屈曲型腰痛の評価について
今日も柔道整復師、理学療法士、整体師の方、新人の方に向けて、僕の実際行っていることについて書いていきます
今日は、屈曲型腰痛の評価のポイントを書いていきたいと思います
まず腰椎屈曲(前屈)の際にはどのような組織にどのようなストレスがかかっているのか確認します
腰椎屈曲時の腰部構成体の動き
①椎間板 前方圧迫 後方伸張
②椎間孔 広がる
③椎間関節 上椎の下関節突起が上方へ移動し、下椎から離れる
④靭帯、筋、関節包 伸張
どれにも屈曲時に痛みが出る可能性があると思いますが、多い痛みとして
椎間板性
椎間関節性
仙腸関節性
筋・筋膜性
が挙げられています
これらの特定の仕方は過去に書いているので見て頂ければ幸いです
そして腰椎屈曲時に痛みが生じるのは、組織にメカニカルストレスがかかっていることが予想されます
例えば椎間板性腰痛が起こっているとして、これが結果です
そして原因を評価して探すということになります
原因は機能不全や筋のスパズムなど様々ありますが、これを評価して原因を見つけています
屈曲型腰痛の原因で考えられること
①安定化を担っている筋が上手く働いていない
腰部の安定化を担っている筋は多裂筋や腹横筋でこの筋の機能不全が原因のケース
②腰椎や仙腸関節が過剰に動いている(代償する)
腰椎、仙腸関節の近接部位の股関節、胸椎屈曲可動域が低下しているケース
腰椎屈曲を制動する大臀筋の機能不全があるケース
骨盤の前傾が阻害されているケース
こちらに対して評価を行い、施術しています
評価について
①多裂筋、腹横筋の評価(腰椎安定化に対する評価)
患者を腹臥位として、施術者の指を棘突起に当てて、そこを中心に伸展してもらう(上位胸椎〜腰椎まで行う)胸椎の部分伸展指示した時に、腰椎も伸展しまう場合などは多裂筋がうまく働いてない可能性があると判断する
ただ、元々の胸椎周囲組織の硬さもあるので、他動的にも伸展して硬さがあるかもチェックしています
多裂筋がうまく使えてないのか、周囲組織が硬いのかをチェックするのがポイントです
・自動で伸展うまく出来ない
多裂筋機能不全と判断
・自動、他動で伸展できない
多裂筋機能不全の場合、周囲の硬さがある場合、両方あると判断する
多裂筋機能不全の場合 hand kneeのエクササイズ(多裂筋賦活化)
四つん這いの状態で、例えば、右上肢を体幹と平行に挙上し、左下肢を体幹と平行に挙上する運動(これだと左多裂筋賦活化)
あとは腹横筋に対してはドローインを指導しています
②ハムストリングスの硬さ
SLRで判断 手技やストレッチで柔軟性を獲得する
③大臀筋の機能低下
患者腹臥位で股関節伸展してもらう
その際に外転して開くなど、矢状面より離れた伸展だとうまく使えてないと判断(中臀筋、筋膜張筋の代償)
伸展して戻す際の遠心性収縮も大臀筋内側を触って、効いているか判断する
腹臥位でうまく大臀筋内側を収縮させながら、真っ直ぐあげる練習をする
まとめ
このように屈曲型腰痛の場合は評価しています
ただ、運動療法をやりすぎると患者が辛くなって来なくなるケースも結構あったので、ほどほどにやっています
ここで僕が大事だと思うのは、腰痛患者に腰を触らなくても疼痛が軽減するんだということを体感してもらうことだと思います
もちろん、多少腰部を施術することも僕はやりますが、原因を特定してあげてそこも施術しないと、ただのマッサージになってしまいますので注意しています
逆にそこまで正確に評価する接骨院であれば、他の接骨院と差別化だってできるかも知れませんよね
街から信用される接骨院を作りたいですね
今日も臨床頑張りましょう
ではまた
参考文献 脊柱理学療法マネジメント より 引用
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