マガジンのカバー画像

時間旅行

40
アンティーク、珈琲、レトロな喫茶店、クラシック建築など。心地よい時間の過ごし方、古くて美しきものへの時間旅行
運営しているクリエイター

#写真

短い夏の時間旅行 NIKKO KANAYA HOTEL

暑中お見舞い申し上げます。 さて、今年も日光金谷ホテルにてランチをいただいてきました。 昨年の記事はこちら。 前回は、車移動でしたが、今回は電車利用です。 しかも、神奈川西部より日光日帰り。 一体、なんの電車に乗ればいいのやらと調べたら、東武特急、JR新幹線、JR特急と3つの方法があります。余計に迷ってしまいました。 そして今回は時間の制約があり、東武特急を選択しました。料金も一番安かったと思います。 東武特急乗り換えの北千住駅へ行くために、上野から途中初めての常磐線に乗

京都 蚤の市とレトロな旅

久々の京都です。 旅は、身軽にスマートに。 小さいカメラを鞄に入れて手荷物の少ない日帰りが好きだ。 関東からだと朝早いことだけ目を瞑れば、午前9時には京都駅に到着。 今回は、京都通の友人のアテンドによる『平安蚤の市』をメインにレトロな旅を企画した。 地下鉄メインの東京都は違い、京都を効率よく巡るには『バス』が最適だそうで、まず到着したら『地下鉄・バス一日券1100円』を購入するようにとの指示があった。 しょっぱなから新幹線の出口を間違え、バス乗り場まで地下通路で迷った。し

楕円の曲線美 松濤美術館

休みなくその『谷』に多くの人が往来し、空気も澱んだこの場所を通過することを考えただけで気分が重くなる。 半分息を止めたかのような感じで、勢いつけて人の海を掻き分けながら交差点を渡る。 風渡る郊外での仕事や暮らしが長くなると、若い頃は『胸躍る街』も今となっては『とにかくこの場から離れたい』という場所になってしまった。 『人混み嫌だなあ、遠いな』と思いながらも年に何度かはコンサートやギャラリーに訪れていた『東急Bunkamura』も改修工事に入り、時代の移り変わりを感じる。

暮れの断捨離と静物写真

クリスマスが過ぎたら、坂道を転がるように日々過ぎていった。 今年は、本格的な正月花もいける気がせず、鏡餅も用意していない。 今日で2022年が終わる。 今年は、何かにつけて『終わり』を意識しながら仕事をしてきたように思う。特に後半は、これまで関わってきた様々なことについて取捨選択し、自分の中で一旦ケジメをつけたくなった。 真っ白になって新年を迎えたい、という気持ちの現れであろうが、その『何か』は全く見えにまま、時間は過ぎてゆく。 そんな暮れも迫った中、八百屋さんで美しい『

KITTEのクリスマスツリー

段々と色々な物事を片付けて行き、ようやく今年の終わりも見えてきた。 気持ちも段々と軽くなってゆく。 でも、何か忘れていたような。 KITTEのクリスマスツリー。 Tokyoには、綺麗なイルミネーションやキラキラのクリスマスツリーが街中に溢れ、勿論全部の比較はできないけれど、私の好きなクリスマスツリーは丸の内KITTEのクリスマスツリー。 どうしてかというと、素材に生のモミの木だったり、和紙などの自然素材を使っているから。 大きな装飾を自然素材で長い期間キープするのは難しい

国立を訪ねて

先週、旧友と母校のある街を久しぶりに訪ねた。 『是非次はここで会おう』と決めていた。しかし、ここ数年の騒動でついに〇〇周年の今年まで延び延びとなってしまった。自宅から電車を乗り続いて、約2時間の道のり。隣の県なのにこんなにも遠いなんて。 新しいJRの駅はかつての長閑な趣はなく、高架工事で刷新されてしまったが、旧国立駅舎は駅の外に解体された後再築された。現在は『国立市指定有形文化財』となり、駅ピアノなども置かれ、行き交う人々のちょっとした憩いのスペースになっている。 大正1

遅れて届いた夏からの手紙

9月から別荘の改装が始まり週末忙しく、また12月までの仕事やイベントのスケジュール組みで気持ちも急ぐ今日この頃。 noteに書きたい事も溜まってきているので、夏休みの宿題のようにややプレッシャーを感じつつも、『いやいやnoteはそんなつもりで頑張らないから』と言い聞かせて、ボチボチ順に言葉にして行くことにする。 さて、夏に撮ったフイルム写真の現像が戻ってきた。 夏からの手紙が遅れて届いたようで、セーターを着ている今になって写真を見返すと、やや痛々しく、胸がキュンとする。

