くるはらきみ個展《ヒルデガルト点描》|DAY 1
本記事はオンライン開催 くるはらきみ個展《ヒルデガルト点描》DAY 1の配信記録です。
Text|霧とリボン
連日の猛暑から、暑さが和らいだ今日。緑の匂いを運んで窓を抜ける風の心地よさが身体の芯まで染み入りました。皆様、お変わりなくお過ごしでしょうか。
前期グループ展《ヒルデガルトの小径》にて灯された美しい光を受け継ぐように、後期くるはらきみ個展《ヒルデガルト点描》が開幕しました。初日の本日、ヒルデガルトが棲まう菫色の聖所を逍遥して下さいました皆様に御礼申し上げます。
本展でも引き続き、まとめ記事内にて共同企画者くるはらきみ様のメッセージを掲載します。各日に寄せられた聡明な一篇をどうぞお楽しみください。
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《ヒルデガルトの小径》展の馨しい余韻が其処此処に漂う中で進めた、《ヒルデガルト点描》の設営。夢のひとときは儚く消えてしまうように思えても、菫色の小部屋という場所に、しっかりと、その記憶は根を落ろします。
各記事に掲載した会場風景は、菫色の小部屋への窓。そこから、作品たちが残した余韻と新しい囁きが聞こえていましたら嬉しいです。
菫色の小部屋へは、この窓を通して、オンライン上に綴られたエッセイの詩情が流れ込み、観て読んで下さった方々の息遣いが届いています。
本展の巻頭を飾って下さったのは、ヒルデガルトが生きたビンゲン近くの村に住む、マスターベイカー・パストリーマイスターであるKlemens Maginot(クレメンス・マシノ)様のエッセイ。きみ様からのご縁で、このほど素晴らしい機会を持つことが叶いました。
ヒルデガルトの食材の伝統を受け継ぐマシノ様の、暮らしの中に息づく「ヒルデガルト」。その一端に触れることができた上にクッキーのレシピまで公開して下さり、本展巻頭にふさわしい「点描」を描いて頂きました。
きみ様が三十年ほど前に見たビンゲン近くの麦畑の風景。その時から、ヒルデガルトへ続く長い旅路ははじまっていたのかもしれません。
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次にご紹介した作品群は、植物に寄り添いながら修道生活を送ったヒルデガルトたちへの讃歌。薬草園のみならず、植物のみ恵があちこちに満ちる光景はきみ様ご自身の森の生活と重なります。
修道院の一角にある小さな庵で共に暮らしながら、幼いヒルデガルトへ楽器の弾き方はじめ様々な教養を伝えた先輩修道女ユッタ・フォン・シュポンハイム。ふたりのシスターフッドが瑞々しい絵筆で描かれた「ユッタとヒルデガルト」はじめ、絵画と人形作品の魅力を伝えたのは、ヴィクトリア朝文学研究者・熊谷めぐみ様。
植物に降り注ぐ朝の光のように、あるいは、花びらをゆらす風のように、ヒルデガルトたちを見守るエッセイはどこまでもやわらかくやさしい。きみ様の絵筆と熊谷さまのペンの二重唱に導かれて、私たちはいつしかヒルデガルトたちとすっかり打ち解けて、薬草香る園で温かなひとときを過ごすのです。
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それでは、本日DAY 1の配信記録をお届け致します。毎日夜更新される一日のまとめ記事をご覧になれば、見落としなく配信内容をチェックできますので、ぜひご活用下さい。
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DAY 2の明日もぜひ
ヒルデガルトたちが佇む苑へ遊びにいらしてください。
皆様のお越しをお待ちしております。
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販売期間は【7月9日(土)23時〜11日(月)23時】の3日間。前期後期共通となります。販売は下記バナーの霧とリボン オンラインショップにて。
*先着順販売・通販限定
7/7の夜までに、本展の全作品が並びます。
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