のらねこ旅日記≪福岡、祭りのあと≫
テレビで博多祇園山笠の映像が流れていました。
雨の中を疾走するその姿は勇壮で
『生で観たら大迫力だろうな』と思いました。
でも、私はこの手の大きな伝統あるお祭りを生で観たことがありません。
観に行きたい気もするのですが、帰りの混雑を考えると、躊躇してしまいます。
そんなことを考えながらテレビを観ていたら、思い出したエピソードがあります。
これもだいぶ昔の話ですが、出張で福岡に行った時、休暇をとって市内観光をしました。
私の父は北九州の生まれで、子供のころ行った場所の話をよくしていましたので、そこら辺をまわってみました。
太宰府天満宮に行き梅ケ枝餅を食べ、東公園に行きハトさんを眺め(のらねこ日記いきもの編ハト参照)、山笠の櫛田神社にも参拝しました。
そして、なんとなくたどり着いたのが、筥崎宮でした。
(記憶がちょっと曖昧で、もしかしたら別の神社だったのかもしれませんが)
前日までお祭りをやっていたようで、
私が日中に訪れた時は、露天商の人たちがせっせと店を片付けていました。その傍らには大量のゴミ袋が山積みになっていました。
『これは、来る日を間違えたな』と思いました。
広い境内にはあまり人の姿はありませんでした。
ぶらぶら歩いていると、狛犬さんが
1体、台座から地面に落ちていました。
『えっ!何で狛犬落ちてるの?いや、もしかして、これはこういうものなの?』と足を止めてながめていると、地元の人らしいおじさんが通りかかりました。
そして落ちてる狛犬さんに気がつくと
「えぇっ!」と驚いていたので、これは異常事態なのだとわかりました。
『昨夜のお祭りで、酔った勢いでやっちゃった輩がいたんだろうな』
『単独犯か?複数犯か?』
『それにしても罰当たりな…』などと思いながら歩いていると、今度は遠くで
「もう、いやだぁ~!」と女の人の声がしました。
振り返ると、巫女さん姿の若い女性が社務所らしい建物の方へ走っていくのが見えました。
『何事?』と思い、暫しそちらを見ていましたが、何事も起こりませんでした。
『落ちた狛犬』
『叫びながら走り去る巫女』
横溝正史さん風ミステリーが書けそうなシチュエーションでした。
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