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コミュニティと学校の違い

以前、あるIT系のイベントに参加した際に、コミュニティと学校の違いについて感じたことがありました。
今回はその違いについての話です。
コミュニティにもいろいろなタイプがあり、地域でのコミュニティや、ゆるいつながりを目的としたコミュニティもあるかと思います。
今回話したい内容のコミュニティは、オンラインサロンや、ビジネスや学びに関するテーマで集まったコミュニティに焦点を当てています。

コミュニティと学校の違いは、そこの属している人が「成長の場」と捉えているか「教育の場」と捉えているかだと感じます。
コミュニティに属している人は、コミュニティを「成長の場」と捉えている人が多く、学校に所属している人は、学校を「教育の場」と捉えている人が多いのではないでしょうか。

成長の場と捉えるか、教育の場と捉えるかは似ているようにも感じますが、大きな違いはスピード感です。
コミュニティはとにかくスピードが速く、教育ではコミュニティに比べるとスピード感は遅くなります。
コミュニティは、そこに参加している人は自分の意思で参加していることがほとんどです。
そのため、成長するためには自分から行動を起こす必要があると考える人が多いです。
一方で教育の場では、教育してもらえる、という受け身の姿勢でいる人の割合が多くなります。

私は新人研修の講師の仕事をしていますが、新人研修は基本的に教育の場です。
教育の場では、講義をするときは、基本的にレベルが下の人に合わせて進めていきます。
レベルが上の人には、できない人のサポートをしてもらったり、応用問題や追加課題を与えて対応します。
教育ではレベルが下の人に重点を置いたスピード感になるため、レベルが上の人からするとどうしてもスピードは遅く感じてしまいます。

一方でコミュニティでは、基本的にはレベルが下の人に合わせることはしません。
参加者は自発的に参加したいと思って参加している人達ばかりです。
そのため、例えば勉強会などを開催してついてこれていない人がいても、その人は自発的に行動して成長しようとします。
誰かが教えてくれる、と周りに期待することなく、自分から行動して様々なことを吸収していく人が多いです。

コミュニティで勉強会を主催したり、何か情報を発信するときには、全体のレベル感を見て下のレベルに合わせて発言する必要がないため、スピード感がある対話ができます。

「学校は教育の場」とひとくくりに話してしまいましたが、学校の種類によっても「教育の場」なのか「成長の場」なのかは変わってくるでしょう。
小学校や中学校は、義務教育と呼ばれるくらいなので、完全に「教育の場」として存在します。
高校は義務教育ではないので微妙なところですが、日本の高校は中学の延長のような要素が強いので、「教育」の要素が強いように思います。
大学は、行きたい大学や受けたい授業をほぼ自分の意思で選択することができるため、コミュニティの要素が強いように思います。
教えている側も、高校までは下のレベルに合わせて教えることが多いかと思いますが、大学では教わる側のレベル感は気にしないで講義をする人が多いでしょう。

新人研修で来る新入社員は、入社した企業から研修に参加させられているわけで、自分の意思で研修に参加しているわけではありません。
企業の要望としても、下のレベルの人達のボトムアップに重点を置いている場合が多いです。
そのため、どうしても教育の要素が強くなります。
しかし、教えている側としては、全体を大きくレベルアップさせるためにはコミュニティのようなスピード感で講義をしていくのが理想です。
研修ではもちろん、理解の浅い人への対策や、モチベーションのサポートなど、手厚いフォローをしていくことは確実に必要ではあります。
そのためバランスは難しいところがありますが、参加者全員が自発的に成長するための行動がとれる、コミュニティのような空気感になれば、それだけで大きな変化があるように思います。

教育の場でどれだけコミュニティのような空気感を作れるかどうかが、これからの教育の場において重要になってくるのではないかと感じています。

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