Je vous aime
新文芸坐でゴダール観てきた。結局観たのは「アルファヴィル」と「軽蔑」の二本。
やや寝不足気味だったので「強強打破飲んでおこう」と思いつつ、すっかり忘れて入場。案の定、「アルファヴィル」では少々居眠りをぶっこいてしまった。
若い頃に観たときは「ゴダール作品の中でダントツで好きだ!」というくらい入れ込んでいたのだけど、久しぶりに観たら「あれ、もっと胸を打たれたような記憶があるんだけどな・・・」というやや期待はずれの印象に。(途中で寝てるから偉そうなこと言えないけど)
最後の「ジュ、、、ヴ、、、、エイム、、、ジュヴゼーム」は何回見ても微笑ましいというか、苦笑いというか、これってゴダールの黒歴史なんじゃないか、とまで思ってしまった。
そして「軽蔑」。これも若い頃にたぶん一回もしくは二回観ただけで、まるでストーリーが頭に入っていなかった。この作品を僕の感覚で形容すると、アーティスティックに、克明かつ繊細に、そして自虐的に描かれた痴話喧嘩の物語だ。特に部屋に戻ってからの痴話喧嘩のシーンが長すぎる(笑)。
これ、ゴダールのバックグラウンドある程度知ってる人が観たら絶対「アンナやろこれ」「こんなことアンナに言われたんやろな」って思うよね。きっと彼は彼なりに己を省みて、そして客観的に総括してみたかったんじゃないだろうか。アンナ・カリーナとの関係を。その根底には彼女への愛憎もあっただろうし、一方で彼自身の自尊心もあったんじゃないかと思う。
でもラストの鬼の鉄槌で「おいおいマジか(笑)」となってしまう。これもまたゴダールの黒歴史っぽい。
でも、そういう体験が創作の原動力になるということ自体は、僕は極めて健全なことだと思っている。泣く子も黙るゴダール様も、人並みに男女関係のあれやこれやを経験してオトナになったのかな、なんて思うと妙に親近感が湧いてくるね。
そして思いのほかブリジット・バルドーがよかった。この役柄をブリジット・バルドーに演じられて、アンナ・カリーナはどんな印象を抱いたんだろうなあ。
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