癒しの森の美術館 POLA MUSEUM OF ART

8月は、暑すぎて、仕事も辛かった。 行きたかったところ、やりたかったことも殆ど手につかず、楽しかった思い出は、7月でプッツリ途絶え、今思い起こせば何をしていたかも覚えていない。フィルムカメラのロールも止まったまま。 さあ、9月。活動開始だ。 早朝からR134から西湘バイパス経由、箱根方面向かう。 海の色も夏の煤けた水色から、少し澄んだ緑味を帯びた色に変わっている。 夏休みも終わった週末は渋滞もなく、快適なスピードで蛇行するR1を登る。 流れる車窓からは、夏の名残の百日紅の

ホテルニューグランド the cafe 回想録

港の丘公園、外人墓地、元町、山下公園は、横浜で一番好きな場所で、上京してまず初めに尋ねた場所である。 開発の進む『みなとみらい』地区もいいけれど少し疲れる。 やはりここが原点なのか、一番落ち着く。あれからもう随分経った。 今でも時折、港の見える丘公園を訪ね、少しづつ変わりゆく横浜を見ながら、街も自分も定点観測している。 クラシックホテルの代表格、ホテルニューグランドへは、それから少し大人になってから伺うようになった。 旧館の照明や壁、床のディテール、歴史を感じる重厚でオリ

夏色の伊豆旅

昨日の仕事の疲れを引き摺ったまま、車に乗り込む。 元気すぎるラジオDJがやや耳障り。そんなに朝から頑張らなくても、と思う。クラシックが聴きたいが、わざわざオーディオを操作する意欲も無い。箱根越え後、三島の街が一望に見下ろせる頃、ようやくじんわり意識が戻ってくるのがわかった。低体温低血圧気味だからよくある事だ。 いつも友人の下田の家へは、東伊豆から向かうが、今日は友人の家を訪ねる前に、西伊豆で一つ目的があった。 まずは一息、月ヶ瀬ICに寄る。 駐車した隣のワゴンには、浮き輪

7月の古民家だより 大蒜の収穫

約4年前。友人の畑で何を育てる?となった時、 やや遠方なので1ヶ月に一度のペースでしか通えないことや、夜には猪や鹿が住民よりも多くなる地域なので、被害にあいそうにない植物を選ぼう、ということになり、地味な大蒜を選んだ。 この選択は、間違っていなかったようで、流石に猪さんも鹿さんも手を付けなかった。 初めての大蒜の植え付けの際、畑仕事が初めての仲間もおり、折角立ち上げた畝の低い方に、種大蒜を植える始末。 未だに、語り草になっている。 今年も梅の収穫と合わせ、大蒜も無事収穫で

空が近い場所 麗しのビーナスライン

長い長いトンネル渋滞を抜けて、向う先はビーナスライン。 まだ6月なのに梅雨は突然去ってしまった。 今日は猛暑になりそうだ。 諏訪南ICで降りて、蓼科高原、白樺湖方面へ進む。 インターを降りてすぐは、なだらかな傾斜地に畑が広がる。 民家の庭先の花は、高地で寒暖差があるせいか、色鮮やかだ。 夏を過ごす場所なら、こんな場所がいいと思った。 ビーナスのような美しい輪郭のカーブを辿りながら、赤松から唐松、白樺と林道の木々は変化してゆき、車はグングン上がっていく。 柔らかな稜線の山々

手のひらで感じる時間

古いモノを見たり、収集することがいつしか趣味になり、初期の頃は有田焼から鍋島焼、印判皿、豆皿集め、という、カメラの『レンズ沼』と同じの陶器の『沼』にはまりかけた。 ある時、『こんなに使わない数持っていて先々どうするの?』とハッとなり、このままだと収集も収拾がつかなくなりそうだったので、模様は『浜千鳥』に限定、鍋島焼のいいものを最終的に一点手に入れて、一旦休止とした。 その後は、仕事でもある花をいけるために使えそうな『古道具』収集に移行していった。いわゆる『見立てる』という

初夏の空 御殿場とらや工房

晴れた初夏の日 雲間から溢れた空がずいぶん青かった。 フロントガラスには、青紅葉のプロペラ。 茅葺の屋根から青紅葉と竹林を望む。 鳥とカエルの鳴き声と深い緑の場所にて深呼吸。 緑をいただく、短い旅。