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6/27 雨のワット・プーと晴天のボラベン高原 【パクセー】

パクセー市内から南方40kmのところに、ワット・プー(Vat Pho)という世界遺産の遺跡がある。

クメール王朝によって建てられたヒンズー寺院で、カンボジアのアンコールワットの原型にもなったと言われているが、後のラーンサーン王国時代に仏教寺院に改修された。
2001年、「チャンパサック県の文化的景観にあるワット・プーと関連古代遺産群」として世界文化遺産の登録を受けた。

5世紀後半には最初の建造物が建てられていたという歴史の深い遺跡群だが、不思議なことにここを訪れる観光客は極端に少ない。
「世界一観光客が少ない世界遺産」という異名すらあるそうだ。

ぼくはスクーターをレンタルして、ワット・プーを訪れることにした。

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残念なことに、朝からずっと天気が悪い。
ギリギリ傘をささなくてもいい程度の雨が常に降っている。
たまに雨足が強くなるが、すぐに小雨になる。

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例の異名も伊達ではなく、遺跡まで向かう道中、観光客らしき人は1人もいなかった。
50,000キープのチケットを購入して入場。

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入場口から遺跡の手前まで無料の電気カートで移動するが、タイミングの悪いことに雨が本降りになる。
少し雨が落ち着いたところで、止むことはないと判断して、雨の中を強行的に観光することにする。

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神殿に続く参道
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どんよりとした雨雲で遺跡が映えないのは残念だが、雨のおかげで緑が濃いような気がする。
ネットで調べると青空の下の遺跡の写真はたくさん出てくるので、これもまた一興と思うしかない。

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修復作業中
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雨宿り

あちこちに遺構が散らばっているアンコールワット遺跡群とは異なり、ワット・プーは一直線に遺跡が連なっている。
滑らないように気をつけながら、雨で濡れた石畳や石段をひたすらまっすぐ進んでいく。

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急な石段を登り切って、最上段の神殿に到着。

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神殿
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仏像
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象が彫られた岩
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神殿のある最上段からは遺跡の全容を見渡すことができる。
これが本当に素晴らしい。

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息を呑むような絶景だ。
この眺めを見ながら、1,000年以上前の人たちがこの建造物を作っているところ、実際に祭事を執り行っているところ、あるいは日常のシーンなんかを想像すると雄大な歴史のロマンを感じられる。

帰りは電気カートに乗らずに、池の間の並木道を歩いて帰る。
そういえば、天気が悪いというのもあったが、確かに観光客は少なかった。

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気づかなかったが、入り口のところに小さな博物館があったので立ち寄ってみる。

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実際に遺跡で発掘された神像なども展示されていた(撮影不可)が、南インドでよく見かけるものとほとんど一緒で面白かった。

見学を終えて博物館から出ると、なんと雨はすっかり上がって青空が見える。
何ともタイミングが悪い。

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憎らしいほど晴れた空の下、スクーターを走らせて市内に戻る。

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途中、メコンビューのレストランで昼食をとる。

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ラオス風ガパオライス

この時点で、時刻は午後2時。
今日は遺跡以外にも訪れたいところがあった。
それは、パクセーの北東部に広がるボラベン高原(Bolaven plateau)である。
自然豊かなこの高原には美しい滝が点在し、気候的な特徴からコーヒー豆の一大生産地として知られている。
市場に流通するラオスコーヒーの大半がここで収穫されたものらしい。

市街地を横切って、一気にボラベン高原へ。

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緩やかな上り坂が続く
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「パクセーから38km」という意味らしい

この高原地帯をバイクで数日かけて回る「パクセー・ループ」なるものが欧米人バックパッカーの間で人気らしく、ぼくも興味があったのだが、日程にそこまで余裕がないので諦めた。
今日はループの一端だけでも体験しようと思ったわけだ。 

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Tad Fane Resort
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いくつか点在する滝の中から、Tad Fane 滝に行ってみる。
展望台からやや遠いのが難点だが、落差の大きい迫力のある滝が見える。

先ほど書いたように、ボラベン高原はコーヒーの一大生産地。
工場や農園、カフェが点々と現れる。

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滝の近くのカフェへ。

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ラオスコーヒーをラオススタイルでいただく。
非常に濃厚で苦い。
ちびりちびりと啜りながら疲れを癒す。

午後5時を回った頃、帰途に着く。

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標高がどれくらいだが分からないが、空気がひんやりしている。
半袖短パンだと肌寒さすら感じる。

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40分ほどかけて平地に戻って来ると、空気が生ぬるく埃っぽい。
スクーターを返却して、昨日と同じ食堂で夕飯を食べる。

フランス植民地時代の影響か、ラオスでは甘そうなパンや洋菓子をよく見かける。
カンボジアでもよく見かけて気になっていたお菓子を購入。

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完全に見た目通りの味だった。

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今日の出費

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