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トリコロール 赤の愛

君と一緒に見た「トリコロール 青の愛」。いい映画だったよな。ジュリエット・ビノシュ。やっぱり素敵だ。そして欧州統合の曲。思わずギターでコピーしてしまったよ。聞いてもらいたかったな。キェシロフスキの映画って音楽がすごくいい。あとで調べてみたらズビグニェフ・プレイスネルという人が一貫して音楽を担当しているんだって。

君と別れたのはまだ「白の愛」も「赤の愛」も公開される前だった。この三部作、てっきり一緒に観るものだと思い込んでたけど、まさか一人で見に行くハメになるとはね。池袋のシネマロサ。池袋は馴染み深い街だけど、この映画館は盲点だったよ。

「白の愛」と「赤の愛」の同時上映を観に行った。ジュリー・デルピーは好きな女優だけど、「白の愛」一本だけだと「うーん」って感じだな。でも「赤の愛」を観て、すべての物語がここで交錯して、「ああ!」って思ったんだ。うまく言えない。ただ「ああ!」って。

「赤の愛」の上映が終わって館内が明るくなってからもしばらく身動きできなかった。あんな体験は後にも先にもこの時だけ。感動に打ちひしがれていた。

僕と君の人生がこんな風にもう一度交錯するだろうか。そんな願いと。

もう交錯することは決してないという事実。

とぼとぼと無表情で映画館を出ると、外はまだ明るかった。

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