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アイスランド旅行記⑲共同生活の始まり

前回までのあらすじ

レイキャビクから13時間かけて到着したのは、アイスランド東部の「Stöðvarfjörður(ストズヴァルフィヨルズル)」という場所。そこには、地下1階、地上2階建ての一軒家があった。この家ともう一軒の家に分かれて生活することになり、作業内容の軽さと設備の充実度を踏まえこの家に残ると決めた私は、リングロードで見た数々の絶景を振り返りながら、2段ベットの上で眠りについた。

Good morning

ぐっすり眠って迎えた、共同生活の初めての朝。
別の家に移るチームが出発する時間に間に合うように起きた。

外は薄曇り。雪が積もっていた。

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↑2階の窓からとった写真。この家が本当に海っぱたにあるのが分かる。

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改めて位置情報を調べてみる。家の真後ろにある海は、正確には湾になっていることが分かった。

パジャマを着替えてリビングに降りると、別の家へ移るチームの面々が既に支度を終えて待機していた。さすが、自らハードな環境を選ぶ人たち。行動が早い。楽な方を選んでホッとしている私などとは違い、移動することにワクワクしているようだった。

それはさておき、私は一人っ子なので朝起きて家に同世代の人間がたくさんいるというのは、それだけで非日常でありテンションが上がった。修学旅行や合宿なんかは、せいぜい3泊4日ほどで終わってしまうが、ここでの生活は11日間も続く。そんなに長い期間みんなと一緒に生活できると考えると、なんて楽しいんだ!と思った。
しばらくして、残る組のメンバーも全員起きてきた。みんなで、移る組が乗るバスを見送る。彼らはどんな家に行くのかな。

朝のミーティング

人数が半分になった家は、途端に広々と感じられた。リビングのテーブルもソファも、全員揃ったところで余裕がある。

昨日から私たちを取りまとめてくれているスタッフ、改めリーダー2名のもと、みんなでソファに座り、最初のミーティングが始まった。ちなみにリーダーはオーストリア出身だ。


改めて自己紹介し、互いの呼び方を決める。昨日は人数が多くて名前も覚えきれていなかったので、正直ありがたかった。年齢の話になると、私ともう一人の同い年の女の子、アナ(日本人)が最年少だということが分かった。
アナは本名ではなくニックネームだ。なぜ「アナ」呼びになったのか忘れたが、彼女はこのワークキャンプで一番近くに居てくれた存在だった。

さて、ミーティングで決められた共同生活のルールは、以下のような感じ。
①朝食は各自用意し、好きなように食べる。
②昼食と夕食は当番制で、みんなの分を作る。
③料理の後片付けも当番制とし、毎日交代で行う。
④その他の時間は、ボランティアワークと自由時間にする。
⑤ワークの内容や時間は、毎朝自分たちで話し合って決める。

初日は、リーダー主導のもとで作業時間が決まった。

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11:00〜13:00 ワーク (昼食担当は12:00〜準備)
13:00〜14:00 昼食
14:00〜16:00 ワーク
17:00〜18:00 夕食準備(担当以外は自由時間)
18:00〜    夕食、自由時間

1日の労働時間は4時間ほど。初日ということもあり、緩めのタイムスケジュールだ。私にとって、こうした集団生活といえば部活や習い事の強化合宿の経験が多かったので、それに比べればなんて楽しいスケジュールなんだ!(2度目)と思った。

ただし、私はこの頃は家で全く料理をしなかったので、食事担当になった時に上手く作れるかが一番の心配事項だった。交代で食事を作ることは説明会の時点で聞いていたので、一応家で練習してきたが、まぁ付け焼刃のようなことしか出来ない。
そこで初日は皿洗い係に立候補し、確実に出来る仕事を担うことにした。

初日のワーク内容

まず最初は、家全体の大掃除からスタートした。

この家は、プログラムを主催する団体が所有している建物のようで、ここでワークキャンプが行われる時にしか使われていない。そのため、前回の使用時期は不明だが、かなり汚くなっていた。

掃除をしていて何より実感したのは、「靴を脱がない生活は、いかに家の中が汚れるか」ということだった。私は主に階段の掃除をしたのだが、とにかく土や埃がすごかった。しばらく使われていなかったことも影響しているのだろう。持参したマスクや軍手を使いながら、全員総出で大掃除をした。
短期間とはいえ、11日間お世話になる家だ。ランチを挟み、午後も掃除をする。初日のランチはリーダーの2人が作ってくれたので、オーストリア料理を味わうことが出来た。

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食事やワークの様子を日々記録しておけばよかったのだが、体験することに精一杯であまり細かく覚えていないのが悔やまれる。ただ、食事の写真は色々残っているので、今度まとめて振り返りたい。

自分たちの過ごしやすい空間を目指し、今日のワークは掃除で終わった。

レクリエーションと1日ぶりのシャワー

18時にワークが終了し、夜ごはんを食べた。

初日の自由時間。リーダーの発案で、仲を深めるためのレクリエーションが行われた。
全員で輪になってごちゃまぜに手をつないで、せーので絡まっているのを元に戻す遊びや、椅子を丸く並べてその上に後ろ向きで座り、一個ずつ椅子を引き抜いて行って最終的に自分たちだけで支えてキープする遊び、などなど。顔が写っているので載せられないが、全員笑顔で楽しむ写真が残っている。それはそれは盛り上がり、大笑いしながらあっという間に時間が過ぎていった。

レクリエーションが終わると、順番にシャワーを浴びることになった。
昨日は入れず待ちわびていたのだが、海外あるあるだろうか…1日に使えるお湯の量が決まっており、それを超えると水しか出てこなかったのだ。初日はそれを知らず、私が入った時には水しか出なかったのである。それでも仕方ない、となぜか気合いで水のまま乗り切った(笑)。基本的にそういうハードモードは受け付けない性格なのに、背に腹はかえられぬという状況は乗り切ることにしている。

「お湯が出た」「私は水しか出なかった」等々みんなの体験を整理し、1日に入れる人数が明らかになったので、2日目からは交代で2日に一回ほどのスパンで入ることに決まった。そんな体験も、今振り返ると貴重だなあと思う。

次回はStöðvarfjörður(ストズヴァルフィヨルズル)の風景を振り返ります。



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