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ホテルニューグランド the cafe 回想録

港の丘公園、外人墓地、元町、山下公園は、横浜で一番好きな場所で、上京してまず初めに尋ねた場所である。
開発の進む『みなとみらい』地区もいいけれど少し疲れる。
やはりここが原点なのか、一番落ち着く。あれからもう随分経った。
今でも時折、港の見える丘公園を訪ね、少しづつ変わりゆく横浜を見ながら、街も自分も定点観測している。


クラシックホテルの代表格、ホテルニューグランドへは、それから少し大人になってから伺うようになった。

夕暮れ時がいいんです。

旧館の照明や壁、床のディテール、歴史を感じる重厚でオリエンタルな雰囲気の内装は、時間が止まったよう。いつ行っても同じに迎えてくれる、落ち着けるホテルだ。素敵なところをあげるとキリがないので今日は一枚だけ。

2Fのラウンジ 少しクールダウンしたい時に。
LeicaM4 / summaron 35mm / Kodak Portra400

ニューグランドのレストランでは、食事や喫茶で、様々な時間を過ごしてきた。中には、レストランやカフェがいくつかあるが、今日は the cafe のメニューの回想録とする。


満腹シーフードドリア 編

年の暮れも差し迫った数年前の12月末。旧友が訪ねてきた。横浜のみなとみらいに宿泊するという。
オフコースの『秋の気配』で、いまだにつながっている私たちは、まずはさておき『港の見える丘公園』へ行き、お互いがそれぞれ過ごしてきた時間を確認した後、日暮れの早い冬の坂を降りて、ニューグランドの the cafe へ向かった。

 the cafe 夜の照明も素敵

年末の平日夕方とあって、いつもは賑わっているレストランも流石に空いていた。
その時はもう寒かったから、迷わずシーフードドリアをそれぞれ注文。
程なくして運ばれてきたシーフードドリアをいただく。
やはり、ホテルのクリームソースは絶品。海老もゴロゴロと次々出てくる。
『流石、元祖。家ではなかなかこの味は出せないわね。』

途中から、『むむむ、苦しい』と二人で苦笑しながらも平らげた。
『多分、これは一皿を半分でよかったね』と。

※  シーフードドリア、ナポリタン、プリンアラモードは、こちらホテルの発祥の三大メニュー。詳しくは、ホテルのホームページをご覧ください。

プリンアラモードの気分 編

暫く外出制限が続いていてもう、限界。外人墓地から元町のストリート写真を撮りに行った帰り、the cafeに寄る。
その日は写真を撮るのも目的だったが、もう出発前からお口の中は『プリンアラモード』だった。

眺めの良い出窓のある席に案内された。
水、メニュー、『マスク入れ』まで、とても丁寧な接客で運ばれてきた。
メニューを開きプリンアラモードの写真を見るとお決まりの『林檎のウサギさんカット』が載っている。そうだ忘れていた。。。
半年前から急に『林檎アレルギー』が出てしまって、ああ残念。
ホールの方に相談したら、他のフルーツでその部分を替えてくれるという。通りを眺めながら、どうなるかと待つこと数分。

プリンアラモード
LeicaM4 / summaron 35mm / Kodak Tri-x 400

ノスタルジックなカットの美しいプリンアラモードグラスの上は、緑のキウイフルーツの折り重なりとなり、少し色寂しいプリンアラモードとなった。
その時ライカに付けていたフィルムもモノクロだったからこんな写真となる。

やはり、プリンアラモードにおける『林檎のウサギさんカット』の重要性がわかる。次回は、残しててでも載せようと心に誓うのであった。

勿論味は、抜群。シーフードドリア同様、クリームの質がよいから、とろける食感で後々もたつかない。

ハーフサイズのチョコレートパフェ 編

晴れた秋の日、写真仲間のお誕生日だから撮影の帰りにthe cafeに寄った。
この友人とは会う時は、大体『パフェを食べましょう』となっている。

お決まりのメニューが運ばれてきた。
『マロンケーキもいいけどやはりパフェかな。』
パフェの写真を見るなり『大きいねー。ちょっと無理かも』と二人で苦笑した。メニューをよく読んでみると、『チョコレートパフェのハーフサイズがあります』を発見。迷わず、二人ともオーダーした。

ハーフサイズのチョコレートパフェ / GRⅢ撮影

写真の通り、『ちょうど良い』サイズのパフェがコーヒーと共に運ばれてきた。『よかったね』とお決まりの写真を撮りをしながら『アイスが溶けるよ』と楽しんでいると、向かいの席に若い男性が一人。

彼の前には普通サイズの長いグラスでチョコレートパフェが運ばれてきた。
満足そうに細長いスプーンでパフェを掘り進めている。

『ホテルのカフェでパフェを一人で食べている男性はなかなか見ないわね。』『いやいや甘党の男性もいるから。』と余計な会話をしならがら、ハーフサイズでよかったと改めて思った。


同じカフェ、メニューをとってもその時々でドラマがあり、思い出になるもの。
まだまだ、定点観測は続けて行きたいと思っている。

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