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男女は絶対喧嘩するようにできている話 ~結婚は本質的に破綻しやすい~

前回記事にて、男女の行動の違いについて触れました。その根底には1万年前から変化していない、遺伝子の無自覚の影響があるせいだとしました。多方面戦略と一発必中戦略という生存生殖戦略。次いで、問題解決論理思考と、感情や情緒思考によるものです。


で、その行動原理をさらに深堀りすると、男と女がケンカになって、いがみあう、特に結婚という状態はかなりストレスフルになりやすいものだと痛感しました。今日はそんな話。7000字近い長文なので時間があるときにでもご覧ください。






おさらい 男女の行動原理の2つ (前回記事既読の方は次の見出しへ)

多方面戦略
色々な動物を狩った多くのエサを元手に、男は多くの女性をたぶらかし孕ませて遺伝子的多様性を確保し、自分の子孫を一人でも多く残すようにしたい。単に、相手を外見的視覚的要素(顔や体形、スタイル)という”好み”で判断し、あわよくば、内面的にも自分の好みならば最高だという基準で、行動することとなる。仮に、内面がダメでも、肉体関係を結び子を作れたらそれでOK次行こうというスタンス


問題解決論理
マンモスを狩るという問題をいかに上手に解決できるのかという論理理性の問題解決思考。問題解決がゴールでプライドを満たし存在証明となる。そのために原因を発見して、行動を改善し、結果を変えようとする。対女性の場合も同様の対応をしてしまい、彼女の問題を助けてあげる、頼りになる男であると問題解決に躍起になる。言葉という頼りないものではなくて目に見える(多くは的外れだとしても)行動成果で、女性に愛(俺は凄い男)を示そうとする。


一発必中戦略
女性は、野生の動物や他の獰猛な雄から、守られる頼って生き延びる存在であり、かつ出産育児が命がけなので、とにかく一発必中で強い雄を選ぶ。相手が格付け上位の雄なのかを執拗に熱心に値踏みする。一人の雄を決めた後は、本当に頼れるのか助けてくれるのかという安心安全執着信頼の為に行動するので、結婚したがり、連絡やらプレゼント回数や頻度やらといった私だけを大切に丁重に扱うかで、その相手への評価が揺れ動く。


情緒付き合い感情
女は家や集落で衣服を作ったり。壺やらを作ったり。子育てをしたり。それらは競い合ってより多くを作らねばならないものでもないし、一人で黙々とするようなものでもない。集落に残る周囲の女達と一緒になって、おしゃべりしたり時に助け合いながらの作業になったのだろう。そこにあるのは人間関係や情緒の繋がりや相手から好かれる嫌われないという好感感情を重視する思考となる。”常に好かれているのか”を確認する行動をとる。






恋愛時代は、ギャップ確認と浮気の心配だけ

恋愛時代は、相手との価値観の違いがないかどうかの確認と、浮気のトラブルしか起きない。価値観の違いは体験や経験が増えれば、自然と判明していき違いすぎると別れる。浮気は、男のワンチャンいけた(向こうがOKだから流れでしちゃった)という浮気。あるいは、男性が女性の常に好き確認を、多忙さや無知等で満たせないことによる女性の浮気(寂しさで流されちゃった)が起きる可能性がある。

とはいえ、基本的に恋愛時代は、好きだからいっぱいデートして相手と一緒にいる時間が多くて、時間体験を共有共感して、好きを確認しあうことになるわけで、男女ともに満たされているので問題はあまり起きにくい。厄介なのは、結婚ステージ移行後の家事育児というタスク発生時である。





結婚すると、必ず喧嘩する

結婚すると、共同生活が始まる。すると、炊事、洗濯、掃除、育児等々の仕事やタスク(やらなければならないこと)が生じる。上でのべた通り、男は問題解決成果結果の行動原理で動く。しかし、女は、仕事やタスクを結果や成果ではなく、感情情緒の原理で動く。この違いから、タスクでは必ずトラブルが起きて喧嘩になってしまうのだ。

