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クラッシュ

[2016年8月31日の日記]

監督:デビッド・クローネンバーグ
出演:ジェームス・スペイダー、デボラ・アンガー、ホリー・ハンター、ロザンナ・アークエット
公開年度:1997年

この作品は公開時に劇場で見ている。えと、1997年公開なので、約20年ぶりということになるわけか。20年・・・え?この映画見てから20年経ってるってこと?うわー・・・年取るわけですなあ。。。

それはさておき、気を取り直して。

開始数分で、主人公夫婦のジェームス・スペイダーとデボラ・アンガーが両者共に譲らぬ変態であることが伺い知れるのだけど、この夫婦を軽々と凌駕する変態が続々と後から登場してくるため、途中から主人公夫婦の変態ぶりが霞んで見えてしまう。要するに主要登場人物が全員変態という恐るべき変態映画だ。

そんなに連呼するほどの「変態」とはどういう人々なのかというと、彼らは交通事故によってエクスタシーを得る人々なのだ。もはや常人の発想を大幅に逸脱している。意味が分からない。流石はクローネンバーグ、変態のレベルが違う。

しかし登場人物は皆至って真面目なのだ。スタントマンをドライバーに据えてジェームス・ディーンの交通事故を忠実に再現したり、とある女優(架空の人物?)の事故死を再現するために事故当時の写真を収集して熱心に研究したり、事故った女優になりきるためスタントマンのおっさんがわざわざ女装したりと、その熱意は半端ではない。変態もここまで度を越すと最早ファンタジーだ。変態が極限まで加速してももはや誰も疑問を抱くことはなく、それゆえ誰もツッコミを入れない。変態ファンタジー映画。ここまで変態に全振りしている映画はなかなか無いよ。

しかし人には「クローネンバーグは余り好きじゃない」と言っておきながら、なんだかんだで「スキャナーズ」「ザ・フライ」「裸のランチ」「ビデオドローム」そして「クラッシュ」と意外と色々観ているな。「裸のランチ」は生まれて初めてデートで観に行った映画だ。映画好きだった当時の彼女が選んだ作品で、その頃の僕はクローネンバーグなんて知らなかったものだから「エロい映画かな?」と期待して観に行ったっけ。で実際に観て「えぇ、何この映画・・・(白目)」って絶句した。いい思い出だわ。


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