タカシクエスト 第8章
タカシクエスト 第8章
朝9時。また憂鬱な1日が始まる。
周囲は、柵に囲まれている。
そして、目の前には岩で出来た山がある。
俺は、猿だ。
上野ジャスティス動物園には、毎日多くのお客さんが来園する。
そして、毎日9時から18時までの9時間、俺はそのお客さんの前で姿を見せなければならない。
猿として生まれたからの宿命。
朝夕の食事が保障される反面、制限のある生活を強いられる。
毎日毎日同じことの繰り返し…。
はぁ…。辛いわ…。
ああ、一度でいいから、人間になりてえな…。
その日、ぼくの保育園は遠足で、上野ジャスティス動物園に行きました。
ライオンさん、パンダさん、キリンさん、おさるさんを見ました。
中でもおさるさんは面白かったです。
ぼくがおさるさんの柵の前で、「わぁー、おさるさんだー、おさるさんって食べたらおいしいのかなー」って言ったら、友人のケイスケ君が、「せんせー、またたかし君が変なこと言ってまーす」と先生に報告した所が面白かったです。
あと、一匹のおさるさんがぼくをガン見したのも面白かったです。
ん…この子の匂いどこかでかいだことがあるな。
オラに力(お金)を分けてくれ~。