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南米のフェミニスト人類学者リタ・セガートの紹介

最初の投稿はnoteを始めようと思ったきっかけにもなった、リタ・ラウラ・セガートをご紹介します。2019年チリでの大規模抗議の中で行われたパフォーマンスがSNSに投稿された途端一躍有名になったラステシスがパフォーマンスの参考にしたのはセガートの論考でした。パフォーマンスが世界中に拡散されてから、日本語のブログなどでもセガートの名前が出てきましたが、彼女の論文や本はまだ日本語に翻訳されていないので、直接セガートを日本語で読むことはできません。英語でもあまり存在しません(短いものや、インタビュー、共同著書などはあると思います)。

リタ・セガートって誰?

Rita Laura Segato リタ・ラウラ・セガートは1951年アルゼンチンのブエノス・アイレス生まれの人類学者。ジェンダーとは権力構造である、よって「性犯罪」は「性欲」の犯罪ではなく、「権力・支配欲」による犯罪であると早くから論じている。他にもジェンダーの視点からの暴力と国家についていつくも論客を発表している。

紹介する本

今回は「La guerra contra las mujeres」(女に向けられた戦争)を少しづつ紹介して行こうと思います。この本は国家とジェンダー暴力などセガートの代表的な論考が集約されています。ラステシスもこちらの本の内容をパフォーマンスの理論的基盤にしたそうです。本は予備解説(introduction)+7章に分けられています。勝手ながら、個人的に興味がある部分から紹介していきます。よって紹介する章が順番通りではなかったりしますがご了承ください。

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まずはこの本の第3章 Patriarcado: Del borde al centro(家父長制:端から中心へ)を紹介いたします。

【リタ・セガート】家父長制:端から中心へ (1/3)