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【文フリ初出店者向け】文フリで本の売り方を徹底解説

こんばんわ、静 霧一です。
文学フリマ東京35の開催まで残り2週間となりましたね。
さて今回は、文学フリーマーケットにおける本の売り方について解説していきます!
私は第三十四回文学フリーマーケット東京に初出店し、そこで50冊の本を売ることが出来ました。(オンラインも含めると70冊ぐらい)
平均10冊売れれば御の字のところを4倍は売っております。
まったくの無名であった私が、初出店にしてそれほどの販売をできたのかを一から書いていこうと思います。

最初に伝えておきたいことは、「出店することに意味がある」といって、作品制作はものすごく時間をかけるものの、販売戦略についてはあまり考えていない方が多いようにも思えます。

その結果、それがたとえ良い作品であっても、誰からも買われず埋もれてしまうこともありえます。
作品を考えるのと同じぐらい、売り方を考えるのも重要です。
今回は、その「売り方」について解説します。

だって、売れないより売れたほうが楽しいに決まってるからね。

1.webカタログについて


さて、2週間前となるとそろそろ作品が手元に届いている、もしくは入稿目前といったところでしょうか?
この段階だと、作品が出来上がったことで満足されている方も多いかもしれませんが、忘れてならないのが出来上がった作品の告知です。
告知とはみんなに作品が出来上がったことを知ってもらう活動のことを指しますが、さて何から手を付けていけばいいかわからないという方が大半でしょう。
結論、最も優先的にやらなければいけないことは、文学フリマのwebカタログ登録です。
webカタログとはなんぞやという人も多いと思いますが、これは事前に出店者の作品情報を見ることのできる便利なものです。
意外とここを未入力にしたままの人が多いですが、ここを活用できなければ本を売る準備など出来ていないも同然です。
なぜ、このwebカタログが必要なのか。
それは、このwebカタログを閲覧するユーザー層が見込み客になる可能性が最も高いからです。
なので、必ず登録しましょう。

でも、何を登録すればいいの?って話になりますが、私はこのように登録しました。

 データの登録について

登録画面①

前回の文学フリマでは3冊の出店なので、それぞれの情報を登録しております。

登録画面②

必須項目を入力し、画像データを入れ追加を押します。
するとこのような感じに反映されます。

表示例

こんな感じで、作品数分のデータを入力しましょう。
このwebカタログですが最も重要なことは、「説明を書きすぎないこと」です!
え、なんで?と思われるかもしれませんが、あくまでもこのページはユーザーに興味を持ってもらうページだと思ってください。
時々、作品愛に溢れすぎて長文を書く人もいますが、それはあくまで自分語りをしているだけなので気をつけましょう。
簡単にあらすじを書いたり、作品のテーマを説明したりと、一目でわかりやすい情報の見せ方を意識してください。

ここまでやれば、このwebカタログが真価を発揮します。
まず注目すべきは、ここの数値。

「気になる」という数がありますが、これは出店情報のところにある気になるボタンを押すと、カウントがされます。
これは事前に自分の本を買ってくれる見込みのお客さんの把握にもなりますので、ぜひ意識してください。

そして、もう一つが告知のための遷移先です!
なんのこっちゃという話ですが、これは次の題目であるTwitter戦略につながりますので、続けてお読みください。

2.Twitter戦略について


さて、webカタログが準備できたところで、次は本格的な告知に移ります。
告知と言っても様々ですが、最も多いのがSNS告知ではないでしょうか?
Facebook、Instagram、LINE、Twitter、note…と媒体はさまざまありますが、私のおすすめはTwitterです。
ユーザー属性がTwitterと相性がいいというのもありますが、何よりメリットなのが拡散力です。
そのため、作品の認知をしてもらうためにもまずはTwitterへ投稿をしましょう。

Twitterでの認知投稿について、日常生活と同じような「作品つくったー」みたいな投稿は極力避けましょう。
たまにはいいかもしれませんが、それで興味を抱いてくれるユーザーは稀です。
まずは自分の表紙データを活用するところから始めましょう。
私の場合はツイート内容をいくつかのパターンに分け、投稿しました。

①遷移先がトップページ
※遷移先はこちら

※実際の告知ツイート

②遷移先が作品ページ
※遷移先

※実際の告知ツイート

それぞれのツイートを検証していく中で、ツイートのエンゲージ数やインプレッション(表示回数)が多かったものは、①トップページへの遷移のものになりました。
ですが、作品単体の認知度でいうと、ポスターが印象的なこともあり、②作品ページが遷移先のものが購入へつながった実感はあります。
なので、これはどちらのパターンもツイートしてみましょう。
ちなみに余談ですが、少しお金に余力のある人は「プロモーション」というボタンがあるので、お金をかけて広告を行ってみてもよいかもしれません。
※次回参加時はこちらの活用をしてみます

ポスターについてはこちらから

3.当日販売について(販売配置/Twitter実況/挨拶回り)


さて、販売当日となったことも想定していきましょう。
出店者の皆さんは、販売ブースの飾り付けなどを考えておりますか?
初出店のかたはそこまで頭が回っていないかもしれませんので、簡単にご説明します。
まず、ブースを飾り付けるにあたり簡単なブースデザインを考えましょう。

