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16歳×婦人科


病院に行くって腰が重い。
つい市販薬で済ませてしまう。

そのなかでも
婦人科は特別なものだ。


●16歳 初めての婦人科

私が初めて
婦人科の診察を受けたのは16歳のこと


生理不順が気になり、
母と一緒に受診した。


初診で記入する問診票には

「性交渉の経験はありますか」
「現在、妊娠している可能性はありますか」


という質問があったことを
よく覚えている。


婦人科と産科を兼ねて
産婦人科とくくられていることが多く
待合室には妊婦さんがたくさんいた。


ここは妊婦さんが来る場所なんだな。
と16歳の私は思った。


診察では
「内診」というものを初めて経験した。


下着を脱いで、内診台にあがり
エコー診察をした。

女性の先生がよかったな...。
と思った。


診察の結果は特に異常なく、
それから通院することもなかった。



●18歳 一人で婦人科へ

18歳(高3)になっても生理不順は続き
生理痛も不正出血の回数も多くなっていた。

気になった私は再び
婦人科を受診する。

2回目なので
ひとりで病院に行くことにした。


「性交渉の経験はありますか」の質問に
「はい」と答えることも
「いいえ」と答えることも
恥ずかしいと感じている頃だった。


その日の診察も異常なく
10代のうちは
生理不順も気にしなくていいと言われた。

私は安心して、帰宅した。


●ここは妊婦さんが来る場所

私(18)が一人で婦人科を受診した数日後、
学校で噂が立っていることを知る。

私が産婦人科に入るところを
近所に住む別の学年の子が見かけたらしく

「私が妊娠して、中絶しにいった」
という噂だった。



噂好きな子って
どこにでも一定数いる。


女子校だったからか
「●●と○○が付き合っているらしいよ」
という噂がない分

「妊娠したらしい」
「キャバクラで働いているらしい」
「AVに出ているらしい」

という根も葉もない噂が多かった気がする。


産婦人科=妊婦さんが行く場所
このイメージは、確かに強いと思う。


特に当時(10年前)の高校生には
PMSという言葉もまだ馴染みはなかったし

生理のことを相談するために
産婦人科を利用することも少なく

ピル=避妊薬のイメージを
私たちももっている頃だった。



まだガラケーの時代で
前略プロフィールが流行っていたあの頃。

今よりも
ネットで正しい情報を
得られる時代ではなかった。


この噂に関して
仲のいい友人も信じていなかったので
私もあまり気にしなかったし
すぐに噂はなくなった。


でも一定数の「噂好きっ子」の中は
今でもあの噂を信じている人がいるだろう。


10代の子にとって
「産婦人科に通院すること」の目的を
正しく理解し、知る機会があることを願う。


そして産婦人科が
行きやすい場所になってほしいものだ。



●25歳×生理不順

25歳になっても、
生理周期が整うことはなかった。

80日周期のこともあれば
一ヶ月のうち20日間以上出血していたこともある。

私は定期的に婦人科を受診していた。
25歳〜28歳のうちに4つの婦人科を受診した。


病院を転々とした理由は
納得のいく診察結果を受けられなかったから。



どこの病院でも

・エコー診察
・子宮がん検診
・ホルモン検査

がお決まりで
結果は異常なし。


それでも、
ずっと続く生理不順が気になる私は

「生理不順の原因はなんですか」
「原因を特定できる検査はありませんか」
「将来、妊娠に影響がでますか」


と質問をした。



私は、どの病院でもこの質問に対する
先生からの回答に違和感があった。



初めは、
「この先生、嫌な感じ。病院を変えよう」
と思っていたけど

4つの病院で
毎回嫌な思いをしたから

「婦人科の先生って嫌だな」

という印象に変わっていった。


ここで事例を紹介したい。
(実体験ではありますが、「私は」いい先生に出会えなかっただけで素敵な婦人科医もいる)

Q.「生理不順の原因はなんですか」
Q.「原因を特定できる検査はありませんか」


「癌じゃなかったから、わからない。ストレスが原因かな。そのくらいの生理不順はよくあるけど。そんなに気になるならピル飲む?」

私「薬でコントロールするのってどうなんですかね…」

「ピル飲みたくないならもうできることないから。どうする?」


Q.「将来、妊娠に影響がでますか」

「子ども作る予定あるの?」

私「今すぐにはないけど、学生の頃からずっと生理不順なので。将来のことがきになって...」

「結婚相手が見つかって、子ども作ることになるまでこれ以上検査しても意味ないよ。今検査して、もし不妊の原因が見つかっても不妊治療って入籍していないとできないからね。」

