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上手下手病

「ミシェルのギタリストって上手いの?」

ということを尋ねられた。自粛生活中に Youtube で TMGE の動画を見まくったようだ。彼には前にも「レッチリのギターが上手いか否か」という質問を受けたことがある。

世の中には「上手い=優れている=良い」という価値判断が確かに存在するし、その基準を頭ごなしに否定するつもりもないけど、技術は所詮目的を達成するための手段に過ぎない。ジャズを弾きたいギタリストとパンクを弾きたいギタリストでは、同じ音楽という枠組みであっても、目的が明確に違うのだから求められる技術も同様に異なる。

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例えば僕はストロボの使い方を理解していない。ゆえにストロボ撮影の技術やスキルは僕には無い。だからといって自分を卑下するつもりもない。今のところストロボは僕がやりたいことを達成するために必要な道具ではないからだ。

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なぜ必要無いのかというと、ストロボを使った写真はあまりにも写真的であり、映画的ビジョンを模索する僕にとっては必要のないツールなのである。でも、いつかその可能性を見出す日が来るかもしれない。そのときは多分必死になってストロボの使い方を覚えるのだろうなと思う。

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やりたいことを達成するために必要なスキルがあるかどうか。技術的な優劣を計る基準がもしあるのだとしたらそれくらいだと僕は思う。ゆえに物差しは人それぞれ異なるし、人とは比べられないのである。

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とはいえ「上手いか下手か」を問う心情も理解できなくはない。何しろ僕自身が若い頃はその病に罹患していたのだから。「Motley Crue も Poison もギタリストが下手だから認めない」的なね。たぶんここまでの文章を30年前の自分が読んだら発狂して否定しにかかるだろうなと思う(笑)

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最近料理にはまっている。料理は「上手い」より「美味い」を追求できる。過程で用いられた技術や器具で結果を判断しようとする人は少ない。美味しければそれでいい。そのわかりやすさがとてもいいなと感じている。

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