時の風景㉒ ~メキシコシティ・グアダラハラより~
これまでに引き続き、旅の最中に書き留めていたことを。
9/6 メキシコシティに到着
ペルーと比べて喫煙者が格段に増えた。女性警官がたくさんいる。地下鉄のスタイルはサンパウロとよく似ている。値段は距離に関係なく1回乗るのに5ペソ(約35円)でとっても安いみたい。
数日前にカウチサーフィン上で10人くらいにメッセージを送っておいたが、返事をもらえていなかったので仕方なくホステルを予約する。SIMカードを購入するつもりはないので、Wi-Fiが安定している空港で済ませておくのは結構大事。
Valentineと念願のビデオ通話をするけれど、いざ言語コミュニケーションのみとなると、スペイン語ができなさすぎてあまり盛り上がらない。一緒に遊べたら言葉なんてわからなくても問題ないのに。Valeもどこかよそよそしかった。状況がわかっていないだけなのかもしれない。
電化製品屋さんが並ぶ道を歩いていて、でかいダンボールが目に入る。船旅中マットレス代わりにしてたからだ。なんかこれデジャヴ感あるなあと思ったら、海士で焚き火ばっかりしてた頃、道端であれはいい焚き木になりそうだなーとかこれはいい焚き付けになりそう、、。などと考えてたやつだと思い出す。システム思考を学んでいた時に聞いた意識の向け先の話がこういう場面で腑に落ちる。
9/7
メルカドで食べた315円のランチセットがお得すぎた。超満腹。
トマトスープ、少なめご飯、グワカモーレ(アボカド比率低めで辛い)の何か、メロン水1.2リットル。
やっぱり街はなんか苦手だ。やりたいことがあんまり見つからない。
クスコのワークアウェイで仲良くなった2人に「都市部行ったら何を楽しんでいる?」と聞いてみたら、公園や美術館、と答えてくれた。
夜の散歩。ゴミ清掃員のおばちゃんが道に落ちていたダンボールを拾い、ちょっと歩いてホームレスの人に渡してた。なんかいいな。
帰りに出くわしたストリートサッカーに参加。10-13歳くらいの子たちが延々と下ネタ話をしてくる。そういう下ネタはあんまり好きじゃないので、適当に切り上げることに。ホステルに向かって歩き始めたら、コオロギの鳴き声がずいぶんとにぎやかだった。
24時間営業のパン屋や食堂もある。「24時間営業」、という存在を久しぶりに見た。
9/8
今日はメキシコ国立人類学博物館とお散歩。
http://museu.ms/museum/details/16762/national-museum-of-anthropology
中央広場の近くで犬を腕に抱えて立ってるおじさんがいて、警察官がその犬と握手していた。かわいかった。
チーズケーキが無性に食べたくなり、チーズチョコケーキがあったので買ってみた。組み合わせには反対だが、チーズケーキ部分がおいしい。街で売ってる普通のケーキが全く美味しくないペルーとは大違い。
やはり散歩はいい。歩いていると脳の働きが段違いなことを実感する。
地下鉄が一部サービス休止してたおかげで1時間歩くことになり、おもしろいアイデアが浮かんできて、想像を広げられた。ラッキーはそこら中に落ちている。
9/9 夜
ノート書いたりするの疲れたので、ホステルのテラスでクラブミュージックを聞きながらハンモックでゆっくりする。音に身を委ねる感じがすごくいい。メキシコシティ、そういえば蚊がいないなあと気づく。めちゃ快適である。
9/10
帰りの飛行機が発つグアダラハラまでのヒッチハイクに若干面倒くささを感じている自分がいる。でも、取り組むべき困難だなと直感しているのでやる。うまくいってもいかなくても絶対やったほうがいい。
ホステルでいつも本を読んでいて、どんな人なのか気になっていた女の子に話しかける。案の定とっても盛り上がって午前中ずっと一緒にいた。ロシア出身、人生のほとんどはイスラエルで過ごしてきたらしい。どこから来たのか、でその人に対する興味が大きく変わることはない。仮にフランスだと言われても彼女に対する興味はあまり変わらなかったと思う。育った環境は間違いなくその人に影響を与えるだろうから、そういう意味ではどこから来たのかは大事だけど。
9/11 約500km西のグアダラハラへの移動日
メキシコシティの地下鉄、路線によってラッシュアワーは満員電車。バックパックと一緒だとなかなかに地獄。もし、数日前に動物の市場で檻の中にとてつもなく窮屈に入っていた動物たちも似たような感覚だったらかわいそうだなと感じる。
ヒッチハイクするための高速入り口付近を目指す。途中でグルグル迷ったりしつつ、どうにかちゃんと安いバスを見つけて目的地へ向かう。
この30分くらい、何度もグアダラハラ行きのバス乗ってしまおうかと迷った。