(2021年〜不妊治療を受けられる条件は変わったが、ほんの最近まで治療内容によっては入籍していることが必須条件だった)



自分の体のことを知りたい。
と思って病院に行っても

原因もわからず
詳しい検査もしてもらえなかった。


26歳の時
近いうちに入籍する!と話すと
不妊に関する検査をうけることができた。

その時に
多嚢胞性卵巣症候群と診断され、
不妊治療が必要だということがわかった。

今までの生理不順も
多嚢胞性卵巣症候群が原因の可能性が
高いと言われた。

そして
1年間、ピルを服用して
排卵のくせをつけることを勧められた。


医学の知識がない私の個人的な意見だが
この時の思いを率直に書く。

なぜ、もっと早く教えてくれなかったのか。
検査してくれなかったのか。

1年前にこの検査をしてくれていたら
すでに排卵のくせがついていて
いますぐ妊活を始められたのでは?


先生には言わなかったが
私の正直な感想だ。

そして今振り返れば

16歳〜25歳の私は、
度々 婦人科を受診していたものの

先生の
「癌じゃないから大丈夫」
という言葉に甘え

「本当にそれでいいんだっけ?」
という疑問を持たなかったし

生理不順やピルに対する
正しい知識もなかった。

自分から勉強することもなかった。


先生からの
「そんなに気になるならピル飲む?」
という提案に対して

「なんとなく薬で調整するのは不安です...」
と言ったことはあったけど

先生の高圧的な態度に負けて
「ピルを飲むメリットとデメリットを教えてください」などと質問することはしなかった。


何歳の時も、婦人科を受診すると
先生の話し方が高圧的だと感じて
思ったことを質問できない。


内科や皮膚科など
他の病院で感じることもあるが
婦人科って特に
こういった経験が多くないだろうか


婦人科の先生ってなんか高圧的だ。

残念ながらこれが私の印象。


16歳の私にとって
婦人科に行くのは勇気がいることだったし

18歳の私は
周りの目が気になる場所だった。

内診台なんて大嫌いだし
「頑張って行く場所」だった。


そして頑張って行っても
高圧的で、聞きたいことも聞けず
しょんぼりして帰る。


●何歳でも婦人科へ行こう


こんな経験談きいたら
誰も行きたくなくなっちゃうよね。


でも私は、10代の方々にとっても
婦人科が行きやすい場所になってほしいんです。

生理不順を
当たり前にしないで欲しいのです。


なぜかって、私は
しぶとく病院に通い続けたことで
子どもを授かりたいと思った時には
自分が不妊症であることがわかっていたから。

これは妊娠のことだけでなく、
子宮癌など他の婦人科系の病気の
早期発見にもつながること。

婦人科系の病気って
早期発見が難しいことが多いから。

私のなかでは今、

10代でも気になることがあれば
積極的に婦人科を受診して欲しい

という気持ちと

婦人科の先生って
すっごく高圧的で嫌な思いするよ

という
メリットvsデメリット対立が起きている。

だけど、私の願いはただ1つ
「女性にとって、婦人科をもっと行きやすい場所に」
これだけなのだ。


●婦人科をもっと行きやすい場所に


どこの、何が、どう変われば
これが叶うのか。

じゃあどうしてほしいの?
と言われると、言葉につまってしまう。

・正しい知識を得る機会がほしかった。
・もっと生理のことを話しやすい社会に。
・気持ちに寄り添ってくれる婦人科医が増えて欲しい。


確かにそうなのだが

これだ!という施策はない。
どれもあまり芯を食ってない感じがする。



ただ私は、今まで一度も
婦人科からの帰り道が笑顔だったことはない。


疲れた。
思っていること聞けなかった。
先生が嫌な感じだった。

こんな感想ばっかりだ。


医者ってそんなもんだよ。
というのもなんか違う気がする。


どうしたら、婦人科が
もっと行きやすい場所になるのだろう。

生理の悩みを相談しやすくなるのだろう。


私の経験の中で
不妊治療の先生の診察だけは
一度もマイナスな印象を受けなかった。

唯一、信頼できる先生だった。
10年間の通院でたった一人だけど
そういう先生に出会えて本当に良かった。


セカンドオピニオンや転院を
早めに検討することが
今すぐできることの1つかもしれない。


ただ、
「通院する患者さんだけが頑張ってよ」
というのは難易度が高いので

社会や病院・周りの目などの環境も同時に
変えていく必要がある。

コンビニに行くのと同じくらい
とはいかなくても
せめて内科と同じくらいのハードルで
婦人科にいける環境になってほしい。

何が、誰が、どう変われば、
という具体的なことは
引き続き考えていきたい課題だ。


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