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限りある言葉【ぼくらの障害ドキュメンタリー.2021.1.7】

自分のへそを眺めていたらめちゃくちゃ生意気だな~っと思った人、どーもきよひとです。生まれてはじめて自分のへそを敵対視したかもしれません。
 
今日はいさねさんのことをゆる~くお話したいと思います。
まだ発語がない、言葉を持たないいさねさんのお話です。
 
 
 
▼お風呂のルーティン
 
昨日いさねさんと一緒にお風呂に入ったときのことを少し…。
 
お風呂の流れとして…
 
おいらが入ってる→リビングと通じてる装置で呼び出し音を鳴らしいさねさんが来る→水遊びの準備をして少し水遊び→おいらが湯船から出ていさねさんの頭から身体と洗う→抱っこして湯船に浸かる→湯船の横にあるアルファベットと数字が書いてある数字をの部分を1から順に指差ししていくのに合わせてこちらが「いーち、にーい、さーん…」っと声を出していき、次に数字の下の英語表記のone、two、threeの所をいさねさんが指差ししていきそれに合わせてこちらが「ワーン、トゥー、スリー…」っと声を出していき、ひとしきり終わると自分でパチパチパチ~っと手を叩き浴槽の外を指差し「あっ」っと言って上がろうの合図。
 
そしてそこからいさねさんは水遊びをしてちゃんと湯冷めをして上がる~って感じです。
 
 
この流れで昨日面白いな~っと思った部分があったのです!
 
さてさて、どこだと思いますか~?
そう!指差しからの数字の読み上げの部分なんです!
 
いつもはいさねさんが指を差す→こちらが読み上げるって感じなんですがこの流れが違いました!
 
この指差しからの読み上げって他の場面でもいっぱいあるんですが、例えばyoutubeを見てるときにキャラクターを指差し「あっ」っと言ってくるときはキャラクターの名前を言ってほしかったり、街中で看板を指差し「あっ」っと言ってくるときはお店の名前を言ってほしかったりといった感じです。
 
読み上げって要求だけじゃなく違う意味があったりもするよ!
 
 
 
▼言葉への挑戦
 
んでね、昨日は少し眠たかったからなのか?湯船に浸かってちょっとしてから1を指差し「あっ」っと言うんです。
 
そしてぼくが「いーちっ」
 
いさねさんはうつろな表情で手を引っ込めていきました。
 
おや…?っと思いつつ少し間があり、いさねさんが「でぃっ」っと。
おやおや…?っと思いつつぼくが「にーい」っと続けます。
 
そしていさねさんが「じぃ」っと。
ぼくが「さーん」
 
いさねさんが「どぅ」っと。
ぼくが「しーい」
 
いさねさんが「どっ」
ぼくが「ごーお」
 
このやり取りが10まで続き、そして10が終わるといさねさんは手を叩きぱちぱちぱち~っと拍手。
 
わかりますか?このすごさ!
このすごさがわかるあなたはいさね成長マイスターの称号を上げます!
 
今までは指差しからの読み上げの要求だったのがこの日は違ったんです。
 
この流れから察するに自分で数字を読み上げてました!
いさねさんが先に読み上げていたのか、ぼくが読み上げていさねさんが真似をしていたのかどちらが先かは定かではありませんが、確実に読み上げていたんですー!
 
 
言葉という形にはまだできてませんよ?
でも声に出して必死に形にしようとする姿勢が見えたんです。
 
きっとそこにはいさねさんの挑戦があったんだと思います。
 
 
誰だってできないことを晒すのって嫌でしょ?
それでも勇気を振り絞って声を振り絞って言葉って形にしようとしたいさねさんの挑戦が、そこにはあったんじゃないかと思います。
 
 
すーーーーんごくないっすか??
 
言葉と戦ういさねさん。
声を形にする方法を探すいさねさん。
必死にもがいて苦しんで自分の内側にあるものを形にしようとするいさねさん。
 
そんな言葉への挑戦を目の当たりにした気分でした。
 
 
 
▼言葉の使い方
 
みんなにも言葉の重みをわかってほしいなぁ。
 
いさねさんは必死に言葉ってものを作ろうと頑張ってるかもしれません。
けど世の中は誹謗中傷や悲しい言葉をいとも簡単にこぼす。
 
こういった子の親だって我が子の成長に文句や愚痴をこぼし、もう無理だとか疲れただとか嫌になっただとかなんて悲しい言葉をこぼすことも。
 
 
声を形にし言葉にできるあなたがどれだけ素晴らしいものを持ってることか。
にもかかわらずその言葉は無尽蔵に溢れるから捨てに捨てまくる。
 
言葉と戦っている子がいる。
必死に形作ろうと戦っている子がいる!
 
こんな子らの思いも踏まえてあなたは言葉を使ってほしいなぁ。
 
誰かを傷つける言葉じゃなくて、悲しみで終わる言葉じゃなくて…
そんなものに言葉を使ってたらもったいないから!
頑張って声を形にしようとしてるいさねさんみたいな子らに申し訳ないだろ!
 
 
「言葉」大事に使ってくださいね。
 
 
無尽蔵に湧き出る言葉。
でも悲しい言葉って確実に自分の中で失うものがあると思うから。
使えば使うほど失うものが大くなる、悲しい言葉。
 
 
自分の言葉に限りがあったらあなたはその言葉を使いますか?
 
どうかその言葉、本当に使うべきか考えてみてくださいね。
 
 
お金と一緒で言葉も使い方次第。
何かを人に与えたり、奪ったり、そして気付かず失ったり。
 
 
こうやって言葉と戦う子と出会い言葉の価値を知る。
そして言葉の大切さを伝えることができる。
 
こんな価値観”普通”に生きてたら絶対出会えなかったなぁ~。
 
いさねさんの変化と共にこんな湧き出る思いもまた言葉として、そして形を変え届けていきたい。
 
 
頑張れ頑張れいさねっ!!フレーフレーいさねっ!!
お前の声が早く形になること、ゆっくりゆっくり待ってるからなー!
 
焦らずゆ~~~~~~っくり、誰とも比べずマイペースでいいから!
お前はお前の道をゆけーーーー!それがおいらの道になる!
 
 
子育てって本当に楽しいね。
 
みんなも楽しもうね~!
障害もろとも特性として全部コミコミで楽しもう!
 
そしてそんな楽しい場所を作るでーーーい!
 
 
これがぼくらの障害ドキュメンタリー
2021.1.7
 
 
 
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大坪圭人
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