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「努力革命」(伊藤洋一、尾原和啓著)を読んで:ChatGPTはクラウドソーシングの進化系だと思った 

「努力革命」(伊藤洋一、尾原和啓著:幻冬舎)を読みました。

Chat GPTについては、知識が乏しく、ビジネスにどんな影響を及ぼすのかピンときていなかったので、詳細な情報というより、このテクノロジーを人が導入した場合、どのように変わっていくのか?シンプルにそのことを理解したかったので、この本が最適だろうと思って購入して読みました。そしてまさしく、その答えが書いてありました。


Chat GPTはまさに僕が2010年代に熱中していたクラウドソーシングの進化系なのだと思いました。僕は、世界の消費者クリエイターから膨大なアイデアを集めて企業がビジネスにそれを活かせるようにするサービスを提供していたプラットフォームに圧倒され、そのビジネスを日本で普及させる仕事をしていました。

新規事業の一環でこのプラットフォームの日本でのビジネス拡大を目指していたのですが、5,6年続けましたがうまくいきませんでした。企業が、このサービスを使用するためのコストが比較的高かったので気軽に使えなかったこと、その割に、アイデアを出した多くの消費者クリエイターは受賞しないとお金を稼ぐことができないこと、そして、運営する側もかなりの手間がかかってしまうこと、など持続性の観点で言うと様々な課題がありました。僕なりに徹底的にやったつもりですが、それでも会社が期待するような大きな利益を上げられず、「失敗」と言う形で終了させました。
Chat GPTは、まさに上記のペインを見事に解決するテクノロジーだということにこの本を読んで今更ながら気づきました。僕は、恐竜が絶滅した後、流れ流れて、その子孫が鳥として空を飛び回っていることを思い浮かべました。十数年前にクラウドソーシングに夢見ていた破壊的なソリューションが今、手元にあるのです。感慨深いものがあります。

そんなことを示唆してくれた「努力革命」の一節を引用したいと思います。

検索エンジンが既存の情報から答えを見つけるのに対して、Chat GPTなどの生成AIは、既存のテキストや画像などのデータから学習した情報をもとに新しいコンテンツを生成します。つまり、「正解を探す」だけなら、検索エンジンを使う方が早いことが多い。「正解を探そう」という目的で使っているだけだと、ChatGPTの本来の力は引き出せません。
Chat GPTは正解を検索するツールではなく、対話(チャット)しながら新しいものを一緒につくっていく「共創」のツールです。

同上

もう一つの気づきは、解答に連続性がある、と言う点。恥しながらこのポイントを理解していませんでした。

「まずはざっくり」で聞いてみる。それから、前提と制約条件を少しずつ追加して質問することで、回答の精度をじっくり高め、自分のほしい答えに近づけ、思考を深めることができます。
問いの切り口を変えていくといってもいいでしょう。
これは、回答に連続性があるという、Chat GPTの特徴を利用した問い方です。

同上

これは、やはり凄いことですね。世界中の情報から収集された視点をもとに壁打ちやブレストに付き合ってもらえるなんて、一人会社の経営者にとっては目から鱗のテクノロジーです。来春起業する僕にとっても力強い相棒がみつかったような嬉しさです。


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