初回構成

一番最初の設営デザインの構成案です。
これをもとに、用意できるもの出来ないものを検討し、配置も見栄えをよくするためにどうするかというのを議論しました。
最初の形から大きく変わりましたが、あるのとないのとでは当日の設営に大きくかかわってきますので、こちらは簡単でもいいので図にしてみることをオススメします。
そして最終的に出来上がった設営がこちら。

ツイートしていたポスターを大きく飾り、入場者の目に留まるようなデザインにしました。
また、横には手書きの値段表も設置してあります。

手書きにすることによって、あと何冊残っているか、完売しているのかを瞬時に書き換えることが出来ます。
赤のインクを使うことで、限定訴求を行うこともできるためオススメです。
その他設営時に購入したものは、下記記事にてご覧くださいませ。

設営は30分もあれば終わると思います。
早めにくれば開催時刻まで1時間ぐらいの余裕ができるでしょう。
その間に、軽食やトイレを済ませると思いますが、そのほかにやっておきたいこととで上げれば、Twitter実況と挨拶回りです。

まず、設営の準備ができたことをリアルタイムで写真付きでwebカタログの遷移先を載せたりして、タグ付きでツイートしましょう。
実際、当日になってTwitterで情報収集しているユーザーはたくさんいます。当日ギリギリまでの告知活動を怠らないようにしましょう。

そして挨拶回りです。
出店するにあたり、ほかの出店者の情報を見たり、交流したりすると思いますが、交流のあった出店者に挨拶にいくことをオススメします。(名刺を持っていきましょう)
自分の本を買っていただいたり、一緒に頑張ろうという元気がもらえたりします!
自分はコミュ障だから…と言い訳してないでとっとと足を運びましょう。

4.当日販売について(営業トーク)


そして待ちに待った入場の合図。
開始の合図とともに、お客が次々に流れ込み、通路が人で埋め尽くされるぐらいの来場者数となります。
その中で自分の本に興味を持ってくれる人は、必ずいらっしゃいます。
そこで買ってくれるかどうかを試されるのは、自分自身の営業トークです。

まず第一の目標として、1人でも自分のブースの前に立ち止まってくれる人を捕まえましょう。
そのために無料の冊子を配るもよし、声かけもするもよし(大きい声は迷惑なので止めましょう)です。
意識することは目のあったお客さんに軽く笑顔を向け、良かったら見に来てくださいと声をかけることです。

そして1人でも立ち止まって本に手を取り中身を見てくれたら、本の説明などを簡単にしてあげましょう。
※注意としては中身を読んですぐではなく、パラパラとめくって10~20秒後の頃合いを見てです。
説明は10秒以内に終わるぐらい簡潔で大丈夫です。
例えば、「この本のテーマは〇〇をもとにつくりました」とか、そんな感じです。
重要なのはお客さんとコミュニケーションをとることです。
ぐいぐいいくとお客さんが引いてしまうので、落ち着いて話しましょう。

肌感ですが、ブースで立ち止まった人の約10~20%の人が買ってくれると思ってください。(これは営業トークによって大きく左右します)
当日座ったままスマホをいじって無言であれば誰も興味なんて持ってくれません。
そんなことあるわけないと思うかもしれませんが、大半のかたはそんな感じです。
自分には出来ないと思っているようでは、売れるものも売れませんのでそこはへたくそでもやってみましょう。

※補足
営業トークとは、お客さんに決断させるための一押しです。
作品の良さを伝え、これを買うことによってどんなものが得られるのかをきちんと伝えましょう。
買ってくださいは押し売りになるので、お客さんに気持ちよく買ってもらうためのコミュニケーションを心がけましょう。
不安なようであれば、トークスプリクトを用意しましょう。

5.最後に

ここまでやってやっと50冊の販売という結果となりました。
感覚としては準備9割、当日1割です。
実際に伝えたいことはもっとたくさんあるのですが、要点だけまとめてお話させて頂きました。

私が最後に伝えたいことは、「何もしなければ当然売れない」という事実です。

よく本の中身がよければ絶対に売れると思っている人がいます。
確かに中身がよければ売れます。ですが、それはあくまでも中身を知っていればの話であり、それで売れる人はこれまで売り続けてきた実績がある人たちなのです。

文学フリマに出店している人たちの文学作品はどれもレベルが高いです。
そのうえで、皆さんは各々告知戦略を考え、設営を考え、必死に売るための努力をしています。

そんな中、自分は何もせずとも机に本を置いておけば売れると思うのでしょうか?
自分は人と話すのが苦手だからとか、営業は押し売りしているみたいで嫌だとか、告知なんて意味あるの?とか思う人もいるかもしれません。
それは自分が売ることの努力を怠っている言い訳にすぎません。

お客さんは、わざわざ遠くから足を運んでまで、本との出会いを求めに来ているのです。
それに対して、自分から話に行く努力をしないのは返って失礼です。
きちんとブースに来てくれた1人1人に向き合って、コミュニケーションを取っていきましょう。

売れないで途方に暮れるよりも、売れたほうが絶対に楽しいですよ。

以上です。
出店者のかたは、当日楽しんでください!それでは!

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