男は、問題課題作業を”上手く”やれたかで判断する。立ち向かう男の行動原理の極端な例は、軍隊である。指示命令系統を明確化し、業務分担を明確化し、権限と責任を割り振り、時には多少個を殺すことになっても、仕事成果を成し遂げようとする。成果に関係ない感情が仕事中に入り込む余地などほぼなく公平最適な協力体制を求める。一方で、女の行動原理の極端な例は、体育のマラソン授業である。成果結果に意義はなく、一緒にいる相手と嫌な感じをなくし、好きや楽しいを分かち合いながら事を進める進めたいだけなのだ。ダラダラと走りてを抜くことになっても、成果や結果をそもそも求めていないので、なにも気にならない。

恋愛時代には、タスクのようにみえても消費的行動が圧倒的に多い。旅行、映画、食事等々。そこでは、男も女もいかに低負荷で高リターン(嫌なことなく楽しめたか)という、基本的には女性同様というか、生物の基本原理?の行動原理を採用するし、上述の通り、一緒にいる時間体験が多くて、好き確認が通常運転なので、トラブルは起きにくい。しかし、結婚して家事育児という仕事タスクという生産的行動が生じると、タスクへの男女の行動原理の違いがトラブルに発展する。

見方を変えて表現しよう。男にすれば女とは、やる気もなく無能で、愚痴や楽しい事ばかりにしか反応しない、できの悪い後輩のようにみえるのだ。更に今どきの若者は!といいたくなるような、はっきり指摘すると、すぐに匙を投げる後輩だ。というのも上記の通り、女は成果結果への意欲がないので、やる気も見えないし出来高も当然少なく(無能に)なる。しかし、辛いや楽しいには敏感でしかもそれを共有しようとするので、先輩からみれば、どんだけおだてて愛想よくしてやらないとやらないんだこいつと思えてしまう。そして、先輩から見て問題ある行動の改善のために、”はっきり指摘する”という行為=白黒つけるという行為も、女の行動原理からは縁遠いものだ。白黒はっきり突きつける(うまいまずい、良い悪い)とは、立場を分け敵と味方を作ることになるからであり、女性にしてみれば、それも嫌な事に分類されて毛嫌いされ拒絶されるわけだ。

一方で、女から見れば、男とは、期限は?進んでいるのか?もっと丸々しろ等の小言(本当に必要な指摘でも小言と認識される)が多く、楽しくやろうという場の空気をぶち壊していく、嫌で一緒に働きたくないお局さまにみえる。男はその物事の解決や達成のために全力をつくし必要あらば、改善を図ることも厭わない。男のそういう全力、真面目、私語最低限、改善提案等々は嫌で面倒だと、関わりにくい相手に女には見えるのだ。





相手への愚痴もそのまま関連する

原理原則は全てに繋がるので、行動原理の違いは、よく聞く男女の愚痴にも反映されている。男は結果や成果を見るので、多少のストレスやトラブルはあっても生活をまわせていれば、俺はしっかりやれている!と誇り、達成できていない相手の不備を嘆く。女は、感情を見るので、旦那が私を如何に大事にしていない(私の気持ちに寄り添ってくれないか)を嘆く。

男は、以下等をいう。
怠け者の妻、
働かない妻
働き者ではない妻
気のきかない妻(先回りして結果成果達成に動けない妻) 

家事育児にたいして作業や課題として達成目標がある。しかしその基準に妻の成果結果が伴わないので、なぜできない、しない。改善もしないとして、上のような愚痴になる。

一方女は、以下等を言う。
私のことを大事にしてくれない
私のことなんか気にかけていない
口を開けば小言(あれした?終わった?)ばかり

感情や情緒の繋がりを求めているので、大事にしてくれないや気にかけていない等という言い方だが、その本音は私の辛さや大変さに共感して、楽しいにも共感して、そんな風に私の話をじっくり聞いてほしい(心を重ねてほしい)となる。ハッキリと言わないと理解できない男に、ハッキリと要望をその行動原理ゆえに伝えることになれていない女。もっと大事にしてよ!大事にしてるけどなぁ…とすれ違うのだ。





タスクでの喧嘩や破綻のパターン

これまで男と女で大別してきたが、正確には、男性的、女性的行動原理は性別関係なくどちらもある。そして、タスクには実務力も関係する。これらにより喧嘩や破綻のパターンがやや異なるが以下のどれかになる。さらに厳密に言えば、家事育児等の能力と期待にもギャップがあり、全くできないくせに要求だけは高いパターンもあるが、複雑化するので、割愛する。以下汚い図。


