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「雑貨であふれる賑やかなキッチン」をBlenderで作ってみた

6月の第1週はBlenderでキッチンを制作していました。モデリングの制作期間は、毎晩2時間程度の作業時間で計4日かかりました。

今回は「kitchen」で検索すると出てくる複数の作例や、Google画像検索で出てくる実写写真を見ながら制作したので、オリジナルに近い制作物になりました。あとは、スキルアップのために、前回同様 チュートリアルの操作画面などは見ずに制作しました。

コンセプトは「雑貨であふれる賑やかなキッチン」

実生活のキッチンに雑貨を置くと、料理の邪魔になったり、埃がたまってしまうため、日常生活ではなかなか難しいです。しかし、3D空間なら油汚れやほこりを気にせず配置できるため、3DCGならではの楽しみ方をコンセプトにしました。

すごく苦労したことは、空間を埋めるために必要な雑貨の多さでした。キッチンは家庭で最も雑貨が集まるエリアであることを痛感しました。冷蔵庫やテーブル、水栓まわりの大型オブジェクトをモデリングして配置しても、部屋全体の隙間空間が埋まらないため、ひたすら小物雑貨をモデリングして配置しました。

コンセプトは「雑貨であふれる賑やかなキッチン」だったので、制作時間のほとんどは小物雑貨を作ることに費やしていた気がします。

大量に作る事でモデリングスピードが上がった

2ヶ月前にBlenderの3Dモデリングを始めた頃は、例えば「ぬいぐるみ」などを一晩に一つ作るのが精一杯でした。それが、今回は多くの小物を作る必要があったため、一晩で複数のオブジェクトをモデリングすることが当たり前になっていて、少し成長を実感できました。

制作途中の様子

また、過去の反省点である「ポリゴン数を減らして軽量化する」を気をつけていたので、メッシュやマテリアルを作り込まない事で、結果的にスピード向上につながっていた気がします。

地形と水面、クロスの物理演算

キッチン周辺の地形はBlenderの標準Addonである「A.N.T. Landscape」を使いました。

水面は「FLIP Fluids」を使いました。以前制作した「ビーチ沿いのバー」のように波を動かすわけではないので、水面は海洋モディファイアでも良かったと思います。

制作途中の様子

キッチンの水道の水はディスプレイスモディファイアーとエンプティを使って流水っぽくしました。ここも「FLIP Fluids」のような流体シミュレーションほうがリアル感があって良かったと思うのですが、軽量に動くのでディスプレイスモディファイアーにしました。

テーブルクロスはクロスの物理演算を使いました。メッシュの形や障害物の関係でうまくいかない事がありますが、今回はスムーズにテーブルクロスがかけられました。

作ったぶんだけ自分のデジタル資産になる

前述したように、キッチンの隙間を埋めるオブジェクトが足りないので、過去に制作したオブジェクトをBlenderプロジェクトからアペンドして配置しました。それでも足りない場合は3Dモデル販売サイトのフリー素材を使いました。ただ、フリー素材はマテリアルがあたってなかったり、テクスチャがついてなかったり、メッシュが細かすぎるなどで、それなりに加工や調整が必要で、結果的に自分で作ったもののほうが使い勝手が良いと思います。

作れば作るだけ自分のデジタル資産になるのが3Dモデリングの良いところかもです。

他にも、海に魚を泳がせたり貝がつまったバケツをつくることも考えましたが、3日(3晩)以上制作する予定がなかったため、動画を撮って完成としました。

クラウドレンダリングの活用

レンダリングエンジンはCyclesです。シーンの一部はクラウドレンダリングを活用しています。複数カットが必要な場合は、自分のPCと並列で処理してくれるクラウドレンダリングは重宝します。最近はクラウドレンダリングの比率があがっていて、事前にデータをきれいにパックしておく必要と、プロジェクトファイルの容量制限があるので、そういった整理整頓と軽量化の習慣がつくので、副次的に良いことがあったりします。

ちょっとだけUnityで動かしてみた

BlenderからFBXをエキスポートしてUnityのURPにインポートしてみました。ボタンを押すと、鍋がグラグラ揺れるスクリプトを書いてみました。

鍋しか動きませんが、部屋のスイッチを押すと、いろんな家具や雑貨が音を立てて動くアプリにしたら、幼児向けにニーズがあるかもとちょっと思いました。

最初は、ChatGPT3.5でオブジェクトを振動するC#スクリプトを提案してもらいましたが、提案された関数がUnity標準で存在しない関数だったのでコンパイルが通りませんでした。コードの自動生成という点だと「GitHub Copilot」を活用すると、もっと信頼がおけるはずなので、開発効率があがるのかな?と思いました。

Unityで動かす用途前提でモデリングやマテリアルを作る必要があるので、機会があればその用途でBlenderモデリングしてみたいなとおもいました。

バーチャルヒューマンを動かしてみた

レンダリングの合間に、以前制作したカフェにバーチャルヒューマンを配置してみました。合成した音声に対して、リップシンクも同期していて良い感じのシーンが撮れました。


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