メキシコシティからちょっと行ったTolucaという町まで乗せてもらえた。しかし、これ以上気持ち的に頑張れないし楽しめないことがわかったので、バスに乗ることを決める。乗ってみたら、飛行機みたいに各座席にテレビついてた。Wi-Fiもあるし。こんなにサービスいらないから安くしてくれーと思った。
夜 グアダラハラ到着
バス停といい電車といいめちゃくちゃモダンな感じがするグアダラハラに到着。成り立ち、歴史とかが気になる。
なんだか心に小さな穴が空いている感じ。なんとなく虚無。寂しさみたいな感じかな。別に問題ではなく、ああそうだなあってだけなんだけれども。
メキシコシティのホステルのにぎやかさ、メキシコシティで遊んだ友達。5ヶ月の旅も終わるんだと気づく。ちょびっと泣きそう。『こんにちは未来』、間のあるラジオが心地よい。
そのへんに売ってるドーナツとかに蜂がたかっている。ハエじゃないのがなんかいい。
気になっていたノートのメンバーシップに参加。短めの自己紹介を書こうと思ったとこでめちゃ難しくなる。自己紹介ってなんなんだ。
9/14
乗り換え地点だったロサンジェルスの空港で早大の紋章がついたジャージを着ている日本人がいたので話しかけたら、同い年で高校の同級生の友達が友人と2人でアメリカを一周してきた帰りだった。
彼らと話してて改めて確信する、旅をしていることが僕にはめちゃくちゃ向いているんだと。旅のなにが僕を生き生きさせるのかは改めてじっくり考えてみたい。
搭乗する直前になって、帰国することに絶妙に萎えている自分がいた。昨日まで、帰国後すぐに向かう予定の沖縄のボランティア先の方と連絡取っているときなどはなかなかワクワクしていたのだが。今日になって突然あーあ、みたいな気分が浮かんできてる。一時的な感情のゆらゆらだからあまり気にしないでいるけど、観察は続けたい。
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飛行機、搭乗終了から出発しないこと1時間。「整備していて出発の可否もまだ判断しかねます。」というアナウンス。わんちゃん本当に帰れないんじゃないかと楽しみになっているところもあったけど、10分くらいして出発できることが決まった。
Zipairという新しいLCCで、機内食が事前予約制なことを知らなかった。機内販売の軽食はあったけど、なんか割に合わないので何も食べないことに。24時間断食になりそうだけど、健康にはちょうどよさそうでありがたい。
加藤和さんの8万字記事読みきった。おもしろかったー。ああいうの書けるようになりたい。
で、おそらく最近の僕のツボは、「私たちがどう設計されているのかを知り、それになるべく無理がない生き方をしたらいいんじゃないか」って思想な気がする。その思想すら設計されているものなのかは、僕の理性ではまだ追いつかないけれど。(そこまでメタ認知しきれるのかわからない。)
あと、どことなく坂口恭平さんの文章に似ているのは口語体だからかもしれない。口語体にしている理由も最後にポロッと書いてあって、それもまたおもしろかったからすぐに真似しようとする自分がいる。相変わらず影響されやすい。
「わかりやすい文章を書く」ために本来含まれていたいろんな情報が削り落とされているのかもしれない。目的次第だけど、僕が自分のnoteを書くときは脳内の思考の流れをなるべくそのまんま出しちゃったほうが良いかもしれない。
9/15
東京につく。なんかいろいろ思うのかなと想像してたけど特に何も感じないので拍子抜けしている。ああ東京だなーくらい。1日前までメキシコいたとかその前はペルーとか夢みたい。
一応注意してみると、やっぱりスーツの人の割合が圧倒的に高いこととか目につくけれど、そんなもんなんだよなあ。
当たり前だけど電車の中でお菓子を売る人はいないし、スピーカーを片手に歌う人もいない。みんな静かに他人のスペースへ侵入することはない。
あと、メキシコシティのメトロと比べて圧倒的にブレーキが優しい。好き。
久しぶりの日本なので空港やどこかでおにぎりとか買ってもよかったけどなんとなく何も食べずに来た。最後に食事をしてから、なんだかんだ24時間以上経過しているけど全然大丈夫。
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実家の最寄り駅について家まで歩いていて、5ヶ月も経ったなんて嘘みたいな感覚。
洗濯物を整理していて、匂いをかいでああ本当に日本から離れていたんだなと実感できる。
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