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楠本奇蹄
2023年8月24日 00:11
レモネード鎖骨は私語を醒めてをり濡れゆけば咎なき肉よ谷崎忌喉笛のごとく洗へば茄子鳴きぬダチュラ、雨 肩に寝息のかかるまで眠る指ときおりぎゆつと熱帯夜調律のあなたに残る蛍ゐてルビのなき吐息が夜顔に溜まる小筆めく指で残暑の膚をなぞり渦ふたつあをくぶつかる鰯の眼抱擁は背を軋ませて天の川(100年俳句計画No.309,2023年8月号『100年の旗手』より)
2023年8月10日 16:39
淑気満つ小さき眉のあかるさに生え際のふんはり目覚め初比叡カプセルや雪眼の母を置き去りに箸置で作る家族や鷹鳩にゆるしあふ菠薐草よ僕は仮面鳥の巣に家族写真が燃え残る先回りして草笛の貌を待つ手花火のあとさきに頬持て余す保育器にくぐもりて散る大花火胎の児の重さ検索して白露
2023年8月9日 17:22
シウマイに揺るがぬ隙間秋立ちぬ唐揚げに醤油の触れて秋暑し漬け焼きの鮪味濃き残暑かな黒胡麻の飯よく粘るつくつくしさはやかに舌怯ませよ筍煮ゆく夏の小梅ASMRシウマイに芥子を忘れ風涼し***********************久々に、崎陽軒のシウマイ弁当を食した。子どもの頃、父と野球観戦で横浜スタジアムに向かう途中、横浜駅の売店で必ずシウマイ弁当を買って、スタンド