番外編 『踊りと私の話:小休止 〜プリエと白鳥の湖〜』
こんにちは!きこです。
ここのお話をはじめて2ヶ月近く経つんだって。
なので改めて自己紹介するね!
きこ、は私の名前。
私のことを書いてくれてるこのお話の作者さんのダンサー仲間からの愛称だったみたい。その話は前にどこかに書いてあったから、よかったら読んでみてね。
私小さな頃からずっと呼吸をするように踊ってきてね。踊りが人生のいろんな出会いをくれたから、そこで感じてきたこととかをここで少しずつお話しているの。
でね。このお話は私が出会った最初の踊り「バレエ」のことから話してきているんだけど、じゃあバレエのレッスンってなにしてるの?とかってあんまり話したことがないなって思って。
だから今日はね、いつものお話はちょっとおやすみ!
ほら。あの小学生になってる小さいきこちゃんもちょっと疲れてるみたいだしさ。少しお休みさせてあげようって思って。
✴︎前回のお話
今日は、少しだけバレエのお稽古のことを話すね。
***
◉お稽古場ではどんなことをしているの?
バレエをやっているとたまに聞かれること。
「バレエのお稽古では白鳥の湖とかを踊るの?」
答えは?
No。
普段のお稽古でそういう「何かの作品」を踊ることはまずない。
って答えると結構みんなにびっくりされるんだ。
バレエの普段のお稽古ってね、本当に本当に地味で同じことの繰り返しなの。
それは踊りだけじゃなくって他のことでも同じかもしれないね。
どんな作品、どんな振り付けであっても、例えば時計が様々なパーツの組み合わせでできているように、バレエは決められた小さな動きのパーツの組み合わせで踊っているのね。
例えば有名なバレエの作品ってあるでしょう?
「白鳥の湖」や「くるみ割り人形」「コッペリア」、「4羽の白鳥」みたいなものとか、他にもたくさんあるけれど。
そういうものも、みんな同じこと。
小さな小さなパーツの組み合わせでできているって
いったらわかりやすいかな。
立つ姿勢。足のポジション。腕のポジション。
首の角度、顔の方向、身体の方向。
ひとつひとつの足の動き、身体の動き、ポーズの形。
全部決まっていて、全部に名前がついていて、そのひとつひとつを組み合わせてひとつの踊りが出来上がっているの。
もちろん作品や役柄などでアレンジが加えられたりすることはあるけれど、まずは基礎のパーツを身体に叩き込んでいくこと。それができる身体を作っていくこと。
そしてそれを高め続けていくこと。
小さなパーツを、細かく細かく分解して丁寧に自分の身体の特性を見極めながら覚え込ませて追求してくのが普段のレッスン、っていう感じ。
段階があってできることを増やしていくのはもちろんのことなんだけど、けれど、初心者もどんなプロのバレリーナになっても普段のお稽古でやっていくことは同じ。地味なお稽古の積み重ね。
そうやって「これが正解なのです」とされる形や身体をどこまでもいつまでも求め高めて鍛錬していく感じ、って言ったらわかりやすいかな。
その小さなパーツごとの訓練をしているのが普段お稽古場でやっていること。
それらを動きのダイナミックさに合った音楽に合わせてお稽古していくので、一見とっても優雅だけど実は相当ハード。
そう思うと「白鳥」のようなのかも、ね。
***
◉プリエ
『プリエ』っていう言葉を聞いたことがある人はいるかな?
これはたくさんある動きの名前の中のひとつ。
バレエの一番の基礎の基礎。
初心者からどんな一流のバレリーナになっても必ず行うものなの。
そんなに大事な、その美しい響きの「プリエ」っていうのはじゃぁどんな動きなの??って思うでしょう?
えーとね。
誤解を恐れずにものすごく乱暴に言ってしまえば、一言で言うと『膝の曲げ伸ばし』。
立った姿勢から膝を曲げて、伸ばす。
要は屈伸運動。
なーんだ。
そんなことなの。
でしょ?
