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「日本でビジネス始める海外スタートアップのための水先案内人」という仕事について

今週、東京でSusHi Tech Tokyo 2024というビジネスイベントがあって、その一環で、海外スタートアップが集まるイベント、Global Startup Prorgramというのがあり、こちらに参加します。

 


チケットを購入し、自分のマイページを作成、プロフィール上に、自分が十数年、海外スタートアップの日本進出支援をしてきたことについて記入すると、すでに、数社から連絡をいただき、自分が手伝えるかもしれない企業と会うことにしました。いただいたメッセージを見ているとAI関連のスタートアップが多いと思いました。いうまでもなくこの領域が一丁目一番地なのでしょう。

僕は、現在、「スタートアップ」という言葉がここまで日本語で馴染んでしまったことに深い感慨を覚えます。僕が2011年に自分が勤務する広告会社の新規事業の一環でフランスのスタートアップと戦略提携をして、責任者になった時、その会社の革新的なサービスに心打たれて、協業を決めましたが、僕を含む関係者全員、「スタートアップ」という概念を持っておらず、そのためスタートアップと協業することの意義や価値などわからないまま提携しました。「多くのスタートアップが、大企業が支配する既存のビジネスモデルと、それに付随して発生した様々な既得権益によって、活力を失いつつある世界を創造的破壊という名の下、ひっくり返そうとしている」ということをその提携先のスタートアップのファウンダーから興奮気味に話され、初めてスタートアップの意味を理解し、「自分は随分大胆なビジネスを選択してしまったのだな」と、クラクラしてしまったのを覚えています。

でも、その経験から、スタートアップの社会的価値、ビジネス的な価値を理解し、心底共感し、日本の市場に入ってくる様々なスタートアップが日本に参入する際に、水先案内人のような仕事を請け負うようになりました。大した仕事ではありません。日本市場に関する説明、商習慣に関する解説、セールスに関するあらゆること、PR,マーケティングに関するサポート、ビジネスプラン作りのサポート、社員候補の紹介など、自分でできるものはなんでもやってきました。そうしたニッチなことを英語ベースでできる日本人は多くはないので、年月が経つうちに、様々なルートから連絡が入って、新たに日本に入ってくるスタートアップから相談される機会がだんだんと増えていきました。そして今では、そのつながりが、まるで資産のように育ち、海外の、様々なスタートアップや投資家、実業家が連絡をくれるような立場になりました。

来年5月に60歳になり、定年となり、勤務している広告会社を卒業し、引き続き、この海外スタートアップのためのマーケットガイドの仕事を続けることにしました。大学生の頃「旅するように仕事がしたい」と夢見ていたのですが、ようやく夢が叶う気分です。スタートアップとの仕事は「旅」そのものです。想定外のことばかりが起こり、ジェットコースターに乗っているような気分です。でも、毎日、新しいことを知り、世界が変わるかもしれないと思えるようなビジョンに遭遇することもあります。「旅」は自分を変え、成長させてくれます。

今、日本を目指して様々な国のスタートアップが押し寄せてます。きっと言語の問題と文化ギャップ、ビジネス慣習の違いで翻弄されるはずです。僕は路頭に迷う若い起業家と彼らのスタッフを手伝うことで社会に貢献したいと思います。

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