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まぶたは閉じられていても

朝のまどろみの中でまぶたもひらく前
開け放たれた窓から
心地よい風が吹き抜け
まだ動き出していない街の気配

遠くで鳥のさえずりが聴こえ
時々車の走る音がし
シンとした中に
どこかで掃いている音がする



少しすると
どこぞのお家から
ふわりと味噌汁の香りが届く

まだ瞼はあけてないけれど
豊かだなあー と思う

いま のここに
まだ瞼もあけていないのに
音や香りが漂い 感じられて
心地よさが ひろがっている

何もみえてはいないのに

それらが全て感じられる

この 創造しうる世界は
とっても豊かで あたたかで



風が通り抜ける肌感覚

さまざまな音

ふわっとひろがる香り

いま の ここ に
それらが既に全てあって
感じられる身体もある



そして記憶がポロリと
欠片を置いていく

ああそうか

わたし という思いも
記憶なんだな

その当り前さが
すーっと消え去って

また わたし が始まり
瞼がひらかれる



無音の豊かさの中の
わたしが始まる

ありがとうございます。 お受けしたサポートのお気持ちは、この巡りのなかで循環させられるよう、ありがたく使わせて頂きます。感謝致します。