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濃いいの下さいⅡ

 今回は時間にも余裕があったので血小板献血で予約していた。10時の予約にしたので、遅くても午前中で終わるだろうと思った。
 血液検査の採血も針を刺すと同時にぴゅうと注射器いっぱいになった。
 成分的にも、血管の太さ?的にも私は優等生らしく、検査の結果、案の定「濃いいのとらせてもらってもいいですか?」と言われた。
 昨夜の睡眠時間が少ないのが少し気になったが、別段体調も悪くないし、そうお願いされたら断る術もない。
 二年ほど前に、濃いい血小板の献血をした時に、普通よりも少し時間がかかっている記録が残っているらしく、「今日は大丈夫ですか?」と心配された。
 「あぁそれがあの体調が悪くなったときのやつやな」と思ったが、そんなことを言われれば余計に断れなくなって、意地でもやってやるぞくらいの気持ちになった。人の心なんてそんなもんやから始末が悪い。
 「あぁ、あのときは寒くてね、毛布かけてもらったけどちょっとあかんかったなぁ、今日は大丈夫やで❗」
 強がりともなんともよくわからない事を言いながら、後には退けない変なプライドのようなものに操られているようだった。
 結局「濃いいの」を献血した。
 毛布を二枚かけてもらって暖かい飲み物ももらって、今回はなんとか無事終了した。
 献血センターの方にひとつお願い。
 室温をもう少し上げてもらえないだろうか。
 忙しそうに動き回っている看護師さん達にとってはちょうど良いのかもしれないが、身動きせずにじ~として一時間以上血を抜かれている身にとってはこの寒さはない。
 だから血流が悪くなって余計に時間がかかってしまうのではないか。
 手にカイロを握らせてもらったり、毛布をかけてもらったり、暖かいのみものを持ってきてもらったり、ホントにいろいろお世話してくれて感謝しているのだが、実はそんなことよりも、室温を少し上げるだけですべて解決するような気がするんだけとね。

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