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わたしの身体③精密検査(後編)

2021年に子宮全摘出手術を受けました。
この機会に婦人科系疾患の経緯や女性の人生と生理について綴ります。
私の主観と経験に基づく内容となります。感じ方や症状は人により異なりますので一つの例としてご参考になれば幸いです。

血液の更なる精密検査の為、総合病院の血液内科を訪れた。
事前にHPを確認すると、難しそうな病名の治療実績が並んでいた。
予約制でも待合室は人でいっぱいで、血液検査を済ませて更に待ち続ける。
ようやく呼ばれるとHPで見た、とても偉いらしい先生が私の検査結果を眺めて「まず貧血ですねぇ。」と言う。
「貧血」なんだか大したことなさそうではないか。と一気に安堵する。

先生は丁寧にひとつひとつ確かめるように身体に触れたりして、問診を進める。私のネイルを眺め「貧血の人はできたら外してほしいねぇ」と言う。
爪が凸凹ですぐに割れるからジェルネイルをしていたのだが、それは貧血の症状だと当時の私は知らなかった。

「このくらい貧血が進むとけっこう辛いが、少しづつ悪化して症状に慣れてしまって自覚しにくい。」「一度、貧血になると食事などで改善するのは難しい。」「問題はなぜ貧血なのか。どこかで出血している可能性が高い。」
といった説明を受け、貧血改善の為の鉄剤を処方され、次回は各科で検査を受ける事になった。

日を改めて、病院内をあちこち回って検査をいくつかした。
外来とは雰囲気が違う検査室前で重病そうな入院患者がベットのまま運ばれてくるのを何度も見た。なかには小さな子供もいて、自分と同世代に見える母親が付き添っているのをみて何とも言えない気持ちになる。

結局、大きな異常は見つからず、「鉄欠乏性貧血」の診断を受ける。
婦人科の診察で、子宮の大きさが標準より大きくなっていて、生理の出血量が多いことが原因ではないかという結論だ。
その時点では「子宮筋腫」「子宮内膜症」といった病名はつかず、経過観察程度で良いと言われた。

ただの貧血となっても、血液内科の先生は簡単に治療を終わらせることはなく、月に1度の血液検査と通院は確か1年ほど継続した。
鉄剤の効果で貧血症状が改善すると劇的に体調が良くなり、憂鬱な日々はひとまず終了した。驚くほど身体が楽になり、大したことない病気と安堵したのは浅はかで日常生活に大きな影響を与えていたことを実感した。

この通院で病院慣れと検査慣れをし、体調が悪いとまずは病院に行くようになった。自分もいつ大きな病気になってもおかしくないのだと思い、それまでただ漫然と生きていたことが、もったいないと感じた。
貧血を経験してから前よりも生きることに真面目になったのは良かった事。

しかし、改善しても出血量の多い生理が続くと貧血状態になってしまう。
私はその後、度々、貧血に苦しめられ治療することになった。

疲れやすい、息が切れる、頭痛がする、憂鬱な気分が続くなどの症状がある方、貧血のサインかもしれませんので要注意。
最初の検査結果後の「白血病の疑い」は脅かしすぎだと思うけれど。


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