで。バリトンの十八番です。しかし最近では女性歌手も歌うし映画やドラマ、アニメにも使われていたりしますね。

皆様は、この前奏を聴いてどう、お思いになりますか?

歌詞も、中学校音楽の教科書にも(多分)「風の吹く夜に」で歌詞が始まるので

子供を抱きかかえて逃げるように馬で疾走する父親の様子を描いているように想像される方が多いのかなという印象です。不勉強で文献を紐解いていないので、そう捉えるのが正しいのかもしれませんが、私の場合はこのあまりにもインパクトの強い「魔王」というタイトルから、スーパームーンの夜を想像しました。スーパームーンとは『地球から最も大きく見える満月』のことのようです。お月様はとても神秘的な分狂気的、猟奇的なものも感じます。怖いし寂しいんですよね、大きな大きな満月というのは。

今回はスーパームーンの夜、そして時系列として逢魔が時(おうまがどき)…たそがれ時のことですが、そこから馬を全速力させるように仕上げました。

歌曲にしてしまえば、ピアノがキャラクター設定を助けてくれますが、文章化すると、一人四役です。私が言うのも何だかネ、ですが、キャラクターを作る訓練ができる文章になりました。気に入っていただけましたら朗読の勉強に是非お使いくださいね。

私の朗読配信は4/21予定です。どうぞよろしく!

Auf WiederSeh'n!

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