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アンドロイド・イン・ワンダーランド

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5分で読める短編SFを掲載しています。 AIが管理する超管理社会の片隅でバーを経営するアンドロイド・アリス。そこが政府管理外区だからか、アリスの特殊能力のせいか、いつもバーには厄…
運営しているクリエイター

#意識

スケルトンクルー

 アリスが床に下ろしてやると、意識の雫は転がるようにして去ってゆき、やがて壁に染み込むよ…

kitaryuto775
2年前
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青くてビターな雫たち

 青い光が頭の中を駆け巡っていて気分がすぐれない。アリスは目を瞑り膝を抱えて丸くなる。不…

kitaryuto775
2年前
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アンドロイドの深い穴

 急激な上昇の加速で体がシートに押しつけられる。横を向くとボギーがそれに耐えるため目を瞑…

kitaryuto775
2年前
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アンドロイドの報酬

 アリスはそれが通り過ぎるのをじっと待っていた。コアがそれのエネルギーに反応しているのが…

kitaryuto775
3年前
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アンドロイドの罪と罰

 アリスが部屋に飛び込むとそこは酷い惨状だった。  白い人工大理石の床に頭部を撃ち抜かれ…

kitaryuto775
3年前
2

錆びた釘

 アリスはつむっていた目を開くと同時に斬霊剣を下段から切り上げた。素早く右足をスライドさ…

kitaryuto775
3年前
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Old is not New

 マルーはいかにも紳士然としていた。背が高くがっしりとした体つきで、ブラウンの髪は七三にきれいに分けられ口髭もしっかりと手入れされている。視線は相手を安心させる様な穏やかなもので両手を体の前で組んでいた。もし彼の職業が銀行員だと言われれば誰もが納得する。そんな穏やかでありながら隙のない雰囲気を持っていた。  マルーはアリスのバーの入り口に立ち店内をひとあたり見渡した。正面にはカウンターがあり客がひとりウィスキーを嗜んでいる。カウンターの内側でアリスが相手をしながらもマルーの

アンドロイドは扉の向こうに何を見たか

 ここはMシティの一番外れにあるアリスのバーで名前はない。入り口には酒を提供することを示…

kitaryuto775
3年前
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開拓時代の探し物

 朝日が窓から差し込み埃だらけの床を照らした。密やかな時間の中でゆっくりと陽光は床を滑り…

kitaryuto775
3年前
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いしきたちのいくところ

 ロバートはタバコの箱を受け取ると先ず中をあらためた。紙に巻かれたタバコが5本入っている…

kitaryuto775
3年前
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湿地

 アリスは店の入り口に苔が生えているのを見つけた。それは比較的温暖な地域の湿地に見られる…

kitaryuto775
3年前
1

バックアップ

 アリスはタントラを唱えながら斬霊剣を水平に構えた。足元に広がる黒い染みからは悲しみと苦…

kitaryuto775
4年前

魂の監獄

「オレンジにバニラのフレーバー。スコットランド紳士の上品さと優雅さ。そしてやさしい味わい…

kitaryuto775
4年前
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