私も小さい頃にはわかってなかったからそう思ってた。
なんだけど。なんだけどね。
単なる屈伸運動、ではないの。
5つの正しい足のポジションと身体の使い方、姿勢、それらのうえで、浅いプリエ深いプリエ、連動した腕の動き、顔の動き、、要は全身の連動を覚えていくものであり、踊るために必要な筋肉を鍛え関節を柔らかく開いていくことでもあり。。
この動きひとつだけでも書き出せばキリがないほど出てくるのだけど。
バレエのレッスンはルーティンがあって、レベルごとにもちろん難易度や組み合わせが変わってはくるけれど、大まかには同じで、大抵の場合まずプリエから。
私が初めて通ったバレエの教室では、遅れて来た子はバーの端っこでまず1人でプリエのレッスンをしてから合流すること、って決められていたっけ、、。
そのくらい「大事なこと」として教えられるものが、
「プリエ」。
テレビとかでバレエを観ることがあったらよーく観てみて。
ジャンプする前とか、くるくる回る前とか、小さな動きの一つ一つの時にも、つま先と膝を外側に開いた形で柔らかく膝を曲げてそこから動くのがわかると思う。
それらは全てプリエ。
まぁ、普段私たちが歩いたり走ったり階段を登ったり、、何気ない動きをする時にも、膝や足首や股関節、全身の関節や筋肉を自然に使っているのと同じだよね。
それを踊るための使い方として意識的に分解して訓練しているって感じかな。あまりに不自然と思われる形にしていくから「改造みたいだ、、」と思うことがすごく多いけど。(ここだけの話だよ!)
正しく立って、正しく身体を使って、正しく引き上げることを覚える。『プリエに始まりプリエに終わる』って言われるくらいこれができないと何にもできないの。
それがプリエ。
***
◉立つこと
プリエがいちばんの基礎でとっても大事って話をしたけれど、じゃぁ、そのプリエがきちんとできるためには「正しく立つ」ことが重要。
もう、そんなことしているうちに日が暮れちゃうよ!
って思うけど。
だけど、やっぱりそこなんだよねぇ。
立つっていっても、、、
「骨盤を立てて尾骶骨を下げてお腹を引っ込めて内臓を引き上げて肋骨を閉じて肩甲骨を開いて背筋はまっすぐ胸を張って首は長く床を踏んで伸び上がるように・・・」と果てしなく続くのだけど、そのうえで、正しいポジションで立たないといけない。
足のポジションは5つあって、その形できちんときれいに立つことができるように毎日訓練して、、。
読んでるだけで「読み飛ばそうかな、、」ってなるでしょ?書いていても「なんじゃこれ」って思うもの。
そして私はすっごく身体が柔らかくて腰がぐにゃぐにゃだったから、このバレエの身体の使い方の「まっすぐ」というのに、実はとても苦労したの。
まぁ、、言い訳だけどね。
本当に使い方をわかってやっていたら、そこが苦労になることはないし、その柔らかさも正しく使えたはずだったから。
その話は、またいつかね。
この、「立つ」という訓練をしていることは、普段の生活でも役立ってるんだ。
何気ない時間に身体に意識を向けていると怪我をしにくかったり、身体の変化に気が付きやすいの。
これは人それぞれだと思うから、私の場合、だけど。
***
あんまり長くなったり専門的になってもつまらないから、今日はここまで。
どれも私の解釈で書いているし、ものすごく噛み砕いた表現にしてるから、もっと本格的に正確なことを知りたいっていう時はちゃんと調べたり聞いたりしてね。
お話の中でも踊りのことは少し書いていくけど、たまにはこんな話。
次回からはお話に戻るね!
そういえば、私、全幕ものの作品って踊ったことなかったなぁ。ま、バレリーナ目指していたわけじゃなかったから機会がなかったんだけど。
そのくらいお稽古は基礎の繰り返しをやってるのよね。
でね、、。あの頃はそれが「ちょっと退屈、、」って思いかけていたはずだったのに、今はその基礎の繰り返しのレッスンがたまらなく楽しいの!
あのこどもの頃にこれがわかっていたら違う未来があったかもしれないけれど、じゃぁそれが正解だったかどうかなんて誰にもわからない。
そして、わからなかったからこそ辿ることになった私の人生の道のりが私は大好きだから、全部をこれでよかった!って思ってるんだ。
楽しかったことも、ダメだったことも、全部ね。
え?能天気で都合良すぎるって?
うふふ。
それでいいのよ。
私がそう思ってるんだから。
人生ってね、どんなことも自分に都合よく考えて、楽しくて素敵なことにしてしまえばいいの。
だって他の誰の人生でもないでしょう?
自分のものなんだから自分が心地よく感じることを選べばいいの。
そうしたらとっても楽しい人生になるんだから。
本当よ。
なーんて!
私がこう考えられるようになるまでにだって、型にはまってみたりドロップアウトしたりしたんだから、誰にだっていろんな時期があって当然。
でも、いろいろあっても楽しく考えられる毎日を送りたい、そう思っていたいって、思うんだ。
そう、、、思わない?
今回は作者さんにもお休みしてもらいましょう。
あー、楽しかった!
次回は来週5/6(土)更新予定です!
きこでした!
ありがとうーー!
✴︎1話目からはこちらにまとめています。
いただいたサポートは健やかに記事を綴っていくため、また新しいプロジェクトへの運営に使わせていただきます。