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ソーダ水の向こう 神奈川県立近代美術館 葉山館

多分今日なら大丈夫そう。
R134を東へ走る。
いつも混雑してうんざりの七里ヶ浜のカレー屋の前も、ほぼ滞りなく通過。
休日は、このルートは走らないのが鉄則。
これなら会館前に間に合うだろう。

江ノ島、由比ヶ浜、材木座、逗子海岸と人手はまだ少なめ。
平日朝の海岸は、ほぼローカルな人々の時間帯。
信号待ちで、風に揺れるカラフルな海の家のパラソルが目に映るが、映像をみているようで、自分とは無縁な世界だな。と思う。

渚橋交差点を過ぎると、道が細くなる。
バスが来るとすれ違いに注意が必要だ。今日は、まだ慣れない大きめの車だった。
葉山マリーナ、森戸海岸を過ぎ、程なくして現地到着。

神奈川県立美術館 葉山館

今日は、まずはここのレストランで、朝のお茶が飲みたかった。眺望の良い人気のレストランだから平日でもランチの時間は混雑して待たなくてはならない。待つのは、好きではないので、平日真夏の朝イチなら、と思い、この時間にした。

海に突き出たレストラン

テラス先端席には、先約がいたが、二番目の席でソーダ水を頼む。
波の音と、蝉の音。時折、トンビの泣き声。
そこには、環境音しかない。目の前にも電線ひとつない。完璧な空間。
目の前を青色のアゲハチョウがヒラヒラと舞う。

相模湾の波は、場所によって様々だが、葉山のこの辺りの波が好きだ。
子供の頃、夏休みを過ごしていた瀬戸内の緩やかな波を思い出させる。
眼下の海が木々に隠れて見えないからこそ、遠い記憶を呼び起こされる。
あっという間にソーダ水を飲み干し、カラカラと氷の音を楽しむ。

テラス席にて

美術館は、大体は展覧会目的に訪れる。しかし、ここは展覧会が主たる目的で無くてもカフェのように行きたくなる場所だ。
人の少ない平日の展示室で、他に惑わされる事なく作品と向き合えることができ、程よい集中とリラックスのバランスがなんとも心地よいのだ。
展示会への期待や下調べなしにフラッと立ち寄り、ひとつでも心が動く作品に出会うと一日充実した気分になる。
また、美術館からの景色やレストラン、カフェもとても大事。
近郊でのお気に入りは、箱根のポーラ美術館と東京都庭園美術館。

今日は、『アレック・ソス』の写真展。
モノクロとカラーが合わせて展示されていたグレーの展示室の作品が好きになった。

Alec Soth 展

帰りは、いつも通り、美術館の外を散策。
浜木綿(ハマユウ)が上を向いて元気に夏を楽しんでいる。

浜木綿

裏庭の彫刻。
この2点は、別の作品なのかどうかわからないが、セットにしてみるのもいい。

今日の撮影もGRⅢ

駐車場脇に見たことのない、ハイビスカスのような花木を見つける。
浜朴(ハマボウ)という花らしい。
今日もまた、私の植物図鑑がまた増えた。

ハマボウの花

駐車場を出る際に『新五百円硬貨』しか所持せず、出られなり、後ろの車両に迷惑をかけながら一旦引き返す事になる。

優雅な1日が、少しカッコ悪くなってしまったが、そんなこともある。
さて、また渚をドライブして帰ろう。

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