見出し画像

ずっと独身の私が「ずっと独身でいるつもり?」を観た①

50代まであと少しの「ずっと独身でいる」私が「ずっと独身でいるつもり?」を鑑賞して、まず思ったのが、2021年現在でも「女の幸せ」は「結婚」をメインテーマに描かれるのか!ということだった。

女性陣の台詞も、男性陣の台詞も、両親世代の台詞も、私が36歳だった10年以上前のステレオタイプな独身像と変わっていないではないか。
(以下、少し真面目に記事は書くけれど、映画は定番のテーマでエンタメとして面白く鑑賞しました。)

世間は未だに、この価値観に感情移入できるの?と思って、noteで鑑賞記事を読んでみた。
この映画を観ているのは20代~30代の女性が多いと思われるが、概ね共感を得ているよう。気になったのは「まだ結婚は意識したことはないけど、ひとりでも生きていけるようにしよう。」とか「結婚しなくても不幸ではない。」というような言葉たち。
もう、令和の時代になり、社会は目まぐるしいスピードで変化していて、選択肢もどんどん増えている。
まだ結婚は先のことの若い世代の人たちは「ずっと独身でいるとこうなるんだ」とか「結婚しても幸せになれないかも」「男性ってバカなんだ」と思わないで貰いたいなと思う。人生はもっと自由で可能性に満ちているし、幸せは自分で創るものだと思って欲しい。結婚なんて嗜好品みたいなもの。

私が36歳の時の事をすこしお話してみたい。
私はかなり若い頃から自分は結婚・出産をしないかもしれないという気持ちを漠然ともっていた。それが社会の「普通」と少し異なるかもしれないという事にも気がついていた。20代前半、私は若い女の子として、特別ずば抜けてではないにせよ、ある程度「チヤホヤ」されていたと思う。
年上の男性たちが悪気なく、私のためを思って言う「早く結婚したほうが良いよ。30過ぎたらおばさんだから。」なんて言葉にも冷静だった。

それでも今振り返ると35歳を過ぎて、私も人並みに悩んでいた。
それは「結婚したいと思わない私は普通の人間では無いのか」ということ。
「もっと自信を持って」「出会いの場に行って」「まだ若いから諦めないで」とびっくりするくらい言われた。
結婚しない主義とかそういう事でもない。でも、世間のいう結婚とはどうにもマッチしなそうな私は「筋金入りの結婚できない女」を自覚していたし、「かわいそうな女」と思われても、別にいいなと思っていたのだけど。
いっそのこと「結婚したい!」と思えたら、このモヤモヤは無くなるのかと少し苦しんだのも事実。

幸い私の両親は私に「結婚しなさい」「出産しなさい」も全く言わない二人だった。それも「親が変わっているんだね」「親が甘やかしているんだね」と言われた事もあったっけ。
両親も私が独身でいることをただ、ぼんやりと見過ごしていたわけではない。「素敵な人と出会って、子供を育てるのは本当に素晴らしい経験だ」と伝えてくれた。ただ、「一人で生活していくことは大変なことも多い。それを選ぶなら、その力をつけてね」と私の気持ちを尊重してくれた。
本当は結婚して欲しい、孫の顔を見たいと思っているかもしれないと思い、
38歳の時に、きちんと「私はいわゆる普通の結婚や出産はもうしないと思う」と両親に伝えた。いつか誰かと生活したり、もしかしたら結婚することがあっても、それは恐らくずっと先のことだと。

もし今、「ずっと独身でいる」ことが怖い方へ
例えばこの映画を観て、「結婚しても自分の時間もなく、旦那にわかってもらえず、子供にかかりきりで幸せになんてなれない」と「独身でいること」を正当化させているとしたら、要注意。隣の芝生を気にしているうちにあっという間に時間は過ぎていく。

戸籍上、配偶者がいるか否か、一人で生活するか誰かと生活するかは表面的なことだ。でも、そこがとても重要な人もいると思う。
もし、自分がそういう意味での「ひとりじゃない」が欲しければ、迷うことなく婚活しよう。「ひとりで生きていけない自分」を否定して、無理をして「ひとりでも生きていける人間」になる必要はない。
結婚してから夫婦ともども「ひとりでも生きていける人間」になれたら、更に良さそう。(これはあくまで個人的な、理想の結婚像)

今は独身でいいけど、歳とったらどうなの?という方。
40代現在、私は何も困っていません。「それは元気だから」と言われるが、私は入院も手術も「独身」だから困ったことはありません。
病気の時、物理的に「ひとり」でできない事はあっても、なんとかなる。
助けてくれる人もいるし、あらかじめリスクマネジメントをしておけば良い。「独身」だから、いつでも強く、ひとりでなんでもしなければいけないと思いこまないこと。
そして、大事なのは「お金」だ。独身女性は「稼ぐ力」は必須。
バリキャリになる必要はないけれど、自分を自分で幸せにできる「お金」を見積もって、他人との比較ではない自分の価値観に合った働き方で、必要な金額を稼ぐ努力は大切で、それは年齢が上がるごとに重要。

「独身」「結婚」を周囲から色々、言われるのも30代まで。
40歳を過ぎたら、世間からは「終わった人」として何も言われなくなる。
それは私には「やっと解放されたのね」という安堵感でしかなかった。
私のように独身でも良いと思っているのに、周囲が騒がしいという場合は、ただ黙って嵐がすぎるのを待つ。気が付けば跡形もなく去っていき、周囲の話題は家族や自分の健康問題へと移るから。

今日はここまで。続きはまた次回。もう少しお付き合いを。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?