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のらねこ日記 ㉘

ねこまみれ

  このころ、家族で猫さんたちに一番人気だったのは、父でした。
父は、仕事をリタイアし、もっぱら料理以外の家事に専念していて、猫さんたちのトイレの始末や、ブラッシングも父がやっていました。
  以前テレビで、猫は『お父さんの足の臭いが好き』なんていうことをやっていましまたが、確かにそうでした。
特に女子2匹、ケイちゃんとミミコで父の取り合いが始まりました。
  ケイちゃんが父のひざの上にお座りしていると、ミミコがやってきて、座ろうとします。ケンカになるといやのなので、父は足を広げて、片ひざに1匹ずつ座らせるようにしました。(私は、これをV字攻撃と呼びました)
この時の女子2匹は、互いに目を合わせないようにそっぽを向きながら座っていました。

V字攻撃


   そのうちミミコは、父を一人占めしようと、広げて座っている足に橋をかけるように横向きに座るようになりました。(∀攻撃)
でも、ケイちゃんが来ると、父はミミコを片足に移動させ、ケイちゃんを座らせていました。
  猫2匹をひざに乗っけて、父は、さぞ重かっただろうと思います。幸い重量級のポン太は、抱っこが嫌いでひざに乗ることはありませんでしたが、人にもたれかかるのかが好きで、ソファーで父の横に来ては寄りかかったりしていました。
ねこにまみれる父でした。

ねこまみれ

追記  

  3.11のあの日は、横浜在住のわが家も、かなり揺れました。
  雷と地震が大嫌いな母は、1階でケイちゃんと一緒に縮みあがっていました。
一方、2階に上がろうとした父の横を、ポン太とミミコが駆け上がってきて、ポン太はそのままベランダの窓に突進しました。サッシは開いていましたが網戸は閉まっていて、必死なポン太は、体当たりして網戸を外し、ミミコとともにベランダから外に逃げて行きました。その後、わりとすぐに戻ってきたそうですが、ここらへんも、家猫と元野良の違いなのかな?と思いました。




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