左上4つ   男性脳同士の能力基準パートナー

両方とも男性脳的な振る舞いをする。家事育児等実務を、双方話し合いで上手に解決できるのでバリバリキビキビとこなしていく。特に左上と右下は能力が均衡している為、互いが互いに相手を誇り称えてプライドを満たせるので、良好な関係(メジャーリーグもOK、草野球でもお互いOK。)

やや問題が起きそうなのは、能力差があるケースである。結果成果(能力重視)で判断するために、差があると、片方が片方を無能、気が利かない等と判断しそのプライド自尊心に傷をつけてしまいかねない。男性側が女性を見下す場合、女性の外見的魅力の保持加減で生活の幸福度が変わる。グータラで怠け者だ…と思いつつも、男の好きを満たしていれば、男が色々頑張る羽目になるが、まぁ生活は程よく回るのだ。一方女性側が男性を見下す場合は、無能=上位雄ではないという判断になるので、好きが減り、性的な関係は女性側から減衰する。男は尻に敷かれるかかあ天下恐妻家になる。窓際族でも平気みたいなプライド感性の低い男性以外は、家で心が休まらないと生活の幸福度が下がる。


右下4つ    女性脳同士のゆるふわ楽パートナー

成果や達成や能力関係なく、心のやり取りで判断するので、どの組み合わせで生活水準は様々あれ、片方の負担は多かったりしても、ずっと幸福な二人になる。但し、共感には心を通わせる時間が必要なので、生活タイミングのズレ、仕事の多忙さ、育児、他の趣味にかまける等、二人の時間が作れなくなってくると黄色信号。



右上4つ    自然状態 男は男、女は女ゾーン

現代では仕事、家事育児(そのすべてとは言わないが)は女性に割り振られる。そうすると、そのやる事の多さ大変さに、嫌なことなく楽しく振る舞いたいという原理から外れ、女性のタスクストレスは過大になる。また、男女ともに相手の原理を理解していないので、愛が失われていく破滅しやすいゾーン。但し、破綻に近づくが、破綻させない重しがあったり、双方が補完しあうような場合にのみ上手くいく。

つまり、仕事は男性が担当して、女性は家事育児だけに専念すればいいというような原始や昭和の時代ならば、愛は冷めてもタスクストレスが低いために、その時間的余裕から他でストレス発散できるので関係はかろうじて上手くいく。しかし、能力差がある場合には、男は女のできなさ至らなさを責めることになり、パワハラモラハラ的になるし。女性からはなんにもしないできない奴と呆れられる、漫画や愚痴に出てくれる典型的なダメ男のどちらかになりかねない。別れるほどではないので生活は回るが、家庭内男女関係は過酷で冷たいものになる。


左下4つ  女性的振る舞いの男性によるサポートパートナー

男性脳、女性脳的側面が強いとはいえ、遺伝子の囁きは0ではない。なので、男は達成成果原理も備えているし、女性は感情情緒原理も備えている。その為に、このゾーンも相互理解しやすいために上手くいく関係が多い。

双方の能力が高い場合、女性からのあなた家事育児実務が頼りになる!という尊敬の念は薄いかもしれない。しかし、女性的情緒的つながりを男が心得ているし能力の高さゆえに女性のタスクストレスが減るので、大好きな家政婦さんとして上手くいく。女性の家事育児の能力が低い場合は、尚のこと上手くいく。女性は男性の主夫力を褒め称え感謝するので、先のゾーンに唯一欠けていた男側のプライドも満たされるからだ。

能力が低い同士の場合、タスクストレスは上昇するが、それでも自分のことをきにかけてくれるパートナーで大好き!不慣れでちょっと焦げてたけど私の好きなパンケーキを、彼が頑張って作ってくれたんだはぁとなる。一方で、左下の場合、彼の能力の低さに女性側が男性脳的に無能を感じて不満を持つことがある。情緒的なつながりは高いが、ホストみたいなものというか、女性をたぶらかして楽するような典型的ダメ男として書かれるゾーンで、いつか女性の不満が爆発して破綻する。






現状維持での喧嘩への対抗策

これまでのべた原理原則を踏まえて行動を変えることに尽きる。かみ砕いてしまえば、男女のケンカトラブルの根幹には、

・男性からの愛情不足、(感情情緒的対処を男性が理解する)
・ストレス過多という女性側の不満 (嫌なく楽な分担や役割へ見直し)
・男のプライド自尊心を傷つけている (成果達成を称えるようにする)


