長野の昭和民家のセルフリノベーションの記録です。

長野県塩尻市木曽平沢。ここは木曽路の北端の旧楢川村という所にある、標高900mの集落。漆職人さんが多く住む漆工町として国の重要伝統的建造物群保存地区にも選定されています。街を歩くと多くの漆器店があり、古くから手仕事が盛んだった地域としての佇まいを楽しめます。

さて、このブログの管理人の二人は、この木曽平沢の空き家を2020年3月に購入しました。昭和30年に竣工した築65年の民家に住みながら、少しずつ現代の暮らしに適した形になおしていく過程を、ブログとして記録していきます。

どんなことに取り組んでいるかというと、古い家を現代の暮らしに即した形にリノベーションすること。そしてそれをセルフで実施するというとこに特徴があります。

伝統的建造物群保存地区とは、街並みとしての価値が評価された文化財です。街並みを形成する道に面したいわゆる「オモテ」空間と、それを支える主要構造物を守る制度です。その為、実は、内部空間の利用方法には自由度があるんです。

古いものを継承するに古いままで使う、というのも一つの解ですが、それゆえに、現代の生活の利便性と切り離されてしまい、空き家として緩やかに建物の耐久性が落ちていってしまう例も多くみられます。建物は、日常的に使って、風を通してあげた方が長く持ちます。だから、昔の間取りから変わってしまっても、現代でも負担やストレスなく暮らせるように改修してあげて、長く使うようにする。そんなことを考えています。

そしてもう一つの試みです。

大きな予算をガッとかけて一気に改修するという、いわゆる中古住宅のリノベーションでなく、大工さんに頼まず自分たちでできることをコツコツと重ねていくセルフリノベーションによる改修、という実験でもあります。少ない予算で住宅を購入し、自ら手を加えていくことで、自分の暮らしを自分で作っていく。そんな挑戦でもあります。

守るべき文化や暮らしの蓄積を大切にしつつ、現代に適した形へとシフトチェンジすることで、結果としてずっと長く使えるような暮らしの強度のある建築となることを目指しています。

そんな作業の記録を、不定期に。

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