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のらねこ旅日記≪帰れなかった久米島≫

  私の沖縄旅行は、7月になると旅行代金が上がるので、6月30日出発にしていました。(だいたい梅雨明けしています)
  9回(与論島も含む)行った中で、台風接近で海が荒れて入れなかったこともありましたが、直撃をくらったのは、1回だけです。久米島での出来事でした。
  久米島での海の思い出は、あまり憶えていません。
  ホテルのプールにやたらカナブンさんが浮いていて、スタッフさんが毎朝網ですくっていたことと、
  ホテルとビーチの間の道に定食屋さんがあって、友人Aがアバサー(ハリセンボン)汁定食を美味しそうに食べていたことぐらいです。
  最終日、午前中はレンタカーで島内観光して、午後便で帰る予定でした。
台風が近づいていることはニュースで知っていたので、チェックアウト後、空港に様子を見に行きました。
  この時はまだ飛行機は飛んでいたし、お天気も良かったので、私たちはのんきに観光に出かけました。
  そして、飛行機の時間に間に合うように空港へ戻ると…
飛行機は全便欠航になっていました。
  空港ロビーには、臨時のカウンターで男性スタッフさんが1人でお客さんの対応をしていました。
  列にならんで、私たちの番になるとスタッフさんから、空席待ちの整理番号を渡されました。3桁でした。
午前中、あのまま空港で待機すべきだったと後悔しました。
  続けてスタッフさんから、今日の宿泊先を手配しますと言われました。
料金は安いがカードが使えない民宿かカードは使えるけどお値段高めのリゾートホテルかの選択で、私たちは別のリゾートホテルに泊まることにしました。
  紹介されたリゾートホテルでは、今回の料金の説明がありました。
飛行機が1日止まると1割引き、2日止まると2割引きとのことでした。
  宿泊予定のお客さんが来れないので、部屋は空いているようでしてが、 非常時なので、スタッフさんたちもバタバタしているのか、私たちが通された部屋は掃除が入っていなくて、前のお客さんが使ったままでした。
それもかなりとっ散らかっていて
『こんな汚い部屋の使い方する人がいるんだ』と呆れました。
  フロントにお掃除をおねがいして、その間、私とAはロビーにあった将棋をさしてみましたが、ルールを知っている程度の私では、ひまつぶしにもなりませんでした。
  夕食時、私たちは食事付き宿泊でしたが、素泊まりのお客さんもいるようでホテルのレストランで一番安いカレーライスを頼んでいる人もいました。
  その頃には、暴風圏に入っているのか、外は雨風がひどく、夜中には、風の音で寝れないほどでした。
  翌朝は、台風一過の晴天でした。
  ホテルの館内放送で、飛行機の運行開始と整理番号20番までの人は空港に待機するように、と流れました。
  少しすると、第2便の案内で40番まで空港待機、そして第1便に乗れたキャンセル待ちは5番までと館内放送がありました。
  この時、久米島~那覇間は日に6便ぐらいで、飛んでいる飛行機の席数から考えても、このペースでは本日中に順番が回ってくるとは思えませんでした。
  私とA は朝一で各々の職場に欠勤の電話をし、状況を説明しました。
行政で研究職のA は
「明日の会議の準備はやっておくから、無理をせずに帰ってきなさい」と
上司から言われたようですが、万年人手不足の医療従事者である私は
「台風じゃ、仕方がないけど、なるべく早く帰ってきてね!」と言われました。
  第2便に乗れたのも20人位だったので、
「ただ待っていても退屈、今日中には順番まわってこないでしょ」と
Aは水着に着替えてビーチに行ってしまいました。
  私は1人、ホテルロビーで待機していましたが、だんだん空席待ちで乗れた人の数が増えていることに気がつきました。
  そして待機番号が一気に動きました。
臨時便が飛ぶことになったのです。
  慌てて私は、ビーチを一人占めしていたAを呼び戻し、急いで身支度をすると、空港に向かいました。
  空港で臨時カウンターのスタッフさんから航空券を受け取り、私たちは臨時便に無事搭乗できました。
  が、新たな問題が発生しました。
振り替えられた那覇→東京の便に、この飛行機では間に合わないことがわかったのです。
  たぶん、旅行代理店のほうで振り替えたのでしよう。観光に行かずさっさと整理券とっていれば間に合う時間だったのですが
「う~ん…なんだかなぁ…」と思いました。
  到着した那覇空港は、当然、空席待ちのお客さんたちで混雑していて、その日の東京便の空席待ちが目の前で締め切られました。
  旅行代理店のツアーデスクも閉まっていて、私は旅程表にあった那覇での連絡先に電話をしました。
  時間外だったのか、電話に出た人はお留守番程度の人で航空券の振り替えのことを話しても、なんだか要領を得ず、仕方がないのて
「チケットの振り替えは自分たちでなんとかするから、とりあえずどこか今日泊まれるホテルを紹介して!」とお願いしました。
  ホテルを手配してもらった私達は、空港のカウンターで航空券を翌日朝一の便に振り替えてもらいました。
後から良く考えたら、空きがあれば、もっと遅い便でも良かったのですが、あの時はとにかく早く帰りたかったのです。
  沖縄料理屋で夕食をとりながら
「3泊4日が5泊6日になっちゃった」
「これなら、海外旅行とたいして変わらないね」と話しながら
『次は海外かな』と思いました。
  翌日の午前中には羽田に着いたので、午後から出勤できたのですが、仕事は休みました。

  後日談です。
  久米島のシュノーケリングツアーでご一緒したご夫婦とAはメアドの交換をしていました。
  このご夫婦は船便で那覇に戻る予定だったので、欠航が決まると、宿を港に近い民宿にして、飛行機の整理番号も取り、どちらか早く動いた方で帰ろうとしていましたが、元々航空券を持っていないので、整理番号は私たちよりも、ずっと後のほうでした。
  『無事に帰宅できましたか?』と、A が連絡を取ると、無事に帰ってこれたとお返事がありました。
  船の方が飛行機より1日遅れで運行しましたが、那覇からはスムーズに飛行機に乗れたので、結局私たちと同じ日に帰れたとのことでした。


  
  
 
  
  
  

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