女性脳側よりも男性脳側の方が、解決のための原因さえわかれば改善がしやすい行動原理なので、女性の原理を踏まえて男性が変化する方がスムーズだと思う。しかし、上記の通り生活が回せていると、男性としては俺はやれている!と自分を誇って問題意識がない場合もある。なので、女性側からの改善や提案はそのプライドを傷つけることになるので、慎重に行わなければいけない。具体的には、客観的かつ端的な原因と改善の理性的提案である。そうこうして、女性は改善の話し合い段階にうつれても、行動原理的にはっきり的確に端的に伝えることが苦手であるので。本記事を見てもらうよう誘導しつつ、勇気を出して、男に伝わるように超具体的な手紙でも書いて渡すことがスムーズにいくはずだ。ここが悪いじゃなくてこのトラブルをこう解決したい的な。

女性の考える共感を男が理解する。
・男性の考える軍隊的な役割分担、責任権限の明確化、公平な協力体制というタスクへの取り組みを女性が理解して、役割分担の見直しを、理路整然と必要性を伝える。
・互いが互いの成果結果を褒め称える。

色々書いたが、結局はこの3つを改善するできれば、破綻から逃れて幸福で幸せで愛のある結婚関係になれる。





夫婦の幸せ構築からみた結婚制度ありかたの見直し

身もふたもないが、男性と女性で同じ作業をしない方が余程仲良く一緒にいられると思う。現代社会の共働き前提の核家族化。育児による作業増加。それらに伴う女性のタスクストレス悪化→夫婦関係悪化も、おしてしるべしだ。辛い大変な作業ほど、地がでてぶつかりあうことになるからだ。上の改善方法は明確ではあるが、それをだれもが実践できるかは疑問だ。

なので、大家族や集落による女性や高齢者全員での子育てみたいな形にして、家事や育児も集約化して大変さを軽減した方が余程男女仲良く暮らせると思う。そこにかかわれる女性の扱い方を知る?女性脳よりな男性もそこに加わればよく、どうしてもだめなら最初から家事育児から離れる雄がいてもいいと思う。

あるいは通い婚等、男女の仲と生活を共にして一緒に作業をすることを分けてもよいと思う。本記事を読んでもどうしても変われない人だっているのだろうし、そういう人に無理に作業を二人でさせる必要はない。言い換えるならば、離婚という選択肢しかないのがおかしいという話だ。どうしても分かり合えない部分があるならその部分だけを切り落とせばいいだけの話で、彼彼女の全てをダメにする必要はない。

しかし、どちらの案も、現実的ではない。国家社会地域介入による建物等のハードの改善、意識の大規模な変化のソフトの改善が必要であるし。後者は、経済的な余裕がないとそもそも楽な方へ向かう道を選べない。共働きをやめてパートになれば、夫婦仲は改善するだろうが、それで経済的に問題が全くない場合にしか、それを選択できない。



おわりに

長文記事になりましたが、男女のケンカ結婚トラブルの根幹的部分の解消法を提案できたと思います。結婚前の男女の必読にしたいぐらいの教科書になれれば幸いです。

さて、話は変わりますが、この男女の行動原理の違いは、資本主義と共産主義の争いと一緒の構図だなぁと思いました。どんどん能力を拡大拡張して大きなことも処理できるようになる、強く大きく稼ぐ、もっともっと先へ!という能力偏重の資本主義。一方、必要以上に頑張らなくても頑張っていない人がいてもいいし、自分の心を満足させるのが大事だよ。差もなく無理なく、楽しい楽が一番でいいじゃんの共産主義(思想の発端や根幹は異なりますが、一番表面部分にでてくるものは女性脳、感情の原理かなと)。

男性側に傾いた家庭では、できるできないで差別侮蔑が横行し腐敗します。一方で、女性側に傾いた家庭では、嫌なことなく一見楽かもしれませんが、必要なことまで抜け落ちてしまったり、手を抜きすぎて怠惰や荒れ放題になり腐敗します。経済的に回らなくなる可能性もあります。

双方の妥協点探しや相互理解によって、この矛盾を減少させる提案はできたと思います。しかしやはり男女同士(理性と感性)は本質的な矛盾を抱えています。本当にとるべき最良の道は、新しい価値観を男女が創出して同じ道を選ぶことです。私はそれは前進と成長だと思います。長くなりましたがこの辺で。


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