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推しのアーティスト

「推し」という言葉の軽いニュアンスが好きじゃない。敬愛しているアーティストに対して使う言葉だとは思えない。僕にとってアーティストとは「推す」という対象ではない。ゆえに僕にとって「推しのアーティスト」などという人物やグループは存在しない。

などと申し述べると

「まあまあそんな堅苦しいことは言わずに、こんなのはいわば余興でございますですから、ここはひとつ穏便に、ね?ささ、ぐいっともう一杯いきましょうよ、この後キャバクラでもいかがです?フヒヒ」

などとグルメ漫画の副部長みたいなのが脇から登場してきてお茶を濁そうとするのだろう。

確かにね。

既に4桁の投稿が集まっている企画に乱入して「こんな企画は低劣である!蒙昧である!造反有理である!」などとシュプレヒコールを上げても「なんかやべえのが来たな」くらいで終わるだけなのだろう。だからここはひとつ穏便に、副部長と共にキャバクラに赴いてみたい。

ということで、ここからは推しのアーティストではなく、キャバクラについて考えていきたい。

昔、雀荘でアルバイトしてた時に巣鴨のフィリピンパブに連れてかれたことがあった。日本語を話せないフィリピン女性が目の前で延々手品を披露するというシュールな空間で「なんやこれ・・・」と困惑していたら急にムーディな音楽が流れてチークダンスを踊らされるという地獄のような体験をした。でもあの店はキャバクラというカテゴリーとはまた違う気がする。

キャバクラは行ったことないんじゃないかな、、、と記憶を辿っていたら思い出した。僕はキャバクラに一度だけ行ったことがある。高知県四万十市で。叔父に行きつけの店で飲もうと言われてついて行ったらキャバクラだった。なんというか、刺激的な衣装の女性に目がくらむような思いをしたのを覚えている。叔父は終始楽しそうにしてたけど、当時の僕はああいう店でどう振舞うのが正解なのか分からなくて、浮かれてる叔父の話を横でぼんやり聞いてただけのような気がする。

ガールズバーならごくたまに使うけど、あれも別に取り立てて何が楽しいということもない。一人飲みは苦じゃないタイプだけど、たまには誰かと、願わくば妙齢女性と酒を飲みたいという気分のときがある。そういうときにガールズバーは手軽に使えてちょうどいいんだよね。キャバクラより安いし。とはいえそういう気分にしょっちゅうなっているわけでもないので滅多に使わない。せいぜい半年に1回行くか行かないかというペースではないだろうか。

推しのキャストとかいればまた違う楽しみ方ができるのかもしれないけどね。

・・・という程度の温度感で使うくらいが僕にはちょうどいいね。「推し」なんていう言葉は。

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