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私がスポーツに『投げ銭』をしない3つの理由

Jリーグが、『投げ銭』の導入を検討しているという報道が出た。

その後、村井チェアマンが報道内容を否定する事態となったが、今注目のワードであることには違いない。


そもそも『投げ銭』とは、ウィキペディアによると

・大道芸やストリートミュージシャンのような、何らかのパフォーマンスをする人への称賛を兼ねた少額の金銭の投げ入れを行う行為の事。似た用語に、金銭を紙に包んで渡した「おひねり」。
・転じて、インターネット上におけるユーザーの任意の金銭(およびそれに該当するギフト)提供及びそのサービスの名称。直接的な金銭提供から、運営サービスのコンテンツ利用のポイントで提供する形がある。報酬型は直接集計からの提供と、原資からの提供が主流。

という説明がされているが、私は、海外のチップ文化のようなものだと考えている。

『投げ銭』の文化は、ライブ配信サービスにおいては定着しているし、Jリーグをはじめとするスポーツの世界でも、それが取り入れられることについては、新たな収入源の可能性として好意的に捉えている。

しかし、なぜだろうか。

自分では、スポーツに対して『投げ銭』をしたいとは思わない。

今日は、その理由について考えたことを書きたい。

1 『投げ銭』の相場がわからない。

1つ目は、『投げ銭』の相場について。

前述したとおり、私は『投げ銭』を『チップ』≒サービスの対価としての心づけという捉え方をしている。

世間的には『投げ銭』を『寄付』だという捉え方もされているようだが、

私の中での『寄付』とは、災害に遭った人や助けを必要とする人に対して、『支援』するという意味合いが強く、『寄付』よりも『チップ』のほうがしっくりくる。

そして、私にはチップの習慣がない。

チップ文化がある欧米圏に何度か行ったことがあるが、正直、あんまり理解できなかった。

何をしてもらった時に、いくら払えば良いかがわからなかったのだ。

つまり、対価の相場がわからないということ。

『投げ銭』も同じで、どういう行為に対して、いくら払ったらいいのかわからない。

相場がわからないものにお金を支払うのは抵抗がある。だから、『投げ銭』に消極的なのかもしれない。

2 『投げ銭』の対価がわからない。

2つ目は、『投げ銭』の対価について。

Bリーグなどが見られるバスケ動画配信アプリのバスケットLIVEを使用されたことがある方ならご存じだと思うが、このアプリの中には、『応援機能』という『投げ銭』に近いサービスがある。

選手やクラブを応援して、応援の証である『ファイア』という単位を競うものだ。


『ファイア』は、1試合ごとにチーム別及び選手別でスコアされ、勝敗やランキングという形で可視化される。

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1日一定回数までは無料で『ファイア』を送ることができるが、より多くの『ファイア』を送るためには、『バスケットLIVE コイン』を購入する必要がある。

ただし、どれだけコインを購入して『投げ銭』しても、プレゼントがもらえるといったような特典の提供は一切ないシステムになっている。

私がひっかかったのは、このシステムについて。

特典がないのであれば、『投げ銭』の対価はいったいなんだろうか。

無料サービスならお礼に『投げ銭』をするという感覚も理解できるのだが、バスケットLIVEは有料サービスである。

試合を見るというサービスへの対価としては、すでに月額料金を支払っている(注1)ので、ちょっと違う気がする。

もしかすると、『投げ銭』に対価を求めること自体が間違いなのかもしれないが、『投げ銭』の対価がわからないので、したいと思えないのである。

(注1)偉そうに支払っていると書きましたが、バスケットLIVEはYahoo!プレミアム会員の特典の1つとして、月額462円(税別)で提供されているので、お得どころか安すぎるという感覚ではあります。ちなみに、ソフトバンクかワイモバイルのスマホを契約している人なら無料です。

3 『投げ銭』以外にもスポーツを『支援』する方法はある。

3つ目は、『支援』という観点で『投げ銭』を見た時の問題点について。

スポーツ界は、新型コロナウィルスの影響により、危機を迎えているのは間違いない。そういう意味では、スポーツを愛するものとして、何かしらの『支援』はしたいと思う。

ただ、数ある支援の方法の中で、『投げ銭』が最適な選択肢かどうかは疑問だ。

例えば、贔屓のクラブが消滅の危機を迎えているのであれば、存続のために寄付をしたい。ただし、『投げ銭』だと、せっかくお金が集まっても少なからず手数料が発生する。一番効率よくクラブにお金を届けるためには、クラブが作る寄付金口座への振込ではないか。

また、何かに賛同して支援をしたい場合は、『投げ銭』よりも『クラウドファンディング』を選ぶ。投げ銭をしたことがないので、間違えた認識を持っているのかもしれないが、『投げ銭』で集まったお金の使われ方についての報告を見たことがない。その点、『クラウドファンディング』のほうが、支援した結果が明快になる。

以上のことから、私がスポーツへの『支援』という意味合いで、『投げ銭』を使うことは、今のところないだろう。

最後に~『投げ銭』は個人を応援するのに適している~

これまで、私が『投げ銭』をしない理由を3つ挙げてきたが、私がしないだけであって、『投げ銭』自体のポテンシャルは高いと感じる。

ライブ配信サービスにおいて『投げ銭』が成立しているのを見るに、『投げ銭』は個人を応援するのに適していると思う。

選手に直接『投げ銭』という名の収入が届き、『投げ銭』を投げたファンに相応のメリットが得られるようなシステムを構築することが出来れば、スポーツ界においても十分成立するのではないか。

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