2013年から計測をしている私の睡眠状態を眺めてみました Vol.3
私は、活動量計を使って8年間自分の睡眠を計測し続けています。
Vol.2からの続きとはなりますが、季節によって睡眠状態に違いがあるかを見ていきたいと思います。
今回は季節による睡眠効率について見てみましょう。
前回の記事はこちら:
2013年から計測をしている私の睡眠状態を眺めてみました Vol.2
https://note.com/kisseicomtec_bi/n/n7d65b7766708
(文 : 睡眠関係営業担当 T )
はじめに
弊社製品には、SleepSign-Actという体動の大小から睡眠状態を推定するソフトウェアがあります。
以下のように、就床時刻・起床時刻・その間の睡眠/中途覚醒を推定します。
このソフトウェアを使って、睡眠効率と季節の関係性に着目してみました。
睡眠効率とは
睡眠効率とは、簡単に言いますと、床に就いていた時間のうちの眠っていた時間の割合です。
式で表すと、下記のようになります。
睡眠効率(SE)= 総睡眠時間(TST)÷ 総就床時間(TIB)
睡眠効率は下記の様な特徴があると、高くなります。
・寝つきがいい
・中途覚醒が少ない(途中で起きることが少ない)
・寝起きがいい
「睡眠効率がよければ良い睡眠」と言い切ることはできません。
ただ、一般的には睡眠効率が良いことは、よく眠れているかどうかの指標の一つになります。
私の全体の睡眠効率は90%前後となっております。
ちなみに睡眠時無呼吸症候群の社員では、CPAP治療前が74.6%、CPAP治療後が88.2%となっていました。
(睡眠時無呼吸症候群の社員の記事はこちら)
睡眠効率と最低気温の比較
前回、最低気温に着目した際、夏の方が寝返りが多いという結果が出ていました。
(前回の記事はこちら)
はたして睡眠効率に影響は出ているのでしょうか。
こちらが毎月の「最低気温と睡眠効率を重ねたグラフ」です。
赤で囲んだ部分をみると、なんとなく気温と効率が逆相関しているように見えます。
(温度が高いと効率が悪くなり、温度が低いと効率がよくなる。)
一方で緑で囲んだ部分ではそれほど相関しているようには見えません。
それでは、散布図を見てみましょう。
やはり、気温が高くなると睡眠効率が下がる傾向はありますが、思ったほど顕著なものではありませんでした。
先に述べた、緑色部分が影響しているのでしょうか。
2年ごとの睡眠効率と最低気温の比較
そこで、赤枠は大体2年間なので、2年ごとに区切って睡眠効率と最低気温を散布図にしてみました。
●赤枠部分 - 散布図
●緑枠部分 - 散布図
やはり、赤枠部分(2013年8月~2015年7月と2019年8月~2021年9月)は、最低気温が高いほど睡眠効率が低い傾向が見れますが、緑枠部分(2015年8月~2019年7月)はそれほどの傾向を見ることができません。
この原因について、日毎の気温の変化やその時期の出来事等いろいろな角度で検証してみましたが、いまいち納得のいく説明はできませんでした。
ただ、
●赤枠部分 - 散布図の左グラフ:2013年8月~2015年7月
●緑枠部分 - 散布図の左グラフ:2017年8月~2019年7月
を重ねてみると、下記の図のようになります。
こうしてみてみると、相関が見えない原因としては2017年8月~2019年7月の間で気温が高くなっても睡眠効率が高いまま維持していることが原因であるとわかります。
この時の夏は何か快眠できている要因があったのでしょうか...。
まとめ
以上から考えますと、「季節の変化だけが睡眠効率に直結する」とは言い難い結果となりました。
前回寝返りの回数(姿勢変更回数)に変化を与えていたため、中途覚醒時間と関係し、睡眠効率との相関も見られるかと思いましたが...なかなかうまくいかないですね。
そこで次は、睡眠効率に影響を与える
・中途覚醒時間
・睡眠潜時(布団に入ってから寝つくまでの時間)
・離床潜時(目が覚めて、布団から出る時間)
のもう少し細かい値について検討してみたいと考えております。
長年自分の睡眠を記録していると、興味深いことがたくさん出てきますね。
引き続き、色々な視点から自分の睡眠について掘り下げていこうと思いますので、もし何かご要望やアイディア等ございましたら教えていただけますと嬉しいです。
今回計測に使ったシステム
睡眠/覚醒リズム研究用プログラム SleepSign-Act
https://www.kicnet.co.jp/solutions/biosignal/humans/sleep/sleepsignact/
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