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重篤な腰痛の鑑別 レッドフラッグス ~内臓疾患由来の特徴~
こんにちは!腰痛マガジンメンバーのこじろう(@reha_spine)です。
今回は腰背部痛に関しての「レッドフラッグス」についてまとめていきたいと思います。
腰痛の治療に携わる方では、教科書やガイドラインなどで一度は拝見された事はあるのではないでしょうか?
レッドフラッグス(red flags,以下RFs)とは
「見逃してはいけない疾患を示唆する徴候や症状」
を意味します。
原因がわからない腰痛を非特異的腰痛といい、全腰痛患者の85%を占め、残りの15%は原因がはっきり特定できる腰痛、つまり特異的腰痛であると以前はいわれていました。その特異的腰痛のうち、約1%に重大疾患が該当するという報告もあります。
今回はそのRFsについて、ガイドラインの中では説明されていない詳細な部分についてまとめていきたいと思います。
今回の記事は特に以下のような方にオススメな内容となっております!
✔︎ 腰痛患者さんを担当されている方、特に
個人で経営されている方
✔︎ 内臓疾患と筋骨格系疾患から由来する疼
痛の特徴について学びたい方
✔︎ 腰背部痛に対するRFsについてより詳細
な知識を深めたい方
では本題に移っていきましょう!
▶︎レッドフラッグスとは?
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冒頭でもお伝えしましたが、RFsとは、「見逃してはいけない疾患を示唆する徴候や症状」のことを指します。
RFsは疾患・病態ごとに設けられており、腰痛に伴う随伴症状や患者背景が重要視されています。
腰痛に関するRFsは以下の項目が挙げられています。
【重篤な脊椎疾患(腫瘍、感染、骨折など)の合併を疑うべきRFs】
①発症年齢が20歳未満もしくは55歳以上
②時間や活動性に関係のない腰痛
③胸部痛
④がん、ステロイド治療、HIV感染の既往
⑤栄養不良
⑥原因不明な体重減少
⑦広範囲に及ぶ神経症状(馬尾神経症状を含む)
⑧構築性脊柱変形
⑨発熱
RFsを意識したうえで問診をすることで、理学療法を行う前段階として重要な、内臓疾患や骨折、感染症、悪性腫瘍などの危険な腰痛の有無を評価することができます。
基本的には医師が在籍する病院やクリニックなどでは、リハビリ処方が出る前に、診察にてRFsについて評価されているため、リハビリ対象外の重篤な腰痛患者に出会うことは少ないかと思います。
しかし、万が一その評価がすり抜けてしまった場合、理学療法士もRFsについて十分に理解しておくことで医師とコミュニケーションを取りやすくなり、重篤な腰椎疾患を見逃すことがなくなるのではないかと思います。
▶︎腰痛の原因
【腰痛の原因別分類】
原因別で腰痛を分類しますと、①〜⑤に大きく分類されます。1)
①脊椎とその周囲の運動器由来 ②神経由来
③内臓由来 ④血管由来 ⑤心因性
①脊椎とその周囲の運動器由来
・脊椎腫瘍(原発性、転移性腫瘍)
・脊椎感染症(化膿性椎間板炎、脊椎
炎、脊椎カリエスなど)
・脊椎外傷(圧迫骨折など)
・腰椎椎間板ヘルニア
・腰部脊柱管狭窄症
・腰椎分離すべり症
・腰椎変性すべり症
・代謝性疾患(骨粗鬆症、骨軟化症な
ど)
・脊椎変形(側弯症、後弯症など)
・非化膿性炎症性疾患(強直性脊椎炎な
ど)
・脊柱靭帯骨化
・筋・筋膜性
・椎間板性
・椎間関節性
・仙腸関節性
・股関節性
②神経由来
・脊髄腫瘍、馬尾腫瘍など
③内臓由来
・腎尿路系疾患(腎結石、尿路結石、腎
盂腎炎など)
・婦人科系疾患(月経周期随伴症状、子
宮内膜症、骨盤部腫瘍、妊娠など)
・消化器系疾患(膵炎、胆嚢炎、穿通性
潰瘍)
④血管由来
・腹部大動脈瘤、解離性大動脈瘤など
⑤心因性
・うつ病、ヒステリーなど
▶︎診断手順
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あくまで、診断は医師が行うことであり、リハビリスタッフが行うことではありませんが、「重篤な腰椎疾患かもしれない?」と気づくことは重要です。
腰痛ガイドラインなどでは、RFsの有無によって主に以下のようにアルゴリズムが推奨されています。
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