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のらねこ旅日記≪帯広→苫小牧≫

  ライブにすっかりはまった私は、推しのアーティストさん以外でも、ちょっと気になったバンドさんのライブに行くようになりました。
  ある年、推しのアーティストさんが全国ホールツアーを行うことになりました。
くじ運が良くない(と思っている)私は
『どうせ首都圏は外れるだろうから、いっそ遠くの方が当選率が上がるのでは?』と考え、北海道帯広の公演を申込み、無事当選しました。
『さて、帯広に行って、後はどうしよう?』と思った私はライブのハシゴをすることにしました。
  以前、音楽雑誌の記事で『苫小牧のライブハウスは、ご家庭用のエアコンが1台付いているだけだったので、ものすごく暑かった』と言うのを読んでいて、丁度、帯広の翌日にちょっと気になっていたバンドさんのライブがそこであるので、ほとんどライブハウスへの興味本位で行ってみることにしました。
  当日、帯広空港に降り立った私は、予想外の寒さに戸惑いました。
7月中旬にもかかわらず、空港の温度計は『13℃』でした。
  同じ遠征組らしきミニスカートのお嬢さんたちも「さむ~い!」と悲鳴をあげていました。
  バスに乗ってJR帯広駅に向かった私は、『どこかで1枚重ね着ができるものを買おう』と、思いました。
途中にユ○クロが見えましたが、バスの本数が少ないので途中下車できません。
そのまま帯広駅前まで行き、駅前の商業施設に行きました。
洋服売り場を物色しましたが、当然の事ながら、夏物しか売っていませんでした。
地元の人々はフツーに薄着で、お祭りが開かれるのか、浴衣姿のお嬢さんたちが歩いていました。
『ここでは、この気温がフツーの夏なの?』と、驚きました。
結局、私は上は持ってきたTシャツを重ね着して、下はストッキングを2枚買ってジーンズの下に重ねばきしました。
会場のホールに行くと、ファンの皆さんが開場待ちをしていました。
浴衣を着ている人もいて、皆さん薄着のおしゃれをしていました。
『おしゃれとは、寒さに耐えることなのね、私は無理だ』と思いました。
  翌日、帯広名物『豚丼』を食してから、私は苫小牧へ移動しました。
苫小牧は、フツーに涼しい夏でした。
ホテルにチェックインして、身支度を整えてから、ライブハウスに行きました。
そのライブハウスは楽器屋さんの2階にありました。
雑誌の記事によると、楽器屋さんが2階にライブハウスを作ったものの、こけら落としに呼んだバンドさんがファンの人たち共々、かなり激しかったので建物がヤバい状態になり、あとで柱を補強したそうです。
  キャパか200人くらいのこぢんまりした会場には、確かにご家庭用のエアコンが1台だけ壁に設置されていました。
『いくら北海道が涼しいとはいえ、これでは無理でしょ』と思った通り、ライブが始まると、密集していなくても、人いきれであっという間に暑くなりました。
記事に書かれていた通りでした。
  翌日、私は生鮮市場に行きました。
そこには、そこそこ観光客さんがいましたが、帰路、バスの窓から見る街の風景にあまり人の姿はありませんでした。
人のいない街にスピーカーから祭囃子だけが流れていて、なんだかもの悲しくなりました。
駅前のテナントビルも営業している店が少なく、スカスカでした。
『地方は車社会だから、幹線道路沿いの大型店に皆行くんだろうな』と思いました。

  最近、私がストッキングを買った帯広駅前の商業施設が完全閉店したそうです。
ちょっと寂しく思います。





  
  


 

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