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東ティモール主権回復20周年記念シンポジウム を2022年5月21日(土)開催します。

5月21日(土)上智大学構内で開催する予定の東ティモールフェスタの一環として催される「主権回復20周年記念シンポジウム」に登壇することになりました。光栄です。

東ティモールフェスは、5月14日のプレイベント、映画「カンタ!ティモール」や「ベアトリスの戦争」のオンライン視聴、21日当日の食べ物、体験コーナー等々、いろいろあるのでぜひ下のリンクをチェックしてみてください。中高生、大学生、一般の方誰でも歓迎だと主催者も言っているので、宣伝していただけるとうれしいです。


↑不肖私の登壇させて頂くシンポジウムは、「主権回復を問い直す」という問題提起的なタイトルになっており、登壇者のラインナップも多彩なので、面白いと思います。東ティモールをよく知らない人・東南アジア研究に関わっている人、どちらでも楽しんでいただける内容にしようと思っています。主催者からの説明はこちら↓

ロシアによるウクライナ軍事侵攻の市民への被害拡大と戦争の拡大が心配されている現在、1975年のインドネシアによる東ティモール軍事侵攻、そして2002年の東ティモールの「独立=主権回復」の世界史的な意味について、改めて考えてみたいと思っています。
2022年は東ティモールの「主権回復」からちょうど20年です。
国連暫定行政を経て正式独立となった2002年を、東ティモールの「主権回復」の年とする認識は、内戦に勝利した政党フレテリンによって1975年、すでに東ティモールの独立が宣言されたことを根拠としています。ですが、戦争という暴力により勝利した一政党の独立宣言を認めることには反対の声も多数ありました。
20世紀は、ナショナリズムが反植民地主義の正当なイデオロギーであり続けた一方、暴力の源泉であることが明らかになった時代でもありました。そのため、2002年の「主権回復」の際、インドネシア支配からの解放を歓迎する一方、21世紀においてもナショナリズムというかたちでしか正義の実現を示すことができなかったことに、居心地の悪さも感じました。
コロナ禍と大国の覇権主義は、新たな冷戦の時代の幕開けとも言われています。他方でトランスナショナルな市民意識はけっして後退しているようには思えません。
このシンポジウムでは、世界史的転換期を迎えた2022年に、東ティモールの「主権回復」は何を意味していたのか、あらためて問い直すことには重要な意義があるのではないかと考えております。「2002年の<主権回復>とは何であったか」という大きな問いの中で、東ティモールの独立にはどのような意味があったのか、「歴史」「国際関係」「言語」「宗教」「民族」などの視点から問い直したいと思います。
20年――いまの大学生の皆さんはちょうど2002年前後に生まれた人たちです。このシンポジウムでは、そうした大学生の皆さんや、東ティモールのことをよく知らない多くの皆さんに、東ティモールの歴史、文化について理解を深めてもらいたいと思っています。当時、アジアの小さな島で起こった戦争は、国際政治においてどのような意味を持っていたのか。四国ほどの小さな島が東西で別々の国になったのはどうしてなのか。インドネシアはどのような意図を持ち東ティモールに軍事侵攻し、24年に及ぶ支配を実行したのか。正式独立から20年たった現在地から、東ティモールという国の成り立ちについて再確認することを通じて、戦争とナショナリズムについて様々な角度から再考してみたいと思います。

上智大学アジア文化研究所
福武慎太郎

https://dept.sophia.ac.jp/is/iac/news/docs/news20220427_517085423.html?fbclid=IwAR1tO8wYKyKPsSIWkvQOLMkncnJ5F-3n2X_wCQ2W1dlUKgnm8ZOovSidxA8

このシンポジウム以外にも、東ティモールフェスでは、東ティモールの現代史や政治などに関するイベントがあります。例えば、ティモール人の人権活動家によるここ20年間の振り返りがあったり↓

東ティモール独立運動への日本からの連帯運動に関して松野明久先生などが登壇されるオンラインセッション(14日)もあります。

それから、「ベアトリスの戦争」という映画を公開するようです。参加登録すれば、無料で見られるはず↓ この映画に関しては、私個人としては評価しつつちょっと批判的だったりするんですが、とりあえず観てみてください。(観ないより、観たほうがいいです。)

今日はとりあえずこの辺にしておきます。ではでは。

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