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フレンドリーな取り立て屋さん

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サングラスにアロハシャツ姿のガラが悪いけれどフレンドリーな取り立て屋さんがでてくるシリーズです。
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#小説

フレンドリーな取り立て屋さん6 今日も誰かの背中を押す

「おい、お前。ちゃんと人生を楽しんでんだろうな」
仕事を終えた私が会社を出てバイト先に向かっていると、背後から声をかけられた。
少しかすれた低い声に、ぶっきらぼうな口調。
驚いて振り返る。そこにはふたりの男の人が立っていた。高そうなスーツを着た長身の男性と、サングラスに派手なアロハシャツを着た……。
思わず「あ」と声をもれる。
以前、父が作った借金の取り立てに来た人だ。
「フレンドリーさん!」

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フレンドリーな取り立て屋さん5 物々交換をする

炎天下の街をひとり歩いていた。
喪服を着た俺の背中に日差しが容赦なく照り付ける。
なにもかも熱かった。背中を伝う汗も、吐き出した息も、目じりに浮かぶ涙も、全部。
めまいに襲われ、視界が反転した。同時に世界から色が消える。
貧血か、熱中症だろう。冷静に考えながら、仰向けに道路に倒れる。
こんなところで倒れていたら、車にひかれるかな。そう思ったけれど、それでもかまわないと目を閉じた。
生き続けたところ

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フレンドリーな取り立て屋さん4 ケンカをする

「待てや、ゴラァ!」
後ろからものすごい声で怒鳴られた。
俺は全力で走りながら、待てと言われて素直に待つ奴は最初から逃げないよな、と思う。
それでも待てと言いたくなるのは、狩る側の本能なのだろうか。
そんなことを考えながらも、必死で細い路地を走る。
捕まったら確実に殴られる。それだけじゃなく、下手すれば命の危険すらある。
だって鬼の形相で俺を追いかけてくるのは、正真正銘のヤクザだ。
友人に誘われて

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フレンドリーな取り立て屋さん3 野菜を配る

だめだ、もうだめだ。死ぬしかない。
僕はひとりごとをつぶやきながら、自宅のアパートで頭をかかえていた。
脳裏に浮かぶのは、毎日のように職場に押しかけてくる借金取りの男たちの怒号。そして社長からの罵倒の言葉。
この先、僕が生きていたっていいことなんてひとつもない。
そう思った僕が自殺を考えていると、玄関のドアが乱暴に叩かれた。
「おーい、いねぇのか?」
ドンドンドン!と何度もドアを叩く音とともに、男

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フレンドリーな取り立て屋さん2

私が仕事を終え帰宅すると、アパートの前に派手なアロハシャツにサングラス、そしてビーチサンダルという、浮かれた格好のガラの悪い男がいた。
その男は私の名前を確認するなり、「金を返せ」と低い声ですごむ。
お金って。この人は一体なにを言っているんだろう。
戸惑う私に男は「俺はこういうもんだ」と一枚の名刺を差し出した。
そこには『フレンドリー・パートナーズ』という胡散臭い社名が書いてある。
これだけだと、

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フレンドリーな取り立て屋さん1 出会い

「お前、コンクリート詰めにして沈められるとしたら、どこの海がいい」
サングラスに赤いアロハシャツ姿のガラの悪い男にたずねられた私は、状況が理解できずに黙り込む。
突然職場に押しかけてきて、こんなぶっ飛んだ質問をしてくるなんて、この人は一体なにものなんだろう。
戸惑いながら俯くと、ハーフパンツから伸びるすね毛の生えた男の足と、蛍光色のビーチサンダルが見えた。
台詞の物騒さとは似つかわしくない浮かれた

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