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【連載】独裁者の統治する海辺の町にて

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過疎の漁師町がある政治結社組織に統治された。否応なく組織に組み込まれた中橋康雄は少女凛子と組んで親友の神学者登坂士郎を殺害する。組織の統治支配の恐怖のなかで康雄と凛子はどうなるの…
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2023年4月の記事一覧

独裁者の統治する海辺の町にて(13)

独裁者の統治する海辺の町にて(13)

おれは翌朝、アパートに戻ると、凛子がまだ寝ていることを確認し、平良主席の指示通りに九鬼に電話した。5月9日の7時半だ。九鬼はおれが電話に出なかったことを責めた。おれは主席と一緒にいたと告げた。これで察しはつくはずだった。九鬼の主席への猜疑心は増大するのはこっちの思うツボだ。

「まあいい、で、誰だった?」
「安倉次席秘書官です」
「安倉か・・・ふん・・・できてたってわけか」
「はい、意外でした」 

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