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ディケンジング・ロンドン

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チャールズ・ディケンズ没後150周年記念 熊谷めぐみ&霧とリボン共同企画展《ディケンジング・ロンドン》|2020.11.29〜12.5 *12/2休
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#絵画

ディケンジング・ロンドン|TOUR DAY 2|互いの友《3》

* 『互いの友』あらすじ 塵芥で財を成したハーモンの莫大な遺産を受け継ぐことになっていた息子のジョン・ハーモンが、テムズ川で水死体となって発見される。彼の死と残された財産をめぐって、二組の若い男女を中心とした社会のあらゆる階層の人々が「互いの友」を通じて交錯する。 *  夜の帳と霧のカーテンがロンドンの街をメランコリックに包んでいます。ヴィナスの店の次に巡る『互いの友』ゆかりの場所は、テンプルにあるモーティマーの事務所。  事務所の扉を開けるとそこには、画家・鳥居

ディケンジング・ロンドン|TOUR DAY 2|エドウィン・ドルードの謎

* 『エドウィン・ドルードの謎』あらすじ クロイスタラム大聖堂で聖歌隊長を務めるジャスパーはアヘンの常用者であり、彼を慕う年の近い甥エドウィンの婚約者ローザに邪な思いを寄せている。クリスマスの朝、エドウィンは忽然と姿を消す。エドウィンと不仲だったランドレス兄妹の兄ネヴィルは、エドウィン殺しの疑惑をかけられ町を追われる。 *  DAY 2最後のツアーは、ロンドンから離れてケント州ロチェスターへ。ここは、『エドウィン・ドルードの謎』の舞台のモデルとなった場所。  ロチ

ディケンジング・ロンドン|TOUR DAY 3|デイヴィッド・コパフィールド《1》

* 『デイヴィッド・コパフィールド』あらすじ  
母と乳母ペゴティと幸せに暮らしていたデイヴィッドは義父となったマードストンから過酷な仕打ちを受け、寄宿学校に送られる。個性あふれる人物たちと出会いながら、デイヴィッドは自分の人生の物語を描いていく。 *  骨董屋を出て次に向かうのは、『デイヴィッド・コパフィールド』ゆかりのノーウッド。  ゼラニウム咲き乱れる温室で、ある少年と少女に出会いました。温室いっぱいに広がる横井まい子さまの馨しく美しい描線を堪能しましょう。

ディケンジング・ロンドン|TOUR DAY 3|デイヴィッド・コパフィールド《2》

『デイヴィッド・コパフィールド』あらすじ 
母と乳母ペゴティと幸せに暮らしていたデイヴィッドは義父となったマードストンから過酷な仕打ちを受け、寄宿学校に送られる。個性あふれる人物たちと出会いながら、デイヴィッドは自分の人生の物語を描いていく。 *  DAY3最後のツアーは、温室から続いて『デイヴィッド・コパフィールド』ゆかりの場所を三箇所巡ります。  ふたりの青年の人生の旅程に重なる本ツアー。画家・永井健一さまの硬質優美な世界観で綴る圧巻の三連作をお楽しみ下さい。

ディケンジング・ロンドン|TOUR DAY 4|大いなる遺産《2》

* 『大いなる遺産』あらすじ 
両親のいないピップは、年の離れた姉とその夫で鍛冶屋のジョーと暮らしていた。クリスマス・イブに、ピップは一人の脱獄囚に遭遇するが、その男は再び捕えられる。それからしばらくしてピップはミス・ハヴィシャムの屋敷に連れていかれる。そこでは、ピップの運命を変える出会いが待っていた。 *  もうしばらくサティス荘に滞在します。  時が降り積もり、屋敷全体が灰モーヴ色で覆われている奥の一室で、画家・横井まい子さまが描く二人の女性が、現実から遊離し

ディケンジング・ロンドン|TOUR DAY 4|大いなる遺産《3》

* 『大いなる遺産』あらすじ 
両親のいないピップは、年の離れた姉とその夫で鍛冶屋のジョーと暮らしていた。クリスマス・イブに、ピップは一人の脱獄囚に遭遇するが、その男は再び捕えられる。それからしばらくしてピップはミス・ハヴィシャムの屋敷に連れていかれる。そこでは、ピップの運命を変える出会いが待っていた。 *  そろそろサティス荘をはなれる時間になりました。  闇の中、静かにゆらめく蝋燭だけが時の存在を感じさせる邸内で、梅原あずさ様の描く時の微睡みを纏うミス・ハヴィ

ディケンジング・ロンドン|TOUR DAY 6|水晶宮

*  ヴィクトリア朝ロンドンで訪れてみたい場所の筆頭、水晶宮(The Crystal Palace)にやってきました。  画家・永井健一さまが着眼したのは夜の水晶宮の詩情。喧騒から解き放たれて闇にたゆたうガラスの宮殿を眺めてみましょう。 * * 永井健一 | 画家 →HP 大阪大学文学部美学科卒業後に作家活動を開始。個展や企画展等で作品発表をしながら、イラストレーターとしても活動している。画中の人物は、夢現に漂う叢雲の中で願いや想いを折り重ねて結晶化する。boo

ディケンジング・ロンドン|TOUR DAY 6|ディケンズの書斎

*  旅の終幕がとうとうやってきました。  6日間に渡り巡ってきたディケンズの旅。最後に訪れるのは、本ツアーの出発点となった「ディケンズの書斎」です。物語のはじまりの場所、小説家の想像力が生まれる場所に敬愛を込めて、もう一度記憶に刻みましょう。  画家・永井健一さまがディケンズの代理となって届けてくれた古封筒が数枚、書斎の机の上で私たちを待っていました—— * * 永井健一 | 画家 →HP 大阪大学文学部美学科卒業後に作家活動を開始。個展や企画展等で作品発表