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のらねこ旅日記≪新幹線の時間≫

  『出かけるついでに、もう一つ用事を済まそう』
若い頃は、何となくこなせていました。
割と記憶力には自信があったので、メモを取ったり、スケジュールを手帳で確認することもあまりしていませんでした。
しかし、さすがにこの年になると、記憶だけに頼るのはかなり危険です。
うっかりすると、メモしたこと自体忘れています。

  午後から大阪に行く日の午前中に、病院の予約を入れました。
予約を取れる日が少なかったので
『まぁ、時間に余裕があるし、大丈夫でしょう』と、同じ日にしてしまいました。
  当日、病院では2つの診療科にかかる予定でしたが、2つ目の診療科でずっと待たされました。
だんだん不安になった私は、手帳で新幹線の時間を確認しました。
13時7分だったので、最悪12時半に病院を出れば間に合うのですが、前回の予約を取ったとき「この科は混むので、午後予定があるのなら、その事を外来看護師さんに言った方がいいですよ」と言われていたことを思い出しました。
11時半を過ぎた頃、外来看護師さんに予約番号券を見せて『まだですか?』と訪ねました。
 看護師さんはその場で調べてくれましたが、私の予約を見つけられなかったのか
「調べますので、待合室でお掛けになってお待ちください」と言いました。
「このあと予定があって12時半までにここを出たいんですけど」と伝えて、更に待つこと30分、ようやく診察室に呼ばれました。
想像するに、予約は入っていたものの、ちゃんとした時間ごとの予約枠ではない所に入っていたのでしょう。
大病院あるあるです。(元医療従事者)
  なんとか、12時20分に病院を出て、13時前に新横浜駅に着いた私は、新幹線の切符を見て『ん?』と思いました。
切符には『のぞみ73号』
駅の電光掲示板には『13:07発 のぞみ71号』
そう、私の切符は『14:07発 のぞみ73号』だったのです。
『どこで、勘違いしたんだ!私!』
と、改めて手帳を見直すと、翌月の名古屋行きが『13:07発 のぞみ71号』でした。
  診療を予約した時は、14時だから時間に余裕があると思っていたのでしょう。
でも当日予想外に待たされて、焦ってしまい、手帳を見間違ったのでした。
結局、1時間の待ち時間ができてしまったので、駅弁を買って駅の待合室で食べながら
『もう、予定を詰め込むのは辞めた方がいいな』と反省しました。
とは言え、翌日の予定もギチギチだった私は、大阪で1泊して始発の新幹線で帰ってきました。
  私が 新横浜の新幹線改札を出る時、改札に入れなく立ち往生している若いビジネスマンさんがいました。
自動改札機が切符を受け付けてくれないようで、近くにいた駅員さんが切符を確認すると
「これ、4月1日ですね」と言いました。
その日は3月1日でした。
「こちらにどうぞ」と駅員さんはビジネスマンさんを切符振替のためカウンターに連れていきました。
『ネット予約で日付を入力し間違っちゃったのかな』
『私は1時間だったけど、彼は1ヶ月』と、何故か勝った気分になりました。

 


 

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